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【全用途】「インテリアデザイナー」と「建築設計事務所」のどっちがいいの?違いって何?

店舗のデザインを委託するとき、「インテリアデザイナー」と「設計事務所」に相談する選択肢があります。ここではインテリアデザイナーと設計事務所に相談する違いについて解説します。



インテリアデザイナーに依頼する場合

インテリアデザイナーは店舗の内部空間に特化した専門家です。

店舗の内部空間全体のデザイン、レイアウト、家具配置、照明計画、カラースキームなどを重点的に取り扱います。インテリアデザイナーは顧客の要件やブランドイメージに基づいて、視覚的に魅力的で機能的な店舗空間を創造します。店舗の内装やデザインを中心に顧客体験や雰囲気を重視する傾向があります。特に置物や雰囲気作りのために置かれるフラワーアレンジメントなどインテリアコーデといったアクセントデザインも得意な傾向があります。

インテリアのデザインは幅広く、得意なインテリアデザインをヒアリングすることがポイント

インテリアデザインにはいろいろな解法があり、事業コンセプトに基づく戦略と適応することが重要となります。インテリアデザイナーには得意不得意の傾向があり、どうせなら得意なジャンルに合わせて発注するのがよいでしょう。
例えば和食店なのにイタリアンのようなインテリアでは商品と空間のバランスがとれていません。カウンターレストランでもシンプルな天然素材を使ったデザインと、映画のセットのようなコテコテの日本風デザインでは、デザインのスキルが異なります。得意なインテリアをヒアリングして、立案された事業コンセプトをインテリアデザインに落とし込むことが可能か問合せするのが良いでしょう。

シンプルな天然素材を使ったデザイン例
映画のセットのようなコテコテの日本風デザイン例

インテリアデザインに長けている設計事務所に依頼する場合

建築の専門知識とインテリアデザインのスキルを兼ね揃えています。

建築の専門家である設計事務所の視点から店舗の外観や構造をデザインすると同時に、インテリアデザインにも深く関与します。建築家のアプローチは、店舗のデザインを内外から一貫して考慮し、統一感のある空間を創り出します。建築家によるデザインは、建物の機能性や耐久性なども考慮され、デザインと構造の両面からの優れたバランスが期待されます。特に不動産の権利区分といった、建物の内外における重要な資産の線引きについて考えて計画します。

設計事務所は比較的シンプルなデザインを得意とする傾向がある。シンプル、モダンなデザインを求める場合はインテリアデザイナーに合わせて設計事務所も選択肢にあがる

設計事務所は建築の専門家であるため、デザインを進める上で、建物側の条件から設計を進めていくことが得意です(インテリアデザイナーも同様に建物側への配慮があり、建物条件からデザインをする方もいます)。こうした性質上、無駄にデザインをコテコテに仕上げることを好まない設計者が多く、比較的シンプルなデザインを得意とする設計事務所が多いです。


アクセントカラーを取り入れたカフェデザイン
白とコンクリートを基調としたカフェデザイン
木材を基調としたカフェデザイン

インテリアデザイナーと設計事務所は結局似たものなのか?

インテリアデザイナーと設計事務所は原則として、内装の専門家と建築の専門家としての違いがあります。しかし店舗という内容だけに焦点を当てると、内装に言及することになります。つまり、

  • インテリアデザイナーはほぼ全員が相談することができる相手

  • インテリアはシンプルからコテコテまで幅広く相談できる相手がいる

しかし設計事務所は店舗設計を対応していない場合があるため、

  • 比較的年齢が若く、新築が減っている時代に対応しようとしている設計事務所

  • 建物は構造や外観だけでなく内装デザインも合わせて「建築」であると考えている意識の高い設計事務所

  • インテリアは比較的シンプルなものを好む傾向がある。

が相談できる相手となります。昨今の傾向として、シンプルなデザインを求めているクライアントが多いため、インテリアデザイナーに合わせて多くの若手設計事務所も相談相手となりえます。

まとめ

どちらの専門家に依頼するかは、プロジェクトのスケールや要件、予算、個々の専門知識、設計の方向性によって異なります。インテリアデザイナーは内装に特化しており、設計事務所は外観や構造にも深く関わることができるため、それぞれの特長を理解し、適切な専門家を選択することが重要です。

インテリアデザイナーと設計事務所の、得意ジャンルが重なっていることがおわかりいただけたと思います。世の中がシンプルなデザインを求めてきている傾向があることからどちらに相談するべきか悩んでしまうことでしょう。しかし逆に相談できる相手が大勢いることは、本来クライアントにとって有利な状況ともいえます。気に入ったデザイナーが見つかるまで根気よく捜すことが、後々の店舗として活きてくることでしょう。

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