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2024年7月2日「死恐怖症」

 小さい頃から暗い天井を見つめていると何かに吸い込まれるような、時には終わりのない奈落に落ちていくような感覚があった。そのまま見続けていると自分という「存在」について考え始める。人間の寿命は長く見積もって100年、自分より先に生まれたどんな人間も例外なくそうやって天寿を全うしてきた。このまま成長して成人しておっさんになって人生折り返して衰弱していってうまく体も動かせなくなってついには最期を迎える、至極当然であたりまえで不動の事実でどうしようもないくらい残酷で、そして不可避だっ

    • 2024年7月1日「末の松山」

      小学生の頃から百人一首が大好きだった。小学校の百人一首クラブにも入って熱中してた。放課後人がほとんど居なくなった校舎を歩いて畳の部屋へ向かう。障子の引き戸のある部屋へ入るとそこには30畳ほどの和室がある。学校でいちばん怖いと恐れられている40代くらいのいかつい顔の先生が嘘みたいに楽しそうに語っているなんて他の子に言っても絶対信じて貰えない、百人一首について、書いてあるものと読み方との乖離、枕詞とそれにかかる言葉、うた全体の由来や先生が特に好きな解釈などなど。 契りきな かた

    2024年7月2日「死恐怖症」