ウクライナの自爆ドローン『Hunter R-1(ハンター R-1)』
はじめに
2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻では、ロシア・ウクライナ双方が大量の無人航空機を軍事・民生用途を問わず積極的に使用し、結果、ドローンは現代戦の様相を大きく変える一因となったと言われている。
ロシアのウクライナ侵攻においては、マルチコプターによる爆発物の投下やスイッチブレード、FPVドローンによる自爆攻撃など、無人航空機の攻撃的な使用方法が際立ち、特に低価格で開発されたFPVドローンがレオパルド戦車を破壊する映像は衝撃であった。
当レポートでは、ロシア・ウクライナで使用されているFPVドローンに焦点を絞り、機体の特徴や部品の構成など判明した情報を随時記載していきたいと考えている。
Hunter R-1(ハンター R-1)とは
ウクライナのドニエプルのメーカーが開発した自爆ドローンで、「Hunter R-1(ハンター R-1)」の名を冠し、性能など詳細な情報は公開されていない。このドローンは自爆ドローンとして使用可能であり、数十機がすでに軍へ納入されたという情報がある。
部品の構成
【フレーム】
オリジナル 7インチフレーム
フレームは中国のネットショップで販売されているようなものではなく、独自に設計・加工されたもののように思える。材質はFPVドローンでよく使われているカーボンではなく、より加工が容易で安価な素材が使われているように思える。
【フライトコントローラー & ESC】
SpeedyBee F405 V3 BLS 50A 30x30 FC&ESC Stack
フライトコントローラーとESCはSpeedyBeeで、多くのオンラインショップで入手できるため、調達も容易である。FC・ESCのセットで59.99ドルと安く、Bluetoothでスマートフォンと接続することで、PCがない環境でもアプリで機体の調整が可能だ。
【モーター】
BrotherHobby Avenger 1300KV
BrotherHobbyのモーター、Avenger 1300kvは6〜8インチ機に適しており、BrotherHobbyのオンラインショップで直接購入可能である。
【受信機】
不明
後部のアンテナの形状からして、TBS Crossfire Nano RXなどロングレンジに対応した受信機が搭載されていると思われる。
【VTX】
RUSH SOLO MAX
画像では冷却ファンとRUSHFPVのロゴが見て取れ、恐らくはRUSH SOLO MAXが搭載されていると思われる。RUSH SOLO MAXは長距離飛行に適した5.8GHzのアナログVTXであり、搭載されたファンで効率よく熱を排出することが可能だ。
【カメラ】
Foxeer Predator 5 Super WDR Mini FPV Camera
カメラ上部に「FOXXER」のロゴが確認でき、基盤を覆うシェルの形状からして、FoxeerのPredatorカメラの可能性が高い。Predatorカメラは自然な映像を映し出すことができ、クリアな描画が特徴である。
まとめ
Hunter R-1(ハンター R-1)を構成する部品は中国のネットショップで購入することができ、フレームを除いた大半の部品が中国製である。性能や機能は一般的な7インチ機と大差ないが、独自に設計・加工されたフレームが特徴であり、できるだけ安価なコストで制作できるよう工夫がなされている。
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