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ネクストユニコーンってなんだろう。

小池さんの「ユニコーン」発言

先日モーニングショーで羽鳥さんが小池さんの「ユニコーン」発言について、言及されていました。「ユニコーン」と聞くと、幻獣のユニコーンであったり、奥田民生さんのバンドグループであったりが頭に浮かびます。なかなか一般的ではないですよね。なので、少し「ユニコーン」について記載したいと思います。

ここで言う、「ユニコーン」とは企業の事ですね。代表的な定義としては以下の通りとなっています。

✔企業価値が10億ドル(1,070億円)以上 ※1ドル=107円換算
✔未上場のベンチャー企業

この他に、創業10年以内といった条件がつくことがあります。それでは「ネクストユニコーン」とはなんでしょうか。これは文字通り、次世代のユニコーン企業になる可能性がある企業の事です。2019年版ではありますが、日経新聞から以下の調査レポートが公表されています。

昨年時点ですが、日本においても、既にユニコーンたる企業も3社存在します。プリファード・ネットワークス、TBM、スマートニュースですね。一度は社名を聞いたことあるのではないでしょうか。では、海外においてはどうでしょうか。米国調査会社のCBインサイツのサイトが参考になります。

なんと!478社もいるそうです。こちらのサイトでは、プリファード・ネットワークス、スマートニュース、Liquidの3社がランキングされていますが、トップランカーには遠い状況です。世界のTop3の企業をみてみると以下の通りです。

バイトダンス(中国)750億ドル TikTokアプリ。 
滴滴出行(中国)560億ドル 配車サービスのDiDi。
ストライプ(米国)360億ドル 決済サービス。

750億ドル=8兆250億円!

CBインサイツで、日本トップのプリファード・ネットワークスは20憶ドル=2,140億円ですから、バイトダンスはプリファード・ネットワークス40個分となります。

トップの企業価値も驚くべきですが、この478のランキングに日本の企業が3社しかランキングされていないことが寂しいですね。

企業価値って何だろう

会社の価値を金額で表したものですが、一義に決める事が非常に難しいものです。算出方法も「コスト・アプローチ」「インカム・アプローチ」「マーケット・アプローチ」といった複数の手法があります。分かりやすいのは、マーケットアプローチかもしれません。マーケットアプローチは、上場企業であれば、以下のような式で表せます。

企業価値=株式の時価総額+負債

といった形で算出できます。負債=借金が価値に入っているのは、意外と思われるかもしれませんが、ここもざっくり言うと利子の返済による節税効果が期待できるからです。

ちなみに、2020年7月2日付けで、上場企業の時価総額トップは米国のテスラで22兆2700億円だそうです。


なお、未上場のベンチャー企業は上場していないので、類似企業の株価を参考にしたりします。上述した、日経の「NEXTユニコーン調査」などでは、簡単にいうと、ベンチャー企業が直近で調達した際に、発行した株価と発行済み株式数を掛け合わせて算出しています。目安として、株価×発行済み株式数なのでベンチャー企業の価値は把握できるといえます。株価は直近の調達時に決まります。どうやって決まるかというと、株の発行者=企業と、株の買い手=投資家によって決まります。

ユニコーン企業を目指すべきか

この問いに対して、YES/NOで回答するのであれば、YESと回答したいです。ユニコーン企業の基準にある企業価値が何かと考えると、抽象度をあげれば、「儲かる企業か」に対する回答だと思っています。儲かる企業は価値を提供しており、その価値に対価を払ってもよいと、顧客が思っているので儲かるわけです。その企業が提供するものは必要とされているわけですね。そうすると株価は上がる、もしくは配当があるという事で、株を欲しい人があつまり、そして株価が上がっていく、すなわち企業価値も上がっていくという構図になります。

一方で、この話を聞いて「んっ」と胸の内に引っかかるものがある人もいるのではないでしょうか。そのように思う方はあなただけではありません。利益追求に傾倒しがちなユニコーン企業に対して、持続可能性や共存性を重要な価値とする企業を「ゼブラ企業」と呼ぶようになってきました。「世のため、人のため」。一瞬であったとしても、起業時に誰もが思う事ではないでしょうか。企業利益と社会貢献の両立するということから、ゼブラと言うそうです。以下のnoteで詳しく記載されていますので、ご紹介させて頂きます。

私たちに何ができるか

ユニコーンやらベンチャー企業やら、なんだか怪しいなぁと思われるかもしれません。そう思われるのは、過去のもろもろを考えると当然だと思います。ただ、現在も今も、寝食を忘れて、より良い未来を創ろうとして、チャレンジしている起業家もいるのも事実です。

確かに世界中すべての方の利便性を向上する、GAFAのような企業が出てくることは大変意義があります。私個人が意義があるなっていっちゃいけないレベルですね。もちろん創業者の志が高かったから、今の様な企業価値になっているとは思います。ですが、すべてがGAFAでなくてもよいと思っています。マーケットサイズが小さくとも、画期的なイノベーションがある。そんな会社が沢山沢山生まれてくる。そういった世界観が私は必要だと考えています。その結果、企業価値が高い企業が出てくればよいと思います。

画期的なイノベーションであっても、マーケットサイズが小さく資金調達に難航して、目がでない。大きな会社に吸収され、特許の一部だけとなってしまう。こういったことは寂しいですよね。

「誰もが起業できる世界」それがある日本になるように、微力ですが貢献していきたいと考えています。

おわり

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