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なぜ俺は天使と夜の公園で氷結を飲んでいるのだろう。

俺は自分のほっぺたを強くつねった。全く痛くない。んじゃ夢か?なーんだ〜!夢じゃんか〜!

「冷たっ!」

振り返ると氷結のロング缶を片手にニヤニヤとした表情の天使(藤田ニコルさん)がいた。

「ふふふ、冷たかった?ほい!もう一本!」

夢じゃなかった。話は少しだけ遡る。

俺は渋谷無限大ホールでライブを終えたところだ。

「なにしてはんのや!ジャンボはん!ネタ飛ばしまくりやないか〜来てくれたお客様に失礼やで!ええ感じのメイクさん4人も呼んでたんやで〜」

俺はネタを飛ばしまくり、池田はお気に入りのメイクさんを4人も呼んだのでかなり怒っていた。

「お金もなければ集中力もないんだね?」

札束を両手にかざしたおばたのお兄さんが俺に話しかけてきた。本当に嫌味な男だ。

「ジャンボくん、君は本当に情けない男だね。金も幸せも全て掴んだ僕には理解できないよ〜!お笑いできなくなったら、君みたいな男は死んだほうがいいんじゃないか〜?さ〜て、ワンオクロックと飲みにでも行こうかな〜」

おばたはいつも札束をなびかせ、ワンオクと友達であること、小栗旬さんに可愛がってもらってることを自慢してくる。俺はおばたくんのせいで最近は小栗旬がテレビに出ていたら必ずチャンネルを回すことにしている。

ただ、言われていることは事実。金も人気もない俺はお笑いを頑張るしかないのに、天使にうつつを抜かして、ネタを飛ばすなんて情けない。

「少々落ち込んでるみたいやな?」

振り返るとそこには優しい表情でニューヨーク屋敷さんが立っていた。屋敷さんは常に楽屋全体を見ている。落ち込んでいる若手が居たらすぐに声をかけてくれるんだ。俺もどこかで屋敷さんの存在を待って居たように思う。

「いや、、おれ、、」

「えーから!今日は夜風が気持ちええよなぁ。公園でおつまみと缶チューハイ、、どや?」

「、、はいっ!」

俺はこの人の後輩で良かったと心から思った。2人コンビニで氷結のロング缶を2本とファミチキとさきいかを買い、代々木公園に向かった。そのまま少し座れる段差を見つけて、2人で座り、缶チューハイを開けた。

「落ち込みジャンボに乾杯や〜」

「ちょっと、屋敷さん!」

俺たちは2人で笑った。屋敷さんはたわいの無い世間話と恋愛番組と不倫漫画の話をしてくれた。

「ちょっと缶チューハイ無くなってもうたなぁ〜」

「あ、自分買ってきますよ!」

「そうか、、ほんなら、ほいこれで買ってきて〜、おつりは取っとけや〜」

屋敷さんはそう言うと俺に一万円札を渡した。

「いやいや、あたり貰えるわけないじゃないですか!」

「ええねん。居酒屋行ったおもたら、、安いもんや。」

そう言って屋敷さんは俺にウインクをした。この人はこんなにかっこいい先輩で居ながら、本当に面白い人だ。俺はそう思った。

俺はファミマで氷結のロング缶を2本とさけるチーズを買って店を出た。すると出口で氷結のロング缶を美味しそうに飲む女性が見えた。

天使だった。

「え?ジャンボさん?」

「あ、そのお久しぶり、、」

「うわぁ、、恥ずかしいところ見られちゃったなぁ、、女が1人でコンビニの前で氷結グビグビ飲んでるのはヤバ過ぎますね。」

「やばくない!その、、似合ってたし!」

「ジャンボさん、、似合ってたは、褒めてないよ?」

2人でニヤニヤ笑って、目を合わせて声を出して笑った。俺は勇気を出して誘った。

「今、先輩と代々木公園で飲んでるんだ。良かったら一緒に少し飲まない??」

天使はアゴに拳を置いて少しだけ考えて

「お邪魔じゃない?」

「うん!大歓迎さ!」

「んじゃ、、行きます!」

2人より全然誘いやすかった。ただ、男とはワガママなもので誘うのに成功したら、成功したで2人が良かったなぁ〜とか思うものだ。屋敷さんに失礼じゃないのか!情けない男だ。と1人で考えて居た。屋敷さんの元に戻ると、、屋敷さんがいない。

「あれ?屋敷さんどこ行ったんだろう?」

「先輩いないの?大丈夫??」

すると屋敷さんからLINEが1通届いていた。

[なんか帰りたなったから帰るわ!俺が帰りたなったから帰るんや、気にせんでええで。」

屋敷さんが座っていた場所には気にせんでええでのロゴ入りのライターが置いてあった。本当に屋敷さんはかっこいい人だ。これからも俺は屋敷さんの背中をずっと見ていたいと俺は思った。

「先輩大丈夫??」

心配そうに天使が俺の方を見ている。

「なんか急用が出来て帰ったって、、」

「えー、、私のせいとかじゃない?」

「そんなわけないじゃん!んと、とにかく飲もうよ!」

「うん!飲む!」

そこから2人はたわいもない話をしながらでもすっごく楽しかったのを覚えている。あっという間に時間も過ぎて、お酒も無くなっていった。

「お酒もう無くなっちゃったね〜」

「俺、買ってくるよ!」

「いい!私行く!」

「いや、悪いって!」

「トイレのついでだからいいの〜!」

天使はそう言ってコンビニの方に歩いて行った。天使といると本当に楽しいし、時間を忘れてしまう。

俺は1人になってこの状況、、我に返った。

俺ずっと天使と公園で氷結を飲んでる?え?なんで?どうゆう流れだっけ?屋敷さんと、、え?

俺は自分のほっぺたを強くつねった。全く痛くない。んじゃ夢か?なーんだ〜!夢じゃんか〜!

「冷たっ!」

振り返ると氷結のロング缶を片手にニヤニヤとした表情の天使(藤田ニコルさん)がいた。

「ふふふ、冷たかった?ほい!もう一本!」

笑いかける天使氷結を開ける

「改めて、かんぱ〜い!」

ここからは俺は少し記憶がないような、あるような、、、

「ジャンボさん、、どうしたの?」

、、、いや、ハッキリあるか。

「藤田ニコルさん!俺とデートして下さい!!」

天使は氷結をチビリと一口飲んで、、

「超楽しそうじゃん!」

天使は笑った。

天使を見て、俺も笑った。


続く



これはフィクションです。




ジャンボに特茶1本奢ってください!