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【25】がん保険が前提としていることの変化~『がん保険』のトリセツ~

前回は『がん保障保険とは?』というタイトルで、『がんの診断』でお金を受け取れるタイプのがん保険ついて、触れてみました。ここまで、4つのタイプのがん保険を見てきましたが、今回は、少し大きな視点で、がん保険が前提としていることの変化について、一緒にみていきたいと思います。

10年以上前にがん保険に加入した、あなたへお届けしたいおはなしです。

昔は患者本人へ知らせなかった

最近は、SNSもあり、多くの著名人がご自身のがんについて、発信しているのを目にします。当然ですが、ご本人が主治医の先生から、がんの告知を受けて、具体的な治療のはなしも聞いているから発信できるわけです。

ところが昔は、がんを患者さん、その家族へ告知することは、医師の裁量とされていた時期があります。がんを告知することは、死の宣告という意味合いがあったからでしょう。ところが、告知をしないことで、遺族が医師を訴えることも、1980年から2000年初め頃にかけてありました。

そういった流れで、2006年のがん対策基本法では、基本理念で、

「本人の意向を十分尊重してがんの治療方法等が選択されるように、がん医療を提供する体制の整備がなされること」

を掲げています。治療を選択するには、患者さん本人が病名、病状を知っていることが前提になりますから、医師は告知をするようになっていきます。

『がん=死』の前提

さきほど、昔はがんの告知は死の宣告といったことをお伝えしましたが、実際がんになってしまうと、多くの方がお亡くなりになっていたので、がん保険は、

お亡くなりになるまでの入院費、その入院中の治療の中心は、手術と抗がん剤

を前提とした、保障の内容でした。どちらかというと日本では、手術が中心で、放射線治療が行われることも、今より少なかったようです。

4つのがん保険のタイプでいくと・・・

前回までに4つのタイプのがん保険を確認してきました。

①がん入院費用保険
②がん標準治療費用保険
③がん治療費用保険
④がん保障保険

これでいくと、以前のがん保険は、①が主体で、プラスアルファで②が組み合わされるといったがん保険が中心でした。時間の経過とともに、④のタイプ(がんの診断でまとまった一時金を支払う)も出てきますが、最初は1回受け取ったらおしまい(がん=死を前提)というものでした。

現在は、全がん5年生存率、68%超

がんの検査能力、治療技術の向上等から、がんになったからと言って、すぐになくなるわけではなくなっています。ですから、今はほぼすべての患者さんに、がんが告知をされます。もちろん人によって、治療期間は違いますが、数年にわたって治療を続ける方もたくさんいらっしゃいます。

健康保険が適用となる標準治療を受けている限り、1回の治療費が高いというよりは、長く継続することにより、大きな経済的な負担となるということが、現在の状況です。そのため、現在のがん保険は、①は昔の名残でついているものの、主力は③、④を組み合わせたものに変わってきています。

そのため、10年以上前にがん保険に加入したあなたへお伝えしたいことは、

すぐにご自身のがん保険をチェックしていただきたい

とうことです。4つのタイプのどれが主体のがん保険か、是非確認いただきたいと思います。ここまで、がんの治療についてはいろいろ見てきましたが、そことは違う視点、次回は『がんのお金は治療費だけ???』というタイトルで、治療費以外の負担について、触れていきたいと思います。今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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