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【いまさら訊けない中学受験】いまさらだけど、これって本当に子どものためになるの?誰にも訊けなかった肝心なところをちゃんと知りたい【その1】

そもそも中学受験って何なの?

笠:笠原紗由香('親子のための中等教育研究所'所員)
長:長さん('親子のための中等教育研究所’エグゼクティブアドバイザー)

笠:中学受験者はこの数年増え続けていますよね。うちも受験しようかなって考えても、実はよくわからないことが多い。だけど、いまさら聞けないってことがあるじゃないですか。だから、初歩の初歩から中学受験のことを聞いていこうと思います。

長:当たり前のことだけど、中学受験ってしなくてもいい受験だよね。受験しなくても義務教育期間だから、地元の学区の公立中学、自由選択制なら地域の学校の中から選んだところへ無試験で進学できる。なかには他学区の有名な学校へ越境入学をする人もいます。

じゃあなぜ受験するのか?

 保護者に聞くと、子どもが将来いろいろな選択肢を持てるようにしてあげたいって理由が多いようだよ。

笠:でも、一般的には東大や京大などの最難関大学へ進学するために有利だからってことでしょって思いますが。

長:それは結果に過ぎないんじゃないかな。たとえば、男子校の開成は・・・・

笠:開成ってもう中学受験においては頂点のトップ校ですよね。東大合格実績ナンバーワン的な。

長:でも開成は東大へ合格するための指導をしているわけではないでしょ。生徒の将来へ向けて、たくましくも円満な人格形成を目標としている教育機関としての学校です。塾でも予備校でもないんだよ。

一方で塾や予備校は生徒が目指す学校への合格指導を行う民間企業。

私立中学・高等学校は「私立」と付いているから塾や予備校と似たように感じてしまうかもしれないけれど、法的に位置付けられた公的教育機関なんだ。

公的教育機関には公立=地方自治体立学校(市町村立小・中学校、都道府県立高校など)と学校法人立学校(私立中学・高校など)があり、オランダなどでは私立学校(主に宗教系)でも公立学校でもどちらも授業料は無料。70%ほどが私立学校へ通っているって。

保護者にとって大事なことは「その学校が子どもにとってどんな教育をしてくれるのか?」ということ。大学合格実績というよりも、「多感な思春期を過ごす学校をどのように選ぶか」という点こそ、考えるべきポイントではないかな。

つまり中学受験は、保護者が教育を選べるということが大きな特徴といえるんじゃないかな。

笠:うん。私が思うのもそこだけど、それがなんとなくわかってきたのって、最近です。受験情報誌の仕事で私立中高一貫校というものを初めて知って、取材で直接学校の先生の話を聞いてきてようやくじわじわとわかってきたことです。

私にはとっても可愛がっている甥がいるんですよ。小学校高学年になって、私立中学へ行ってほしいなって思っているんです。いい大学に行ってほしいからじゃなくて、なんていうか、中学受験情報誌の編集を何年もやってきて、私立っていいなって思って、甥にもそんな教育を受けてほしいなと。

長:12歳から18歳の中学・高校の時期は、子どもから大人に変わるとても大切な時期。18世紀の哲学者ジャン=ジャック・ルソーは「第二の誕生」ともいっています。

この時期には“自分とは何か”といった哲学的な命題を考えたりすることで、人間的な成長が図られる。

大学進学のための勉強に明け暮れるだけではもったいない。教科学習は人間的に成長するために必要なんだという観点で考えてみましょう。中学・高校時代はいろいろ思い悩む時期だからこそ、子どもの将来のための視点でいろいろな学校を見て回るといいんじゃないかな。

笠:でも、いろんな学校を見るって難しいですよ。私は取材でかなりの学校を見てきて、掘り出し物の学校を見つけたり、その逆もあったり(笑)。

それってたまたまこういう仕事をしていたからです。数ある学校の中から自分で選んで行くとなると…。うーん…。まず学校をどうやって絞っていくの?というところから、指南してほしいです。

次回は「よし志望校を決めよう」となったらまず何をすればいいかを相談役の長さんに聞いていきます!

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