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『叱る×教育』を考える 学級開きでの指導のポイントも解説!

 新年度が始まり、正に学級開きについて考えている先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 私は、小学校勤務の今も、中学校に勤務し担任をしていた頃も、学級開きでは必ず『叱ること』について話題に出し、その意味や、担任としてどのような場面で叱るということをするか提示していました。
 先日行われた学校CHLOOSでのセミナー『先生も子どももHAPPYになる「崩れない」学級経営の極意 〜 特別支援の視点からクラスづくりを考える〜』でも、桃山学院教育大学の松久先生より同じような話題が出ており、その大切さを実感したところです。(後日、EDU STOREでアーカイブ販売も致します。興味がある方はぜひこのページをブックマークの上お待ちください。)

 今回、この記事では、私がこれまで児童生徒に語ってきたことや、指導について思うことについて、ポイントをお話ししたいと思います。

1.『叱る』と「怒る」

1.2つの違いについて

 教師が子どもたちに注意を促す際には、「叱る」と「怒る」の違いを理解し、適切な対応を心掛けることが大切です。
 叱るとは、子どもたちの行為や態度に対して、具体的な問題点を指摘し、改善を促すことを目的とした対応です。叱る際には、冷静であることが求められ、子どもたちに対して注意や指導を行います。また、叱ることによって、子どもたちの成長や学びを促すことが目的となります。
 一方、怒るとは、感情的になり、子どもたちに対して威圧感や恐怖を与えるような対応です。怒ることによって、子どもたちが反省や改善を促されるとは限らず、むしろ彼らは自己防衛のために心を閉ざすことがあります。そのため、教員としては、怒ることを避け、適切な指導方法を取ることが求められます。

2.対応のポイント

  1. 感情のコントロール: 教員として、子どもたちに対する感情をコントロールし、冷静に対応することが大切です。怒りに任せて行動してしまうと、子どもたちへの信頼関係が損なわれることがあります。

  2. 子どもを叱らない、問題行為に対して叱る: 子どもたちの行為や態度に問題がある場合、その具体的な問題点を指摘し、改善を促すように叱りましょう。改善策を提示し、その理由も明確に伝えます。感情的に怒ることではなく、子どもたちの成長や学びを促すことを目的とした対応を行いましょう。

  3. 叱った後のフォロー: 叱った後に、子どもたちが落ち込まないようにフォローすることも大切です。叱ったことに対して謝罪する必要はありませんが、子どもたちに対して自分が理解者であることを示し、今後の成長を応援していることを伝えましょう。

  4. 自己反省と成長: 教員として、自分自身も定期的に自己反省を行い、指導方法や対応の改善を図ることが大切です。怒りを感じた際には、その原因や自分の対応を振り返り、より適切な方法で子どもたちに指導を行えるように努めましょう。

2.『叱る』基準の明示 教師が然るべきタイミングとは?

1.ルール違反

 学校や教室でのルール違反があった場合には、子どもたちに注意し、ルールを守るように促します。これには、授業中のおしゃべりや無断で教室を出ることなどが含まれます。

2.他者への迷惑行為

 他の児童生徒や教職員に迷惑をかける行為があった場合には、叱ることが適切です。いじめや暴力行為はもちろんのこと、他者の気持ちを傷つける言動も叱る対象となります。

3.自分や他者への危険行為

 学校は、安全に通えるばということが一番に子どもたちに示されなければなりません。マズローの欲求5段階説でも、まず満たしてやらなくてはいけない欲求として、「生理的欲求」、つまり生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)、次に「安全欲求」、つまり危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたいという欲求が挙げられています。
 つまり、子どもたちが安全に安心して過ごせる環境を担任として保障する必要があり、自分自身や他者に危害を与えるような行為を行った場合には、その危険性を理解させるために叱ることが重要であると言えます。

3.学級開きで児童に示す方法

1.ルールの共有

 学級開きの際に、学校や教室で守るべきルールを明確に伝え、児童に理解させることが大切です。また、ルール違反がなぜ叱られるべきかも説明し、児童が納得できるように伝えましょう。

2.相互理解と協力の大切さ

 学級開きで、児童に相互理解と協力の重要性を伝えることが大切です。教員としては、児童同士が助け合い、互いの違いを尊重し合うるように促すことが重要です。また、他者への迷惑行為がどのようなものか具体的に説明し、それがなぜ叱られるべきかも伝えましょう。

3.安全意識の育成

 学級開きでは、児童に安全意識を持つことの重要性を教えることが大切です。教員としては、自分や他者への危険行為がどのようなものか具体的に説明し、それがなぜ叱られるべきかも伝えましょう。また、児童が安全に学校生活を送るための具体的な行動や注意点を示すことも必要です。

4.まとめ

 教師として、適切な叱り方やタイミングを理解し、子どもたちに対して適切に対応することが大切です。学級開きで子どもたちにルールや安全意識の重要性を伝えることが、良い学級運営や円滑なコミュニケーションに繋がります。また、叱る際は、冷静さを保ち、具体的な指摘や改善策の提示、そして叱った後のフォローを心掛けることが重要です。
 これらのポイントを踏まえながら、教師として子どもたちの成長をサポートし、学校生活を充実させてやることができるでしょう。また、子どもたち自身も自分の行動を振り返り、成長する機会と捉えることができます。

 最後に、叱ること自体が目的ではなく、子どもたちの成長や学びを促すための手段であることを忘れずに、常に子どもたちの立場に立った指導を心掛けましょう。そうすることで、教員としての信頼関係も築かれ、子どもたちが安心して学ぶ環境も整っていきます。

 学級開き、学年の先生と共通認識を図りながら、進めていきたいですね。
 学年会などで話題に出し、大事な内容は周りと共有しつつ、自分の思いを入れて語れる。そんな学級開きをぜひ先生方も行ってみて下さい。

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 今日もご覧頂き、ありがとうございます♪

          授業てらす 第2期 よう先生(佐藤 陽介)



 

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