生存率

 第17回 かながわ乳がん市民フォーラムに参加してきました。

日時:2018年8月25日
会場:はまぎんホール
テーマ:今年も受けたい乳がん授業
講 師:清水 哲(横浜鶴ヶ峰病院付属予防クリニック)他          

『かながわ乳がん市民フォーラム HP』より

 この中で、2時限目【数学】『主治医が使う数字を考える』で、清水先生が生存率についてお話されました。

 生存率にも種類があるのをご存知ですか。

【生存率】ある一定の期間経過した集団について、その時点で生存している患者さんの割合のことで、通常は百分比(%)で示されます。
生存率は、治療の効果を判定する最も重要かつ客観的な指標です。診断からの期間によって、生存率は異なってきます。部位別生存率を比較する場合やがんの治療成績を表す指標として、5年生存率がよく用いられています。がんの種類や比較などの目的に応じて、1年、2年、3年、5年、10年生存率が用いられます。生存率は、計算する対象の特性(性別や年齢)、進行度(早期のがんか進行したがんか)や、計算する対象の選び方(外来患者さんを含めるか、入院患者さんだけか、来院した患者さんをすべて含んでいるか、など)に大きく影響を受けます。そのため、複数の施設(病院)を比較したり、いくつかの部位を比較する場合は、どのような対象について生存率を計算しているか注意する必要があります。

国立がん研究センター『ガン情報サービス』より

 実測生存率、補正生存率、相対生存率…色々あるので、どれがどうか覚えきれません。ご興味があれば、同じ『ガン情報サービス』でググって下さいね。講演の主旨は、大切なのは生存率をどう活用するか、ということでした。

 乳がんは罹患率の高いがんということもあって研究が進んでおり、治療の選択は多岐に渡ります。「温存と全摘どちらにするか」「抗がん剤をやるかどうか」等々、治療は常に選択の連続です。そこで参考にすべきなのが生存率。私の場合主治医から何パーセントという提示はありませんでしたが、「温存も全摘も再発率にあまり差異はない」「抗がん剤はもう1種類上乗せした方が予後が良い」という鶴の一声を信じ、治療に望みました。

 余談ですが、「医師は生存率に10%上乗せできる治療法なら選択する」けれど、「患者は生存率が1%でも上乗せできるなら治療したい」なんて話もありました。どの治療法を選ぶかは置かれた立場により異なり、選択の自由は患者自身にあります。その判断基準の一つが生存率ということです。

 この治療をすることで自分の生存率は何%あがるのか。副作用にはどんなものがあるのか。エビデンスをもとに利益と不利益を天秤にかけ、その時の最善の選択をしたいですね。

 反対に、5年生存率を調べて、自分の未来を憂うのは無意味だとも仰ってました。仮に5年生存率が99%だったとして。ホッとするのはまだ良いけど、決して1%側にならないわけじゃありません。そして人間いつ何で死ぬかわからない。今日外に出かけたら交通事故に遭うかもしれないし、天変地異に見舞われるかもしれない、5年も経過するうちには違う病気で命を落とすかもしれません。

 次の瞬間、自分が生きていると証明するものは何一つなくて、だからこそ生きている今を感謝せねば。そんな気づきはこの病を得てからです。

 これは希望的観測ですが。今後生存率の一つに「無再発無転移生存率」とか、「QOLを80%維持したままの生存率」とか、それらを両方掛け合わせた生存率、なんてのが出てくるといいなと思います。治療効果が不明確で尚且つ著しく生活の質を落とすのであれば、本来の治療の意味を失っていると思うからです。

 そう言えば、天変地異も人を「見舞う」と言うんですね。なんだか変な気持ちです。

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