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『最長片道切符の旅』を旅する day9 「及位」という駅がある

前回の北海道、東北の旅から一ヶ月、三連休パスを使ってのday9。米沢から奥羽本線で北へと向かう。山形新庄大曲から新幹線で盛岡へ。本当は盛岡から山田線宮古に向かいたいのだが、この路線、一日に4本しかない。そのため、今日は盛岡から未乗区間の東北本線各駅で花巻北上まで行き、明日朝、新幹線で盛岡まで帰ってくる。

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【9日目】(東京ー米沢)米沢ー新庄ー大曲ー盛岡(盛岡ー北上)

東京 0628ー0833 (米沢)(はやて101)0958 新庄 1124ー1319 大曲(こまち18)1330ー1437 盛岡 (1504-1541 花巻 1644-1655 北上) 

十年来で最大と言われる台風が来ている。朝から土砂降り。それでも朝6時の東京駅新幹線ホームはごった返している。こんなに朝早くからどうしてどこからこの人たちはこんなに沢山集まってくるのだ。まあ、わたしもそうなんだけど。

新幹線自由席はほぼ満席、かろうじて席を確保する。列車は福島から板谷などなつかしい覆いのある駅をなめらかに通過していく。

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赤湯では盆地が尽きると登りにかかる。辺りの斜面は一面のブドウ畑である。傾斜の急なところでは棚が45度ぐらい傾いている。

今でもブドウ畑は健在だ。山肌にべったりとブドウのビニールハウスがへばり付いている。ハウスは先生の頃にはなかったはずだ。

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茂吉記念館前さくらんぼ東根。先生の頃は「北上の山」「蟹沢」駅と言った。先生ご健在だったらこの駅名変更、なんとおっしゃっただろうか。

「蔵王」という小駅を通過する。この駅はもとは金井(かない)といった。それが蔵王の人気にあやかろうとしたのか、身分不相応な駅名に改称した。そのため旅行者を惑わしたらしい。時刻表のバス欄に「国鉄蔵王駅からは蔵王山方面の乗り換えは出来ません」と注記してあった。

大石田駅の先で、雨の中刈り取られた田んぼの畦に男が一人しゃがみ込んでじーっと田を見つめていた。何を考えていたんだろう。

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0958 新庄駅着。新幹線終着駅なので大きくてきれいだ。駅ビルでは「最上フェア」というのをやっている。チンドン屋も出ている。久しぶりにチンドン屋を見た。まだいるんだなあ。テント村で萩野村農協婦人部の「味噌焼きおにぎり」「きのこ汁」をいただく。おっと、餅まきまでやってるぞ。

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1123 新庄大曲 1319 時刻表案内板の表示が「ワンマン」ではなく「列車」になっていたのでボックスシートの客車を期待したのだが、やっぱり車両はロングシート2輌編成のクモハ701系だった。出発時にはほぼ満席。乗務員が3名も乗車している。

雨で川は増水している。小川もとうとうと流れている。日本の雨の日もいいなあ。日本には雨の名前が300以上あるそうだ。

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「及位」という駅がある。ノゾキと読むので山陰本線の特牛(こっとい)とともに難読駅名の双璧とされている。山間の小駅で、駅名を見たいので窓に額を当て手をかざして待機する。

秋田県境に近い難読駅、及位(のぞき)。駅名をしっかり確認する。これは読めんわ。二日掛けてまた秋田まで戻ってきた。

日本は山の国だ。海外から帰って来て空から日本を見ると何と山が多い国かと思う。国土の70%が山なのだ。人は山と山の間の平らな土地にへばり付いて生きている。都会がいくらのさばってもまだまだ日本は山の国である。

日本の川は山から真っ直ぐに落ちてくるので急流だ。鉄砲川、暴れ川といわれる。だからまとまった雨が降るとすぐ増水し急流となるのだ。また急流なので川の水は鉱物類を含みにくい。欧州の水が硬水なのに対して日本の水は軟水なのはこのせいでもある。

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1300 横手駅。SL D51が隣りホームに停まっている。臨時「錦秋号」北上行きだ。客車を引っ張る列車だ。客車との連結も見せてくれるという。こっちに乗りたかったなあ。こんなのばっかり。(写真は河北新報)

1331 大曲盛岡 1437 新幹線で盛岡まで出る。田沢湖から流れ出た川の水がきれいだ。かたくて冷たそうだ。この川の水の色はどうだ。

角館で大勢の外国人旅行客が乗ってきた。ホームには土曜日なのに女子高生が多い。

城下町角館は秋田美人の多い所とされるが、たしかにきれいな女子高生が多い。外が寒いので乗ってきたときは顔が赤く、野暮ったいが、その内みんな色白になる。もっとも、まだ美人以前で、ゆで卵みたいな顔をしている。

盛岡着。3日前にここからわずか21kmのところの好摩を通ったばかりである。三日掛けてここまで戻ってきた。

盛岡からは宮古へ行くのが『最長片道切符の旅』のルートであるが、前述の通り宮古までの直通列車が4本しかない。盛岡に泊まっても翌朝0939の列車まで待たねばならない。待つ時間が勿体ない。なのでここは未乗の東北本線で北上まで「乗りつぶし」、北上泊とする。

盛岡からの上り普通列車は、通学、買い物客、家族連れで賑わっている。ほぼ満席である。花巻空港駅、通過。

1655 北上着。今日は駅裏のビジネスホテルに泊まる。




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