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「彼らは世界にはなればなれに立っている」

「彼らは世界にはなればなれに立っている」

大田愛さん『彼らは世界にはなればなれに立っている』(KADOKAWA)

第4回山中賞受賞作品。

架空の世界の物語でありながら、リアルな危機感を覚える作品。
差別、悪意、戦争。
物語だからと読み流すことができない問題たち。

この物語の主要な登場人物たちがとても魅力的で、その魅力故に待ち受ける出来事を「運命」だなんて言いたくない。
彼ら彼女らはきちんと考えて動いているから。

流れに身を委ねるだ

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