見出し画像

【全用途】物件契約の効率化の方法(保存版)

店舗内装のデザインや設計依頼を効率化し、有利に不動産契約に進めるためのポイントを詳細に解説します。

店舗内装の道は、一見すると複雑な迷路のように思えるかもしれません。しかし、その道を効率的に進むためのコツがあります。それは、デザイナーや設計者への依頼前に、自分自身で基本的な調査を行うことです。ご自身での検証調査は、不安を感じるかもしれませんが、実はそれほど難しいものではありません。


物件探しからの基本調査

最初の一歩は、店舗テナントを探すことから始まります。立地条件、家賃、間取りが、その探索の3大要素です。中でも立地と家賃は、検索サイトや不動産屋を通じて絞り込むことができる重要なファクターです。絞り込んだ物件を見つけたら、次は内見へと進みます。

<物件探し時に見ておくべきポイントをまとめている記事>

1. 物件の絞り方の基本

店舗テナント探しでは、立地条件、家賃、間取りが重要な要素です。立地と家賃は特に重視し、検索サイトや不動産屋を利用して物件を容易に絞り込むことができます。
絞り込んだ物件について内見申し込みをましょう。内見の際、物件の利用条件を確認し、自分の考える店舗用途が家主から許可されているかどうかを見極めます。間取りについても注意が必要です。プラン付きの情報紙を参考にするものの、実際は異なることが多いのです。

2. 不動産情報の確認と外的利用環境条件の確認

内見する物件の外的利用条件を確認しましょう。区画だけでなく、建物全体の条件として成立するか、店舗用途に合致するかを見極めます。立地条件に加えて建物条件も確認しておきましょう。例えば店舗入り口が建物の形により視認性が悪かったりすることもあります。利用環境の条件が適合していない場合、ブランディング戦略と適合しない場合は要注意です。
デザイナーからの助言でブランディング戦略上可能性を見出せることともあります。

内見する際にアプローチや外観の記録写真をとっておきましょう。
内装デザインや看板計画などのヒントになるかもしれません。

<外部の特徴について考えるヒントをまとめた記事>

3. 内見時の寸法測定と写真撮影

内見した物件の内部を確認し、店舗用途に合致するかを見極めます。プラン通りではないことも多いため、実際の寸法と仕様を把握することが必須です。
店舗レイアウトを考えるには、寸法の正確な測定が不可欠です。5.5m程度のメジャーやレーザー測量器の使用が推奨されます。これにより、必要な家具などのレイアウトが可能になります。こうした道具をつかって調査した寸法はメモするようにしましょう。こうしたメモが大変おおきな手掛かりとなります。

左:メジャー(5.5mくらいあると便利)
右:レーザー測量計(メジャーと一体型でないほうが使いやすい)
不動産情報の図と大きく異なる寸法値
こうした実測で予想外の掘り出し物を見つけてしまうこともあります。

より直感的に不動産の情報を伝達するために、外観写真と内観写真を撮影することも忘れないでください。一つの部屋を4隅から対角方向に写真を撮影すると全体像が把握しやすいです。

4つ角からそれぞれ撮影することで物件の概要を簡単に
デザイナーや設計者に伝えることができます。

4. 不動産仕様の確認

不動産の仕様を確認することを忘れないでくださいを給水・排水、給湯、換気、給気、排煙、消防といった7つの主要な設備仕様もチェックしましょう。すべてを完全に調査できないこともあるでしょうが、デザイナーや設計者に相談する場合は調査のコツがあります。各設備のリスト作成と写真撮影がポイントです。
各機械設備類の写真は全体・品番・仕様の3つが分かるように撮影することが重要です。品番により仕様の確認はもちろん、大きさや詳細寸法なども確認できます。

空調設備の全体写真と機械の品番や仕様が分かる写真

分電盤の中にある子ブレーカー類も大きな計画のヒントとなります。ブレーカーが営業中に落ちにくい計画にすることが可能かどうかを知る手掛かりになります。

予備回路が残されている既存分電盤であることが、確認できた写真の例

こうした配管の立ち上がりやトイレ設備などの写真もとりましょう。もしかしたら追加する設備計画を容易に行うことができるテナントかもしれません。ヒントになりそうな写真はたくさん撮ることをオススメします。

既存トイレと配管が分岐していて増設ができる残地配管の例


5. デザイナーや設計者への依頼

これらの寸法と仕様を自分で確認することで、デザイナーや設計者への依頼時に、座席レイアウトなどを迅速に検証してもらうことが可能になります。場合によっては、わずか一日で簡易的なプランを作成してもらうこともできるのです。

お客様からの寸法や図面提供により1日で提案されたレイアウト案の例
お客さんのご用意された寸法からスタディされたレイアウトデザインの最終形


不動産内見にデザイナーや設計者を同伴することは安心感を得られますが、複数回に及ぶ場合はその対応費用がデザイン料に上乗せされることもあります。一般的には、1回の物件調査同伴が設計料に含まれるケースが多いです。しかしこうした事前準備の協力をすることでデザイナーにコストを抑えて協力を仰ぐことが可能になったりします。

スピード感を持った不動産探し

最終的に、店舗づくりを進める事業主自身がどのような不動産を選ぶかが、将来的なビジネスの成功に大きく影響します。良い物件はすぐに決まるため、スピード感を持った不動産探しは極めて重要です。迅速な行動により、翌日にはレイアウトの検証が完了する可能性もあります。

このように、店舗内装を進める際の効率化と有利な進め方には、一定のポイントがあります。自らの調査と情報提供が、デザインや設計のプロセスをスムーズにし、事業の成功に繋がるのです。

OFFICAL MAGAZINE

いいなと思ったら応援しよう!