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夏恒例のアレの話

不定期更新でお届しております。介助犬トレーナーの独り言です。
最近はトレーニングというよりはめっきり施設関連のお仕事が増えて、また猫の遊び相手という役割分担になっている遠藤です。

毎年言ってるかもしれませんが、今年の夏は大変厳しい暑さですね。
お家のワンちゃんネコちゃん、私たち人間含めての暑さ対策は欠かせませんね。
昨年の暑い時期に当会へお寄せいただけるご意見についての記事を掲載しましたが、今年も様々なご意見を頂いております。

見返してみると「この頃はまだ結構イラストとか使ってやってるな」とか思いつつ、今は記事を書いているときに私の近くにいる犬たちを撮影して載せるだけの怠慢記事になっていることはご容赦ください。

さて今年も色々なご意見ありました。
・〇〇で介助犬を連れているのを見ました。気温も高くこの暑い時期に外出するなんて考えられません。
これまではこのようなご意見が結構あったのですが、今年はそこまで多くなかった印象です。介助犬ユーザーさんたちの努力がこういうところに反映されているのかもしれないなと感じました。
まぁそれでも他団体さんへのご意見はあったりするのでゼロではないです。

※介助犬ペアはユーザーさんによって所属育成団体が異なるので、私たちは日本介助犬協会所属のユーザーさん以外とはあまりお会いする機会もないのが現状です。

そこで昨年、当会の暑さ対策の考え方の一つとしてHPにこのような掲載を致しました。

先ほどのご質問ではないですが、「〇〇で介助犬を見た!」とお聞きしても当会が直接連絡可能な所属ユーザーであるかどうかはわかりません。当会の取り組みとして少なからずうちのユーザーさんたちはこれに准じた行動をして頂いているという気持ちで掲載をしております。
そしてご意見のお問い合わせではこんな確認をしています。

・介助犬の表示はついていましたか?
・ケープやハーネスなど種類はどのようなものでしたか?
・ペアを見かけられた地域や時間はどうですか?

おおよそこんなことを聞き取り、その地域のその日の気温など気象庁HPなどで調べます。(下記は参考)

万が一当会所属のユーザーさんであった場合には、直接ご本人へご連絡し事の次第を説明したのちに事情をお伺いします。
・外出は確かにしましたが、玄関からすぐ車に乗り商業施設までクーラーを効かせた自家用車で行きました。施設駐車場の車いすスペースが埋まっていたので近くのパーキングに停めて10mほど外を歩きました。
外気温が高かったので商業施設に夜まで滞在し、涼しくなったのを見計らって自家用車で帰宅しました。

このパターンだとおそらく商業施設に向かう際に外を歩いたタイミングをご覧になって「暑いのに介助犬を連れて外に出ている」とご連絡くださったのかもしれません。
気温や地面からの輻射熱など犬たちに与える影響についての説明を行い、他に対応策がなかったかを一緒に考えます。

・どうしても外出しなければならない予定があり、駅まで車いす自走で移動してしまいました。どうしても行かなければならなかったので仕方がなかったです。

このパターンでは犬たちは家に留守番し、自分で行く方法を検討してもらう場合が多いです。確かに介助犬は社会参加を促進することが目的ですが、道具ではありませんので犬たちへの配慮も当然必要です。
季節的にも気温の高い時期であるという事はわかっていて、どうしても外せない用事であることもわかっているのであれば、他の支援や福祉サービスを利用して犬たちは涼しいお部屋で留守番という選択肢も事前に検討しておくべきと考えます。

いずれにしても結果として犬たちによろしくない行動があったのであれば、しっかり振り返って対策を一緒に考えます。あれはダメです、これはダメですの指導ではなく「どうしたらよかったのか」を一緒に考えるのが大事かと思います。


別の話ですが、ご意見で今年一番多かったのは足裏のやけどについてでした。
足裏のやけどについてはアスファルト温度が40度以上という方もいれば60度以上という方もいて情報は様々です。犬たちによっても違うのでしょう。

では私たち訓練士はというと、外出前に手の甲で必ず地面を触って温度を確かめてから、外出するのかどうかを検討します。まぁご想像通りこの時期はほぼ出られません。
特に愛知ですと9:00くらいから18:00まで厳しい(地面温度)日もあるので、職員は早朝に出勤したり、夜に外出トレーニングをしたりしてます。

トレーナーの経験や感覚でOK、NGと決めているのですが実際には何度なのかという事が突然気になり、今年の5月からこんなものを使って定期的に地面の温度を計ってます。

放射温度計というらしいです

これでセンター駐車場の地面温度を計ってみると・・・・
私のOK、NGのラインは大体48度~50度の間でした。

7月後半から8月に入って9:00の段階で50度を超え、14:00のピーク時には70度を超えるような数値も確認しています。17:00でもまだ50度前後の時があるので私はNGにしていたんだなと感じました。
面白いのは気温との関係です。

気温が30度と言われるとその時点で外出は控えますが、26度と言われると風があるとまだ良い時があります。この悩むような場合でも地面温度を計ってみると・・・
・気温が下がってきて26度の場合には50度位の時がある(熱い、NG)
・気温が上がってきて26度の場合には42度位の時がある(ぬるい、OK)

同じ気温でも地面は日照度?日照時間?的なことが影響しているのだと思うので、やはり直接確認しないとダメだなと思いました。

ちなみに私の記録に書いてある基準はこんな感じでした。
30度~35度 ぬるいより若干冷たい
35度~40度 ぬるい、若干温かさを感じる
40度~45度 病気の時に飲む白湯くらい?
45度~50度 手をしばらくつけていても不快感がない
50度~   熱い ※外出NGライン
60度~   熱すぎる
70度~   一歩も歩かせてはいけない、室内履きの裏面若干溶けてませんか?

こんな感じの記録でした。
ちなみに50度以上は外出NGの判断「×」がついてますが、それまでの45度~50度にも「△」がついてます。これは前後の状況や環境と併せて外出時間やこれから行く経路を踏まえOKとするかNGとするか判断という意味です。

きっと地域や環境によっても全然違う結果になるかと思いますので、是非みなさんも大事な家族を守るために調べていただくといいかもしれません!!

あ、ちなみにこの記事は個人の感想ですので研究成果や理論的な根拠を基に書いているわけではありません。何卒ご承知おきください。
私の好奇心と犬たちへの福祉を少しでもと考えてこんなことをしてみましたよというお話でした。
また何か気付いたことがあれば書いてみることにしたいと思います。

それではまた!

えんどうだいすけ

介助犬1組の育成には240万円~300万円ほど費用がかかります。 みなさまのご支援をよろしくお願いします!