アブラムシ。、、、あなたはどうしていつのまに?
5月も中旬になると、庭もベランダの植物も落ち着いてどんどん大きく成長してきます。 ああ、いい感じ、、、ともう大丈夫だな、とちょっと目を離しているとある日、あれ?なんか葉っぱの感じがおかしい???
近づいて見てみると、、白いものがナスの葉っぱに。
ああ、しまった、、、あの子たちか、、、。
脱皮した後の白い服脱ぎ散らし過ぎ。
だらしない娘たちよ。
そう、園芸で一番お悩みが多い、アブラムシです。
でもなんで、アブラムシって知らない間に植物についているの?
うち、ベランダだし、結構高い階に住んでいるんですよ???
あっという間にあんなに増えているのはなぜ???
いろいろ悩ましい植物の病害虫ですが、その生態を知っていれば対策も取れるというもの。今回は、園芸のお悩みナンバー1のアブラムシ対策についてです。
アブラムシの生態
これが私がベランダで育ているナス。いい感じに葉っぱも大きくなってきています。安心安心と気を抜いた矢先でした。
近くで見るとこんな感じ。
いますね、緑色したアブラムシが花を中心にその周辺にいっぱいいます。
葉っぱの裏にもいっぱい。
いつ間に?と思ってしまいますよね。
5、6年前くらいから、私が長年アドバイザーを務めているフマキラー さんと一緒に、悩ましい植物の虫と病気のことを、初心者の方にもわかりやすく説明していく一環として、虫の生態についてお話をするようにしています。
敵のことを知れば、その対処法もわかるから!!
というわけで、アブラムシの生態について。
これがもう、、驚き驚き!!そして合点合点!!
アブラムシは、卵で越冬します。ちょうど私たちも気候が良くなってきてああ、ガーデニングでもしようかな💕と思う頃に、虫も活動し始めます。
今年は、ステイホーム状態でガーデニングでも、と思った方も多いはず。
その時です!アブラムシも、お食事でも💕って動き出すのは。
春になって孵化した幼虫は、卵ではなく自分と同じ遺伝子を持ったクローンのメスの幼虫をたくさん産みます。その幼虫もクローンを産みます。
そしてようやく晩秋になってはじめてオスと卵を産むメスが現れ、交尾し卵を産みます。でも気候条件の地域差などで、一年中、メスだけでクローンを産み続ける系統もあるので、暖かい地域とかでは冬でもアブラムシを見かけることがあるのですね。
そしてアブラムシは同じ種の中で翅を持たないものと翅を持ち移動するタイプがいます。前者は幼虫をどんどん産むタイプ。後者は翅を使って移動し、移動先で無翅型の幼虫を少数産みます。なので、ベランダなんかでも風に乗って、あるいは飛ばされてやってくるのですね。
社内ではなく、社外のエリートを狙ってみたりするタイプ??💦
アブラムシ、どのくらい増えていくかというと、、
幼虫は10日前後で成虫となり、毎日5匹程度の幼虫を産みます。
1つの群れには祖母、母、娘、孫、、、が同居しているので大変な数になります。アブラムシ、お腹の中には胎児が数珠つなぎに入っていて、さらに、その胎児のお腹の中にも、すでに次の世代が用意されているんだとか、、、!!!
もうこうなるとオカルトに近い、、、マトリョーシカ状態でお手上げ、手ぶらでスキー、、、くっ。
アブラムシの対策
というわけで、恐ろしい勢いで増え続けるアブラムシ。
この対策、私がどうしているか、、というと。
まだ、園芸のことを何も知らなかった時には、先ずは、、、
水で洗い流していました。 潰しながら。
だんだん、できるようになるものです。 慣れてくれば。
アブラムシがついた後は、どうしてもベトベトが残ってしまうこともあるのですが、洗い流せるくらいの(潰せるくらいの)数である時には、できる限り潰して水で流してしまうように。ただ、水で、なので土にそのまま残ってしまうことは否めません。 気をつけておいてまたしばらくしたら、また出てきて繰り返す、、ということになるかなぁ!
農薬? いえ、植物のお薬。
ナスだけではありませんでした。
少し離れたところにあった、カリブラコアのハンギングにも。
なんとなく成長が悪いなぁ、、と思っていたのですがやっぱり。
この微妙な薄い花弁についているものは、水で流そうにも花自体がダメになってしまいそうです。
そして、結構な数の発生。ひ孫まで行ってそう、、、というわけで市販の殺虫殺菌剤を使うことに。使っているのが、、「カダンセーフ」。
いわゆる、自然系の殺虫殺菌剤です。
ちょっと宣伝まがいになってしまいますが、私がアドバイザーを務めているフマキラー 社のものです。
実は、この商品があったから、アドバイザーを承諾としたと言ってもいいくらい。
そう私は今年アドバイザーになって17年目になるのですが、その時からカダンセーフがあったということは、この自然系殺虫殺菌剤の草分けなのです。当時は見向きもされなかったようなのですが、時代は、家庭菜園ブーム、そして自然ブームと移り変わり、ようやく日の目を浴びることに。
この商品の成分は、食品添加物。有効成分の「ソルビタン脂肪酸エステル」とは、ヤシ油とデンプンを原料として作られる物質で、アイスクリーム、パン、チョコレートなどにも使われている身近な食品原料。薬剤が虫や菌の表面を薄い膜状に包み込むため、虫は呼吸ができなくなって窒息死し、菌は栄養吸収ができなくなり、死んでしまいます。
この薬の使い方は、滴るくらいにしっかりと噴霧すること。葉っぱの裏もしっかりと。今の商品は、そのために、スプレーするところの構造もたっぷりと細かい霧で噴霧できるように工夫されています。
カダンセーフは、アブラムシ以外にもハダニとか、少し固体が大きいアオムシにも。うどん粉病、灰色カビ病に効きます。
一方、化学殺虫剤を使った薬品もあります。
「カダンプラスDX」(フマキラー)など多くのメーカーから出されているもの。
こちらは化学薬品を使用していますが、実際に、様々な試験によって得られた科学的データを評価しています。使用基準に従って使用すれば安全であると判断できる農薬だけ、農薬取締法に基づいて登録されたもので「使用できる作物」や「使用できる時期」、「使用してよい量」などの「使用基準」があり使用基準に従って使用した場合に安全であることを農林水産省が確認した商品です。
園芸の商品、どれも似通った色だとか形だとかデザインだったりして、どれがいいかわからない、という方も多いのですが、表側に書かれている情報と、裏面に書かれている情報だけはしっかりと読んでいただければと思います。
特に、「花」だけに使えるのか「野菜」にも使えるのかというところは要注意です。商品によっては、「花」だけだったり「野菜」だけだったりしたり、また、「虫」には効くけれど、「病気」には効かないというように単体の商品もあります。
このカダンプラスDXは、花も、野菜も、庭木にも使えて、病害虫両方とも対応。(ただし、登録されている植物は、裏面を見て判断します。)
そして1ヶ月の予防効果。
先ほどのカダンセーフは、予防効果はなし。今発生している病害虫に効果を発揮する薬。
そしてカダンプラスDXは病害虫で弱った身体も元気にしてくれる活力成分も含まれています。
となんだか猛烈に強そうに感じるのですが、トマト、ナス、キュウリ、イチゴには、アブラムシ、ハダニやうどん粉病などには収穫前日まで使えます。
薬を使うかどうかは、自分で判断ができるように。
園芸で講座をする時には、いつもお話をしていることがあります。
農薬は危険、使っちゃダメでしょ?
の前に、自分の楽しみであるガーデニングの範囲で、第一優先することが何であるかを少しずつ、植物を育てながら考えていくことと。
昔、大学の心理学での授業のお話の中で、、、「虫を殺してはダメでしょ」と親から言われて育ってきた子供。背景にはそれだけではないでしょうが、自分の感情のままに手をあげたら、うっかり友達を大怪我させてしまったりすることがある。もしくは、殺人にまで至ってしまう。 そういう事件も少なからずあり、虫を殺したらどうなるか、自分の力加減は? 思いとどまる理性は?その時の感情を味わう経験があるかないかでその後の人生を左右することもあると。
自分も小さい頃にうっかり虫の足をもいでしまったり潰してしまった経験がある私には、なんだか印象深い内容でした。
虫きら〜い!! と薬品を使ったら、目の前でころっと虫が死んでしまう。
なんか気分が悪い。 よし、これから虫がつかないか目を凝らしておこう!
夜に割り箸と灯りを持って早めに捕まえよう!
せっかく高いバラの花を買って楽しみにしていたのに、虫だ、病気だ、、でダメになってしまった。すごく残念。私には花を育てるのは向いていないかもしれない。
小さい子供がいたり、ペットを飼っているから、できる限り薬は使いたくないなぁ。
小さな虫ひとつで、でいろんな感情が右往左往するのもガーデニング。
そして自然界で起きていることは人生の遠回しの教訓だったり、考え方の礎になることもあるのです。
全て、自分で選べること。
薬を使うか、使わないか、、自分で選ぶことができるのが、ガーデニングなのです。
ちなみに、私は、最初に書いたように初期なら、洗い流す、見つけて逃す、たまに捕殺(笑)
そして野菜やハーブなど口入れるものは、カダンセーフでまめに治療をし、お花など長く楽しみ育てたいもの関しては、カダンプラスDXでと使い分けています。
自分自身も、癌が見つかった際に、抗癌剤や他の科学的な治療法を選択しました。
あれは、、、勘のようなもので、いますぐに行わないと、死んじゃうな、、ってすぐに思ったから、、、花と同じように!?(笑)。
だから前面的にお医者さんのおっしゃることを受け入れて、今あるわけです。
もちろん失ったものもたくさんありますが、生きていることが一番。
その後の回復はゆっくりと付き合ってあげればいい。
インフルエンザになってもやっぱりお医者さんへ行って薬をもらいますよね?
コロナになってもやっぱり自力ではどうも治すのは難しそうですしね?
病がひどく進まないようにするのが、化学殺虫剤を使った薬。
でもその前に、人間と同じように
「早期発見、早期治療」!!
これが一番大事なことかな、って思います。
アブラムシもそろそろくるな?
って予測してまだ数が少ない間に防ぐ!
なので、時々、よく観察してあげること、、親になった気持ちで、我が子の異変に気付いてあげれば、と思います。
(いつもジィ〜っと監視していたら、うざい、からね!?)
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