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eポートフォリオってなに?どうやって大学入試に使われるの?

今回のテーマは「eポートフォリオ」(いーぽーとふぉりお)です。

・eポートフォリオとはなんなのか

・eポートフォリオはどのように大学入試に使われるのか

・eポートフォリオに対応できる学校を選ぶことの重要性

について、解説します。

大学入試改革の目玉といえば、センター試験に代わる共通テストと英語の外部試験導入です。

でも変わるのは、筆記試験だけではありません。

新たな評価基準として「eポートフォリオ」が取り入れられます。これによって大学入試は「筆記試験に向けて勉強をする」という従来の受験スタイルが大きく変化します。

eポートフォリオとはなんなのか

eポートフォリオのポイントは3つ
①高校時代の学習や活動をデジタル化する
②効率的に振り返り学習ができる
③学習や活動の意味づけを明確にする

高校時代の学習や活動をデジタル化する

eポートフォリオとは、部活動や委員会活動、ボランティアといった高校の学内外での活動記録をデジタルで記録していくシステムです。

具体的には、パソコンやタブレットやスマートフォンから、文部科学省が運営する高大接続ポータルサイト「JAPAN e-Portfolio」など※にログインして、生徒が自分で活動内容を書き込んでいきます。

※高校生向けのeポートフォリオのサービスには、「JAPAN e-Portfolio」のほかに「Feelnote」「Classi ポートフォリオ」「Pholly」があります。

記入項目は探究活動、生徒会・委員会、学校行事、部活動、学校以外の活動、留学・海外経験、表彰・顕彰、資格・検定の8項目。学習の記録だけではなく、あらゆる活動を記録することができます。

↓画面で見るとこんなかんじです。

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出典元:JAPAN e-Portfolio

効率的に振り返り学習ができる

なんのためにそんなことをするのか。それは、高校生が「自分の活動成果や学びを記録」し「自分の活動成果や学びを振り返る」ことで、次の学びにつなげていくためです。

つまり、eポートフォリオは自分で自分を成長させる、自主学習のためのツールといえるのです。

学習の履歴を残すというのは、たんにテストの点数を記録していくというのではありません。

小テストや、定期試験、模試の結果などの反省点などを記入することで、次の試験までに自分は何を学習するべきなのかを明らかにしたり、効果的な学習方法を考えたりするために役立てます。

学習や活動の意味づけを明確にする

部活動などの課外活動に関しても「私は今年部活動で県大会まで勝ち進んだ。とてもうれしかった」というような日記を書くのではありません。

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出典元:JAPAN e-Portfolio

eポートフォリオにはたんに結果や実績だけを書き込めばいいのではありません。「私はこんなことに興味を持って、部活動ではこんなことに挑戦した。そこでこんな課題が見つかった、こんな成長があった」というふうに、日々の活動の意味やその日の目標設定など、自分の成長のプロセスを明確にすることが求められます。

eポートフォリオはどのように大学入試に使われるのか

eポートフォリオのデータを出願時に大学に提出できます。受験生がeポートフォリオのデータを志望大学に提出し、合格者を選抜する際の参考にするという大学が増えてきています。

また、eポートフォリオはAO入試や推薦入試などで必要な調査票などを作成する際にも役立ちます。

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出典元:JAPAN e-Portfolio

JAPAN e-Portfolioの仕様では、↑こんなかんじに、出願に必要な項目に【出願必須】というアイコンがついています。

eポートフォリオに対応できる学校を選ぶことの重要性

そもそもなんでeポートフォリオというものが誕生したのか。

大学入試改革は、筆記試験だけで受験生を評価するのではなく、受験生が高校時代に積み上げてきたものなど、これまでの筆記試験では測定できなかったものを評価できるように変えていこうという目的があります。

そこでeポートフォリオの活用が推奨されているのです。

今のところ「eポートフォリオがないと大学受験ができない」というわけではありませんが、今後の大学入試では、「受験生が高校時代にどのような経験をしたのか、それによってどれだけ成長したのか」ということが求められるようになるのは確実です。

言い換えると、これからの大学入試で、高校時代に「これだけのことができるようになった」という成長を示せるだけの経験を積んでいかなければならないということです。

そこで、そのための機会や場がある学校を選ぶことが重要になってくるのです。

eポートフォリオで生徒が学習の目的や動機、成果を明確にしなくてはならない。ということは、「その学習(活動)を通して生徒にどんな力がつくのか」をきちんと示すことができる学校で学ぶ必要があるということです。

初めから、自分の活動記録を上手にeポートフォリオを作れる高校生は少ないはずです。

eポートフォリオには、生徒の書いた記録を先生がチェックし、フィードバックする機能もついています。これがけっこう重要です。生徒と先生がやりとりを繰り返すことで、大学に出願できるだけの充実したeポートフォリオを作っていくともいえるのです。

今後の学校選びでは

・日々の学習にeポートフォリオをどのように活用しているのか
・eポートフォリオの内容を充実させるような探究学習や海外研修などのプログラムがあるか
・それら学習や活動の目的・意味が示されているか
・生徒の成長を評価する方法が明確か

といった点にも注目する必要があります。

(所員:笠原紗由香)


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