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人生初(?)の意地を張ってみた。

小学校高学年の冬の週末に、一人で駅ビルがある
最寄り駅まで 買い物に出かけた。

最寄り駅と言っても、家からバス停まで徒歩20分
以上、更にバスで片道30分以上かかる離れた場所だった。

散々歩き回ってお店を物色し、雑貨や文庫本・文房具を買った。

夕方になり肌寒くなってきたので帰ろうと思い、バス代を確認したら、数十円足らなかった。
何回見ても足らない。
初乗り分も足らない。
大ピ〜ンチ。
一人で来ているので、借りる相手もいない。
最悪。
でも、ここで私は慌てない。


子どもながらに、いろいろと帰宅方法を考えた。

①公衆電話から自宅に電話する
休日だから家族の誰かが居るはずなので、事情を
話し、車で駅まで迎えに来てもらう。
 ➡︎コレは怒られる事は目に見えているし、
 今後のお出かけがしにくくなるかもしれない
 ので、却下。

②最寄り駅近くの親戚を頼る
当時、駅から数分歩いたところで店舗を持つ親戚がいて、丁度帰宅方向と同じなので、寄りながら事情を話して小銭を借りて途中からバスに乗る。
 ➡︎コレは①よりまずい…店舗に顔を出した途端に
「あらぁ〜久しぶりねぇ〜急にどうしたのぉ〜⁈」
 攻撃からの、
「あらぁ大変‼︎じゃオバちゃんが送って行ってあげ
 るわよぉ〜♡イイわよイイわよ♡」
 の大事になり、最終的には親から大目玉&一生
 親戚から
「あの時はビックリしたわぁ〜♡お金が足らない
 なんて言ってお店に来るんだものぉ〜♡」
 と言われかねないから、却下。

③買った品物の何かを返品して現金に戻す。
 ➡︎一番現実的だが、せっかく買ったのにお店に
 戻って返すのも悔しい。
 (そんな事言っている場合ではないのだが…)

④歩いて帰る
 ➡︎道順は分かっているので、不安はない。
 ただし子どもの足では二時間程かかると
 思われる。


今思い返しても、よくも冷静に考えたものだなぁと感心してしまう。スマホもアプリのMAPも無いのに…。


駅前に立ってバスの往来を見ながら、上記の事に思いを巡らせること数分。

私は将来を見据えて決断したのだ。


  歩いて帰るぞ、と。約二時間の距離を。


今、家に連絡は入れない。
バス代が足らないから歩くと言わずに、
歩いて帰るぞ、と。


コレは、意地なのだ。
自分でしでかしたミスを、自分で処理しようとする
意地を押し通そうとしているのだ。
カッコいい〜♡  (女児ですけど…)

なぜか少々足に力を入れて颯爽と歩き出し、
最初から歩いて帰るつもりだったんです!と
言わんばかりの顔つきで約二時間。
途中でジュースも買えずに家に着いた私は
「ただいまぁ〜」
の言葉もそこそこに
「駅から、歩いて帰って来たんだよ。」
となぜか上から目線の発言で言ってのけ、
「なんで?」
とか
「電話すればいいのに」
なんて勝手な質問はほっといて、
サッサとお風呂に入ったのでした。
(あ〜疲れた)


凄い意地っ張りな自分だったなぁ…。
でもね、あの時の自分があって今の自分ができてる
訳だから、無駄だったとは思わないよ。

お疲れ様、よく歩いたよね。
今の私が褒めてあげるよ。