読書フェスティバル

私が紹介する本はこちらです。
「生徒指導の『足並みバイアス』を乗り越える」(渡辺道治 2022 学事出版)

この本を読もうと思ったきっかけは、私自身の生徒指導を見直したいと思ったからです。根拠もなく指導して失敗したり、正しいことを伝えているつもりだけど児童に伝わっていなかったりと生徒指導に苦労している自分を改善したいという想いがあり、この本を手に取って読みました。

まず足並みバイアスとは以下のように説明しています。
・保護者に何か言われるといけないから、すべてのクラスでやり方をそろえよう。
・特別なことをすると、他のクラスから不満が出るかもしれないからやめておこう。
・やり方を変えて何か失敗するといけないから、去年までと同じやりでいこう。
・近くの学校とやり方が違うと質問やクレームが来るかもしれないから、相談して同じやり方にしよう。
これらが日本の学校現場に渦巻く「足並みをそろえようバイアス」と呼ばれ、その原因は、保護者への、地域への、失敗への、正しさへの、新しさへの「恐れ」だと筆者は述べています。その足並みバイアスを乗り越えるためには、生徒指導という観点における教師自身の在り方が重要です。目の前の児童の存在から日ごろからどんな風な在り方でいたいのか、立ち向かうべき課題を明確にして、教師自身が目指すべき目的地を明確にすることが大切だと述べています。

このことから私は、先述した根拠を持って指導することが大切だとすごく感じました。同じ学年で合わせなければならないこと、学校として合わせなければならないことはそれぞれあります。その中で目の前の児童にどんな力をつけたいか、生徒指導なので一人一人の課題があります。それをどう克服するかを常日頃担任として考えて、実践ていきたいと思いました。もちろん、学年で合わせることの範疇を超える場合は学年団で、学校で合わせることの範疇を超える場合は管理職の先生に事前に相談する、その際は根拠をもって説明するようにしたいと思いました。私自身根拠を説明する力が足りないのと、勤務校が教科担任制なので周りの先生方に相談しながら進めています。

ここからは、本書に記載のあった中から、私がなるほどと思ったところを箇条書きでまとめます。
・児童に「静かにしなさい。」と言っても静かという状況を理解できていないため、「無音の時間を作ってみましょう」「しゃべっている人は立ちます。静かにしていた友達に拍手」「鉛筆以外の音を消してノートに写してごらん」「口を閉じて目で教科書を読んできなさい」と指示を出す。
・しっかりきちんとちゃんとという言葉を使うと児童は曖昧になるから声量(大きな声で)・姿勢(お辞儀をする)、分離(立ち止まる)、回数(できるだけ多く、〇回〇人)、頻度(毎日~)、表情(笑顔で)、呼名(名前を呼んで)、視線(相手の目を見て)、番手(自分から先に)などを提示すること。これらは挨拶を例に説明していました。
・指導した後は確認することと楽しみながら待つこと

このほかにも生徒に指導することに関してかなり具体的な言葉がけや心構えが書いてありました。足並みバイアスは学習面においてもあるものですが、根拠を持って指導することがわたっしたち教師にとって大切だと教えていただいた本でした。

とりさん_鳥越瑞貴@千葉県

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