52期セクション・チューター紹介 : 社会的不平等
大学の垣根を超えて学生たちが議論を交わし、100日間で国際関係論についての共同論文を執筆する学術団体、十大学合同セミナー。
社会的不平等
2023年1月、アメリカの科学雑誌は「終末時計」において、 人類最後の日までの残り時間を象徴的に「残り1分30秒」と発表しました。この背景には、地域や世代・性別を超えた「分断」や社会的不平等の拡大が挙げられています。当セクションでは主に移民・難民やジェンダーなど、大きな枠組みの中で周縁化を余儀なくされた人々に焦点を当てて、議論を展開していただきたいです。
不平等を生む体制はその歴史的変遷も含め、社会によってさまざまです。こうした課題に対処するため、国際機関やNGOは人権に焦点を当てたシンポジウムを定期的に催し、移民・難民問題においても多くの国家が難民条約以降も様々な枠組みを導入しています。加えて、近年では国際社会が不平等の解消に向けた協調を強化し、人権に対する価値観も多様性を受け入れる傾向にあります。他方で、一部の政策などは多数派を優遇し、不平等を拡大させる要因にもなっています。移民・難民の負担分担を巡る国家間の対立や、移住先での権利格差、地域格差、障がい者や性的少数者への偏見・差別など、アイデンティティの違いによる階層の断絶が深まりをみせています。国境を越えて資本が自由に動き、多様なアクターが交錯する現代。搾取や消費、疎外、周縁化され た人々はどのような「分断」に直面しているのか。様々なアクターの動向を考慮したうえで、社会的不平等の観点から「分断」を定義し、その原因や影響について論じてください。
チューター紹介
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