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キューバ6日目(ハバナの劇場でバレエを見る)

2004年6月20日(日)

今日のビッグイベントは、バレエに行ったこと!

昨日Zenaidaから、何度も “Que lindo!”(素晴らしいよ)とすすめられて俄然行く気になり、ちょうど今日は日曜日だからMatineeだし、夜遅くならないからいいかと思って午前中にチケットを買いにいった。
ロンプラには$10とあったけど昨日Luisは$20と言ってたし、どうかなーと思いつつ学生証を見せつつ聞いてみたら、$20と$3の席があるとのこと。$3席は上の方やったけど、貧乏学生(フリーター?)の私は$3席をゲット!
思ったより安かったのでルンルンで帰ってきて、2〜4時のレッスンのあとで行ってきました。

安い席のお客さんは横から入ることになっていて、2ペソでパンフレットも買って階段を上がった。途中まで電気がついていたのに2階まで上がったくらいでどんどん暗くなり、さいごはすごい暗闇を上らなくてはいけなくて、こけそうになった。

このTeatroは、ロンプラによると西半球の中で(西半球ってどこを指すのだ?)使用されている劇場としては一番古いらしい。6階席ぐらいまであり、天井にはフレスコ画と思われる絵とシャンデリアがあり、趣のあるTeatroでした。

待ち時間に描いていた絵。舞台です


私は午後4:20ぐらいに入り、席が埋まるんかなーと思ってたけど、さいごはぎっしり。ちょっとおめかしして出かけてきた感じの人たちでいっぱいで、でも子ども連れやらカップルやら、本当に普通の人たち。しかし子どもがしゃべりまくりで、横に座っていたおばあちゃんも私に文句を言ってたので、キューバでもあれはいかんのだろう。

そうそう、劇場に入ってから出るまでまったくアナウンスがないのにはおどろいた。始まりのブザーとかも何もなく、暗くなって音楽が聞こえてきたらそれが合図という感じでした。

パンフレットは買ったものの、なんのことやらさっぱり分からず、第一幕の途中で「はっ、これは白鳥の湖では💡」とひらめいたのですが、ピンポンでした。
アフリカ系のバレリーナがいるあたりがキューバっぽいと言えばそうかも(でも男の子だけ)。あと、みんなが熱烈に拍手するところも。プリンスが出てきただけでもすごい拍手で、ジャンプとか白鳥の手の動きとかに盛大な拍手を送ってた。

さらにおもしろかったのは、リズミカルなダンスの場面で手拍子がおこったこと。あんなラテンのノリのバレエは見たことがない。それに音楽が生ではなく、CDかテープが流れててんけど、あまりにも拍手の音が大きすぎて音楽が全然聞こえなくて、一度止めて拍手が収まってから再スタートしてたし。どこまでもフレキシブルなクラシックバレエなのでした。

このGran Teatro de La Habanaという劇場ではBallet Nacional de Cubaというバレエ団が踊ってるんだけど、これはAlicia Alonsoという人が作ったらしく、どうやら振り付けもこの人の手によるものらしい。振り付けなんてまったく分からない私にも、なかなか良く思われた。ダンサーたちも素晴らしかったし。

みんなの惜しみない拍手を聞きながら、そして私も惜しみない拍手を送りながら思ったのですが、このキューバという地で、社会主義のもと、決して豊かとはいえない生活を送っているからこそバレエという娯楽が本当に別世界を作り出してくれているように思われるんじゃないでしょうか。

日本で今日のバレエを見ても、きっと良いとは思うけど、でも一歩外へ出ればうだるほど暑く、道にはゴミが散乱してハエがたかり、異臭を放ち、決して衛生的とは言えない生活を送っているからこそ、夢の世界にひたりきれるのかもしれない、と。
なんだか私自身がこの生活に慣れられず、つらいよぉ、と思う部分も結構あるので特にそう思ったのかもしれないけど。

年代物のクラシックカー。こんなふうに街中で修理している人を見かけました


とにかく行ってよかった。英気を養いました。きらびやかな世界にどっぷり浸かった3時間でした(外野が気になったけど。お菓子とかアイスとかが売られてて、それを食べていいなんてすごすぎる)。

スペイン語の復習&宿題やりたくないよー。

バレエ$3


(2024年追記)
この劇場、上の階はすごく急で、落ちるのではないかとひやひやした記憶がぼんやりとよみがえってきました。そして、途中まで「白鳥の湖」と気づかずに見てたんやな、わたし…。
毎日がんばってスペイン語の勉強していたようですね。身につけたはずのスペイン語、どこにいっちゃったのでしょう。


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