見出し画像

【17】がん治療までの流れ~『がん保険』のトリセツ~

前回は『がんのステージというタイトルで、がんのステージ分けと、最も進行したステージ4になってしまった際に起こり得ることについて確認しました。今回は逆に入口、がん治療が始まるまでの流れについて触れていきます。

今までに、日本の医療のルールや治療の選択肢などについて見てきましたが、もし仮にそういった知識をあらかじめ備えていたとして、その後がんの診断を受けてしまったとしたら、その知識をどこで活かさなければならないか、一緒にみていきたいと思います。

これから健康診断を受ける、がん検診を受ける、若しくは精密検査を受けに行くあなたへお届けしたいおはなしです。

いきなり『がんです』とは言われない

私たちが仮に日本でがんの診断を受けるとしたら、通常は、

・健康診断
・がん検診
・体調不良で受診


のどれかを行い、その検査・受診での

要精密検査

という検査結果を受けて、その精密検査の際に採取した、細胞や組織を病理診断の先生が顕微鏡で見て、がんの確定診断がなされます(がんの種類により違いはあります)。その結果が主治医となる先生に送られ、患者さんへ告知されます。

外科部長の先生から『がんが見つかりました・・・』

今あなたは、2週間前の精密検査の結果を聞きに、再び地域のがん診療連携拠点病院である大学病院(大病院)に来ています。診察室から呼ばれ、室内に入りイスに座りました。目の前には白衣を着た外科部長の先生・・・。

『○○さん、残念ながら肺がんが見つかりました・・・』
『えっ・・・』
『でもいまならやりようがあります。手術をしましょう。手術によってきれいに取り切れる可能性があります。2週間後の○○日であれば、私が直接執刀しますけど、どうしますか?』

かなり省略はしていますが、お医者さんと患者さんで、こんなやりとりが交わされます。実際私も母の乳がんの告知、再発、転移の告知の際、外科部長さんとやりとりをしました。

今あなたは判断を求められています。

外科部長の先生からの提案(手術)を受けるか受けないか??

でもがんの告知を受けて、今頭の中はまっしろです。何と答えるでしょうか?私がセミナーでこのはなしをした際に、参加者へ実際聞いてみると

少し考えます

と答えてくれる方がいます。実は、それが一番だと私は思うのですが、実際の現場では、そう答える人は少ないと思います。ほとんどの人が

お願いします・・・

と答えていると、東大病院の先生も本の中で述べています。セミナーの中で『少し考えます』と答えてくれた方のように、自分事でなければ慌てずにそう言えると思えます。でも患者さんやそのご家族は、ゆとりがありません。しかも実績のありそうな先生が『今ならやりようがある』と言ってくれているならば、

早く治療を受けたい

という心理も働きます。自分で考える余裕はないのです。なぜなのか?考える材料がないからです。ちなみに母と私も2020年の夏、先生に

お願いします

と言いました。

ワンクッションおくという心の準備を

これは、

主治医の先生の提案を蹴れ、標準治療を受けるな!

というはなしではまったくありません。先に述べたとおり、標準治療は科学的根拠に基づいた、最も推奨される治療であり、しかも健康保険適用で治療を受けることができるので、費用もそこまで高額になりません。治療を受けることを考えるならば、まずここをしっかり検討した方がいいと思います。

ではなぜ標準治療を提案されているのに、わざわざ考える時間を作るのか?

それは、上のようなやりとりでは、自分で選択していないからです。その場で言われるままにお任せするのと、選択肢があることを知って、できれば比較して決めた方が、出た結果に対し納得感が違うと思うのですが、あなたはどのように思いますか?

社会人にとってのがん教育の場は・・・

実際、がんの告知を受けてしまった時に、そのワンクッションを置く心のゆとりを持つためには、全く不安がない元気な時に、がんを学んで、情報を持っておかなければ難しいと思います。でも元気な時の一般社会人にそんな時間的ゆとりがあるか・・・まあないことはないでしょうが、中々モチベーションも高まらないかもしれません。

実は今、中学校、高校では『がん教育』が始まっています。若いうちから正しい知識をつけて、がんの予防、がんの早期発見・早期治療につなげていく、国はそんなことを始めています。

でも社会人にとってのがん教育の時間は・・・基本的には自分で作るしかありません。でも、教育の場がない中で、是非この機会に!と言えるのが

生命保険の検討時

だと思います。まだ何も起こる前に、万が一への備えを考える。がん保険の話題になることも多いと思います。その時こそが、時間の有効活用で、がんを知れる機会です。一点だけ注意点をお伝えしておきます。

ちゃんと勉強している担当者と出会ってください!

ということです。あなたががんのことをしっかり勉強している担当者に出会うことを願っています。

事前に情報を準備できず、がんを告知され、決断を迫られた中でのひとつの選択肢に、セカンドオピニオンがあります。ということで、次回は『セカンドオピニオンとは?』というタイトルで、その位置づけ、利用の仕方といったことをみていきたいと思います。今回もお読みいただき、ありがとうございました。

⇩⇩⇩ 私の会社(株式会社ライフヴィジョン)のHPです


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?