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事故寸前 

今日は、久々にお買い物に外へ出た。
実は私は、耳がほとんど聞こえない。一人ではあまり外出しない。夫連れていく。通訳として。

右も左も、ほとんど聞こえないので、障害手帳もっている。
ただ、今は外で働いていないので、何の不自由もないが、
いったん外に出るとこれが、まじで困る、困った、困った、となる。

マスクしている人が話しかけてきても、全く分からない。
聞こえない。内緒話は全く聞こえない。なので、知らない人は、スルーする。なんかのキャッチでしょ、大抵。

行くのは本屋さんと、画材屋さんと手芸屋さんなので、聞こえなくても
たいしてどうでもよい。

学生の頃は、クラスの人に「無視した、無視しやがって」とよく言われた。
いやいや、聞こえないんだよ、と言わなかった。無視していい相手だったから。あとで誰かに聞いて謝りに来た、トンチンカンな奴もいた。
誰から聞いたのさ、あんたは、どうでもいいんだよ。どうでも良い話しかないだろ?話しかけてくんな。とオラオラしていた。

沢尻エリカの「べつに・・・」状態。
手話習い始めた好奇心旺盛の人もいる

歪んでいる私は、へー、手話してる私ってかわいい??と男にアピールしているようにしか思えなかった。なんなん?あたしのこと言いふらすなよ、とくぎを刺した。誰にでも言ってるわけじゃないからな

メールでいいだろ、メールかラインで連絡は。と言っていた。
ほとんどみないのにねぇ。返事くれないじゃん、といつも怒られた。
未読スルーだ、既読するーだ、どうでもいい。めんどくせー、
みんな、一人っ子だったのかな。一人っ子合わねーんだよなぁ、しつこいから。

冷たくて、愛想無くて、大学では怖がられていた、あたし。
耳が普通なら、きっとやさしかったと思いたい。

だが、買い物でサイズのある物だともう、面倒くさい。
サイズを見たくても、数字を書く、
相手が気を使いすぎて、気まずくなる
大抵のことはわかるよ、と思う。居づらくて、また今度にします、と話せるので言う。

そうそう、ここからが不思議の話。
今日は、またまた、事故寸前で助けられた。亡くなった父にね。
前も青山で、バイクから助けてくれた。
やり方は脳に話しかけてくる。パパの声。

下向いて歩いていたら、交差点、右からでかいトラックが来ていたらしい。
聞こえないので、視界に入らないので、気づかなかった。

すると、「あっちゃん、あっちゃん、こっちだよ」と脳に直接話しかけてきた。
パパの声。あれ?いきてた?と思って、振り向いて、2,3歩戻ったところに、
でかいトラックが、内輪の差を無視して、曲がってきた。

パパが教えてくれなれば、あたしは、ぺったんこだっただろう。

補聴器はまじで合わない。でも、くだらない事故に遭うなら、補聴器買うか。クッソ高い。
手帳あるし、保険も効くだろうけど、それでも合わなきゃ、意味ないんだ。

耳が聞こえず、この頃のマスク生活で、相手にもわかる様に、
耳が聞こえません。という手話をやり続けているが、、
人はすぐ忘れる、言わなきゃよかった。

音楽は、ヘッドホン最大、集音機でピアノを弾ているのが癒される時間。
うちはだから防音だ。

何言っているかわかんないやつ、いっぺんで、切る。え?って聞き返せないから。一回でも嫌だ。2度聞いても聞こえないのを知っているから。
もう面倒。だれか、他の友だち見つけろよ。疲れるので。
キライになったわけじゃない、何言ってるのかわからないからだ。  
あばよ。

そう、父は亡くなった。なのに、末っ子の私を溺愛していた。
だから、なんだかんだと声が聞こえる。
夢に出て来て栄養をとれと、料理をしている。
掃除もしている。生きているときとまんま一緒。元気な姿。

不倫は文化という人間だったので、高校生ぐらいから、
お父さんに全く興味が無くなった。いてもいなくてもよい。

女が家にまでくる、電話してくる、
ばっかみたい。あたしがいる限り、愛人とは結婚しない。
姉は嫌いだったようだ。

でも、本当は私もパパのこと、信用してなかったよ。
ごめんね。母だけ、パパを褒めていた。そりゃそうだ、自分が見つけたんだから。
「あたしなら、とっくに離婚してるぜ」と言っていた。
たいして、パパを好きでもなかったと思うけど、パパがいないと何もしない母だった。あたしと似ていた。そして父は世話好きだった。
でね、母が幸せならまあいっか。あたしとは関係のない人生だ。

パパには、空から見てなくてもいいから、命の危険だけ、教えてくれ。これからもね。綺麗な死に方ならそのままでよい。

ばいばい、大往生だった。あんた、好きなことして幸せに、看取られてよかったね。ってね。

あたしは泣かない。そして、死に顔を絶対に見なかった。
そして、葬式中、泣けなかった。

だれのせいだよ、ぱぱのせいだろ、ばーーーか。
きっと「ごめんね」と思っているはず。でしょ?

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