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スローガン「静寂の中で聴く、音楽の祝祭」を実現させるには|文京区千駄木にある音楽とコーヒーとラジオの店「Juhla Tokyo」のPodcast「ユフラジオ」2023.10.01【文字起こし】

この記事は、文京区千駄木にある音楽とコーヒーとラジオの店「Juhla Tokyo(ユフラトーキョー)」 がお届けするPodcast「ユフラジオ」の文字起こしです。 主に扱うフィンランド音楽の話やお店や地域で活動している人とのクロストーク、店主の独り言など、お店の雰囲気そのままのゆるーい雰囲気でお届けします。

ユフラフェスティバルとは?

来月の11月4日、5日に開催される「JUHLA FESTIVAL 2023 テラノオト」、初めて2日間にわたって開催します。会場は、おなじみ、千駄木の養源寺さん。いよいよイベントの全貌が見えてきたのではないでしょうか。

「JUHLA FESTIVAL 2023 テラノオト」は、11月4日(土)・5日(日)に文京区千駄木のお寺・養源寺さんで開催します。お寺の本堂出演アーティストですが、11月4日(土)には石橋英子さん、Jun Futamataさん、Terpenez、出口優日 with 石田衛さん、古川麦&杉本亮さんの5組のアーティストが出演します。そして、11月5日(日)にはSuomi Morishita Duo Strings、高井息吹さん、寺尾紗穂さん、浮+服部将典+垣内英実さん、そしてフィンランドからNiklas Winter&安田芙充央のデュオ含めて計5組のアーティストが出演します。

さらに、本堂のオープニング・アクトも発表させていただいております。本堂のオープニング・アクトは、吉岡裕子さん(ピアノ)、Suomi Morishita Duo Stringsでもチェロを弾かれる本倉信平さん(チェロ)となっております。

このオープニングアクトは以前ユフラジオでも紹介したことがあるアルヴォ・ペルトの代表曲「Spiegel im Spiegel <鏡の中の鏡>」で、ユフラフェス2日間をスタートさせる予定です。このオープニングアクトは入場無料となっておりますのでぜひ。11時からスタートします。チケットがない方でも、奮ってご参加ください。

チケットは、本堂メインステージの入場券を絶賛発売中です。1日券は5,500円、2日券は1万円となっています。また、文京区民割として文教区に在住または在学の方には割引が適用され、1日券は5,000円、2日券は9,000円で購入できます。

静寂の始まりーオープニング・アクト決定までの秘話

オープニングアクトについてお話ししたいと思います。

以前、ユフラジオで話をしていた「Spiegel im Spiegel」ですが、本堂のアーティストが出そろった時に「今年のユフラフェスをどう始めるか」と考えまして。

静寂の中で聴く、音楽の祝祭」というスローガンを掲げてやっているわけですが、「徹底的に静寂になる。だけど音楽は鳴っている」という印象を作る上で、ミニマル・ミュージックの代表曲という位置付けで紹介されることも多いアルヴォ・ペルトのこの曲が1発目で鳴ってくれたら、(会場でお聞き下さっている皆様の頭の中で)ずっと心地よく回転していってくれる、何も考えずに身を委ねられそうだと思いました。ずっと続いていく旋律を聴きながら、みなさんも無心になり、白紙になった状態でこのフェスを楽しんでいただけたらいいなと思っています。

さて、アルヴォ・ペルトに造詣が深く、このオープニングアクトにふさわしいピアニストを探そうとなったときに、(主催が)クラシック音楽の分野ではあまり知人がおらず繋がりがなかったため、エストニアの大使館にお問い合わせしました。そこから紆余曲折を経て、吉岡裕子さんという素晴らしいピアニストと繋がることができ、彼女がこの曲を演奏してくれることになりました。

吉岡裕子さんは、武蔵野音楽大学と大学院を修了し、第一回全日本フランス音楽コンクールで第2位に入賞。スイスのヴェルビエ音楽祭など国内外の音楽祭で演奏経験が豊富なピアニストです。2005年にエストニアの作曲家 ウルマス・シサスクに出会い、彼のライフワークである連作ピアノ曲集《銀河巡礼》CDをリリース。2020年には、エストニアでの「シサスク60歳記念コンサート」に出演。東京では《銀河巡礼》全曲演奏(全4回)を行っています。八ヶ岳高原音楽堂におけるコンサート、湘南モーツァルト愛好会主催による「モーツァルトの手紙」シリーズなどにも出演を重ね、アトリエミストラル(高崎市)ではプレイエルピアノによるリサイタル「モーツァルト&ショパン」を継続。埼玉県立大宮光陵高校音楽科ピアノ講師として後進の指導にもあたる、と。まさに私が探していたような人だったんですよね。快諾をいただいて出演いただけることになり、本当にうれしいです。

彼女には、2日間に渡って出演いただくことになりましたが、11月3日(金)には別の場所でリサイタルが行われるようで、その後に我々のフェスティバルに参加してくれます。

https://www.yuko-yoshioka.com/

さらに、「Spiegel im Spiegel」はピアノとバイオリン、チェロの楽曲(元々はバイオリン)で、チェロの演奏家の方とも面識があまりなかったのですが、(今回Suomi Morishita Duo Stringsに出演する)本倉信平さんに打診をしてみて、「(もともとの)出演日の前日4日くらいに来ようかなと思ってたんだけど、そういうことなら前日から乗り込みます」ということで2日間出ていただけることになり、非常にありがたく、うれしかったです。

念願の無料開放を実現

今年のユフラフェスは、初めての試みとして、本堂の無料開放を行うことにしました。実はずっとやってみたかったことなんですね。これまではチケットを購入しないと入場できない閉鎖的なイベントでしたが、オープニングアクトを無料で楽しんでいただけることになりました。導線などを考慮すると複雑になってしまうのでどうしようかなと思っていたのですが、なんとか実現させることができました。どちらか1日だけでも、本堂の方に11時にお越しください。完全に無料で楽しむことができます。

バラエティ豊かな境内サブステージにも注目

そして、「JUHLA FESTIVAL 2023 テラノオト」境内サブステージについて、改めてご紹介します。11月4日(土)は、ノルカルTOKYO、カテドラルマスキュラーズが出演します。

ノルカルTOKYOは、昨年「モリノオト」にも出演してくれた酒井絵美さんがメンバーで、2015年に結成され、北欧の自然豊かな美しい国・ノルウェーの民族音楽を演奏するデュオです。相方は、モーテン・J・ヴァテンさん。セリエ・フルート、口琴、ランゲレイクなど、たくさんの楽器を使ってパフォーマンスされています。彼と、ハーディングフェーレとフィドルを駆使したデュオとなっております。

改めてプロフィールを読むと、2015年結成、2016年ファースト・アルバム『ヘイドゥルン Heiðrún』をリリース。ノルウェーに古くから伝わる旋律を北欧神話やヴァイキング時代をテーマに、現代的なアンサンブルでアップデートし、ノルウェー本国からも賞賛された、と。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャパン (2017)、浜松市楽器博物館(2018)などに出演後、活動休止。そして、2023年、ユフラフェスティバルにて活動を再開というプロフィールになっています。実は初めて、ノルウェーに関わる方を今年お呼びできました。

冒頭のアルヴォ・ペルトがエストニアで、ノルカルTOKYOがノルウェーの民族音楽で、本堂の方に同日出演のJun Futamataさんはアイスランドで先日レコーディングされたということで、非常にアイスランドの空気を感じるということもあり、この日1日はすごく、北欧のバリエーションに富んだ楽曲、空気を感じられる1日になるのでは、と思っています。

カテドラルマスキュラーズは、アコーディオンの都丸智栄さんと鍵盤ハーモニカの南川朱生さんのデュオで、架空の民族音楽やワールドミュージックを披露してくださいます。彼らとは、実は昨年のユフラフェスの後にメッツァで一緒に仕事をさせていただき、繋がりが始まりました。南川朱生さんは近隣に住んでおり、千駄木繋がりでもあるのですが、非常にアコーディオンとメロディオン、つまり鍵盤ハーモニカのプレイヤーとしてご活躍されている方です。ぜひ聴いてほしいです。民族音楽の旋律を伝えるにはこれほど適している楽器はないんじゃないかと思ってしまいました。

ただし、このお二人の共通の趣味はフィットネスのようで、プロフィールには驚くほど数字が並んでいます。都丸智栄さん、座右の銘は「力こそパワー」。最高ベンチプレス110kg、スクワット108kg、デッドリフト150kg、ハンドルデッドリフト190kg….。何をしようとしてるのか....(笑)。一方、南川朱生さんの座右の銘は「酒を飲むときは、その水を3倍飲め」で、特に好きな蹴り技、上段横下蹴りがプロフィールに載っています。とりあえず、まずは見に来ていただきたいのですが、蹴りいれられたい場合は別料金になる可能性が高いと思うので投げ銭してあげてください(笑)。もちろん、音楽はすごくかっこいいです。

11月5日の境内サブステージには、浅葉裕文さんがソロで出演されます。当初、境内サブステージはユフラジオとDJのみで構成しようかと思ったのですが、DJによるBGMだけでなく、ライブパフォーマンスも楽しんでいただけたらと思って、こういった形を取りました。前日の北欧テイストとは異なり、2日目は千駄木色が強かったり、DJもヒップホップや上げる系の音楽が多い中で、一つだけ、今回のフェスのキービジュアルのように水面に波紋が広がっていくような雰囲気を醸し出せればと思っており、その音楽を浅葉さんにやってほしいと思いました。久々に浅葉さんのソロも聴いてみたいと思い、今回ソロでオーダーさせていただきました。浅葉さんのソロギターを、養源寺の本堂が終わった後に静かに聴いていただくというのが、通で面白いんじゃないかなと思います。

最後に、(DJで)Kenichiro Nishiharaさんが登場します。Kenichiro Nishiharaさんは、2年ぶりにユフラフェスに出演。2日間流れていた(境内ステージの)音楽の最後を締めくくっていただきます。

(約一年間活動を休止されていた西原さんですが、静かに活動を再開し、コロナ明けて初めての中国の音楽フェスにも先日出演されました。コロナ禍においても精力的に楽曲制作をされていた西原さん、今後は久々の中国ツアーも予定されております)

Kenichiro Nishiharaさんの選曲が、必ずこのフェスの締めくくりにふさわしいものになると思います。

境内ステージも入場無料!!素晴らしいアーティスト達とDJによる至極の選曲を是非心ゆくまでお楽しみ頂けたら嬉しいです!

というわけで境内の方も、かなりボリュームたっぷりの内容となっております。

最後になりますが、この1ヶ月間、頑張りたいと思います。境内のテラノオトマルシェも、徐々に出店者のラインナップが揃ってまいりましたので、ぜひこちらもチェックよろしくお願いします。
テラノオトマルシェラインナップはこちらから → https://juh.la/2023/

ありがとうございました、ユフラトーキョーの小川でした!

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