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瞼はほとんど閉じている

眠れない。
日本人の5人に1人は不眠症なのだそうだ。診断がつくとかつかないとかは関係なく、自覚と無自覚と関係なく。
私も今日のように、こうやって度々眠れないが素人考えの決めつけで勝手に月経周期のせいにしている。
大抵の不調は月経周期と低気圧のせい。
そういえば赤ん坊は低気圧だとよく寝るらしい。
外は雨で、おそらく頭上は低気圧のはずだからこのまま私も赤ん坊のようにすやすやと眠りの世界に意識を放り投げたいものだけど、それが簡単に出来るならこうやって文字を綴っていない。

私は別に眠れない夜にネガティブになったりしない。暗い思考に捕まったりしない。今日の些細な失敗を悔やんだりしない。死にたくなったりしない。
ただただ頭の中が連想ゲームをしていたり何かを考えていたり文字を書いたりするだけだ。
眠れない、というより忙しいに似ている。
シャットダウンの号令を出しても閉じ切れていないタブがそれぞれ勝手に話し出したり光り出すような忙しさだ。
私のOSのあらゆる挙動にまだ一つも診断はついていない。
病院が嫌いで投薬やその管理が嫌いで、そして生まれてこの方ずっとこの脳内機序なのでこれが普通で治すべきものだと想像がつかないからだ(といいつつそれをここに書けるということは知識としては何かしら自分と他人との違いを少なからずわかっていることになってしまう)。
私の頭の中はずっと忙しい。新たに何かしらの行動を開始するためにはこの騒がしい何かのうちの最低でも1つを終わらせた方が良いのではないか、などという疑問が益々何事かへの物事への取り掛かりを遅らせ続ける。
そう、私が今眠れないのはこの日記を書き始めてしまったからだ。
開きっぱなしのタブがこうやっていつも眠りを遠ざける。

本来なら特性と呼ばれるべきものをアイデンティティとして自己に内面化させてしまえばしまうほどあらゆる診断が怖い。
丸飲みで受け入れてきた今までが治すべきものだったと言いきられてしまうことが怖い。
だがらできるだけ生活に何の困難もないような顔で生き続けて、治すべきところなんかまるでないように振る舞いたい。
だから眠ろう。
眠れなかったなんて誰にも悟られないように。


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