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立つ鳥跡を濁さずがよい

今日もあまり仕事はない。会社自体があまり景気の良い状態ではないため、私に回ってくる仕事も必然少なくなる。
こういう時はマニュアルを読んだり新たに作成してみたり、事務所のお片付け、PC内の整理整頓に勤しんでいる。

入社して数か月経った頃だろうか、今のように時間に余裕のある時にPCの中を色々漁っていたら不思議なファイルを見つけた。
一応、鍵はかかっていたものの、担当部署のパスワードを入力したらあっさり開錠、興味本位で覗いてみると、前任者と思われる方の手記が残されていた。
どんな手記かというと、いわゆる愚直ノートみたいな感じだった。割とハードめの。
入って間もない私は、入社以来ちょっとずつ感じていた違和感とすり合わせたり、ここの部署が割と短いスパンで人が入れ替わっている理由を改めて知った。
あまり気にしなければいいとは思うが、さすがにモチベーションは下がってくる。
パスワードもここの部署の人間だけが分かるようにし、あえてファイル自体を消さずにとっておいたのは前任者が見せたかったのであろう意図を感じる。

別に職場に対してグチグチ言うのは悪い事ではないし、前任者の言う通り決して働きやすい環境とは言えないので気持ちは分からないでもないが、私は立つ鳥跡を濁さずであってほしいなと思った。
私も何回か職が変わった事があるけれど、できるだけ痕跡は残さずやってきたつもりだ。
マニュアルぐらいは残すけど、それ以外は自分のファイルもちゃんと消し去って。
当たり前の事だが、その当たり前を破ってまで伝えたい気持ちもあったのだろう。
でも、自分の次に入る人が同じようにこの職場に合わないとは限らないし、やる気をもって仕事を始めた矢先にこういうのを見てしまうのはあまりにも酷だと感じる。

私はいい歳なので、ふーんぐらいにしか思ってないけど、初めて仕事をする若者とかが見つけた時の事を想像すると、ちょっとかわいそうになってくる。

私もいずれこの職場を去るだろう。
今はまだ準備段階なので、まだ先の事になるとは思うが。
ただ、その時が来たら立つ鳥跡を濁さず、前任者のフィルターのない自分の目でこの職場を見定められるような環境を作っていきたい。
あとちゃんと片づけて使いやすいようにしないと。
今日の空き時間は整理整頓で決まりだ。

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