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#61 梅宮アンナさんの脱毛に関するお話に共感して一筆

梅宮アンナさんが、乳癌に罹患された事を公表されたとの報道を目にして、梅宮さんが病気について想いを語るInstagramの動画を途中まで拝見しました。動画の中で、抗がん剤治療で脱毛が始まった事、そして、ウィッグや頭髪、脱毛についての語りを聞いて、同じく抗がん剤治療による脱毛を経験した者として、感じてた事を綴ります。

Instagramでの公表は誕生日の8月20日をご予定されていらしたそうですが、抗がん剤治療を始めて2週間が経過し脱毛が始まったため、髪があるうちにと、前倒しされたそうです。素人の理解では、抗がん剤は増殖するがん細胞い細胞を効果を発揮しますが、爪や髪等の成長が早い細胞にも影響を及ぼすため、副作用として、脱毛や爪が弱る等が起こるそうです。実際に爪も弱りましたが、何と言っても目に見えて影響感じるのは、脱毛です。補足しますと、全ての抗がん剤で脱毛が起こるのではなく、薬剤によっては脱毛が起こらないそうです。そして、治療を選択する上で、医師からは、他の治療と同様に、抗がん剤についても効果と主たる副作用の説明をしてくださる中で、脱毛のことは必ず伝えてくださるはずです。

梅宮さんが治療開始後2週間で脱毛が始まったそうですが、私も2週間後に脱毛が始まりました。病院併設のコンビニで購入した、黒の不織布で出来たシャワーキャップ状の抜毛対策グッズを、室内用ニット帽の中に被って過ごしました。抜毛が始まった後のシャンプーは、1回で総量の3分の1位一気に抜ける、ごっそり抜ける、そんな感じです。シャワーを頭から浴びながら、いつ一区切りついてシャワーを止めることができるのかと、苦しく感じたことは忘れられません。

毛髪が全て脱毛した後、薄手の室内用ニットキャップの上から、両方の掌で頭を包み込むと、頭の小ささに衝撃を受けました。普段、頭を触っているつもりでも、毛髪を触っており、毛髪のない頭はサイズ感が大きく違って感じられました。

抗がん剤よる脱毛は治療を終えれば生えます、と説明を受けていても、やはり本当に生えてくるのかと心配になりますし、ただでさえ癌というダメージを受けている中での脱毛は、非常に凹みます。

そんな気持ちを抱える中、抗がん剤治療が始まって2ヶ月ほど過ぎた頃でしょうか、NHKの朝イチで、男性の薄毛特集が放送されました。当時、同居の家族が毎朝、朝イチ見ていたので、その日も見るともなしに視聴しました。

その番組にゲスト出演されていた女性タレントの方が、「薄毛なんて全然気にならない。薄毛を隠すより、寧ろ薄毛を活かしたヘアースタイルにする方が格好いい」という様な趣旨のご発言をされました。

私も毛髪量が多かった頃は、口には出さないものの、増毛やウィッグにお金かけたり、薄毛をカバーするヘアースタイルにしたりせずとも、個性を活かしたヘアースタイルにすれば良いのに、とか、スキンヘッドとか短髪が似合わない雰囲気の方は、大変だろうな、とか思っていました。しかしながら、自身が脱毛中、番組の中で、そうした発言を聞いた瞬間に、いかにそれまでの自分が強者の立場から傲慢な考えを持っていたかと気づき、恐ろしくなりました。

相手の立場に立ってものを考える、というのは叶わない。相手の立場は分からないからこそ、最大限想像してみる事が大切だと痛感しました。

複数回受けた抗がん剤治療、漸く折り返しの回数に到達した時に、虫歯を抜歯する必要に迫られました。

抗がん剤治療は白血球が減少するため、例えばインフルエンザ等の感染症に罹患すると重症化するから、白血球減少する期間は人混み等避ける様に指導されていました。抜歯後、傷が回復するまで白血球を減少させることを避ける必要があることから、抗がん剤治療を休止する必要があるそうです。余談ですが、1日も早く、治療を終えたい為、治療休止期間の発生には気持ちが逸りました。気づかなかったとはいえ、虫歯を放置したのは、自分、致し方ありません。

虫歯、抜歯、今回話題の抗がん剤は脱毛には関係なさそうですが、実は、関係大有りです。休止期間に、なんと、発毛しました。髪の伸び方が元々早めでしたので、毛根が元気だったのかもしれません。このことにより、治療を終えれば発毛すると分かり不安は拭えました。一方で、発毛してすぐに後半戦の抗がん剤治療に入って脱毛した事が原因なのか、いよいよ抗がん剤治療を完走した後の発毛は休止時より遅く、育毛力も弱体化しました。

抗がん剤治療終了後、約4ヶ月で復職しましたが、ウイッグ、つけず、地毛出社しました。女性としては、かなり少ない毛量であり、かつ、五分刈り程度の長さでした。2回の脱毛が影響しているのか、かなり硬めだった毛質から、柔らかくなりました。また、服薬の影響か、毛量も以前と比べると相当少ないです。どの位短いかといえば、蓮舫さんよりも短いです。

薄毛や脱毛は経験しなければ、当事者の想いは分からない、ということは先に述べましたが、もう一つ、好き好んでしている短髪では無いので、褒める、という肯定的な想いであっても、ヘアースタイルについて触れてほしくない、です。

今後、会う可能性のない方や、距離感が遠い方については、ヘアースタイルについて触れられてもスルーしますが、社内の方等の一定の距離感かつ、再び会う方の場合には、なぜ、このような短髪か、について軽く触れるようにしています。それでも、「でも、素敵です」という良かれという発言が、一層こちらの気持ちを滅入らせます。

褒める、という行為は相手が喜ぶとは、限らない、ということについても、私は意識を向けていきたい、と思います。

梅宮アンナさんの引き合いに、日頃の自分の鬱憤を綴ってしまいました。聞き苦しく、いや読み苦しかったらごめんなさい。

梅宮アンナさんが、日々を穏やかに過しながら、治療が完走出来るように陰ながら願っています。

以上です。




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