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土木技術者に贈る、お役立ちリンク集!vol.35

全国の土木技術者の皆様、こんにちは!土木学会教育小委員会の宮田です。
早いもので2月も半分過ぎました。まだまだ寒い日々が続いていますね。今年1月には10年に一度ともいわれる強烈な寒波が襲来し、日本列島の日本海側に記録的な豪雪をもたらしました。大雪に対する備えも重要ですし、体調管理にも注意が必要です。このご時世に風邪をひくと通院も大変ですよね・・・。

さて、近日報道がありましたが、2月6日トルコ南部でマグニチュード7.8の大きな地震が発生しました。トルコ、シリアの当局によると、この地震による死者が4万1千人を超えたと発表されています。(2/16発表)
国内に目を向けると、2年前の2021年2月13日、福島県沖を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宮城県や福島県で最大震度6強を観測しました。この地震は東北地方太平洋沖地震の余震と推定されると、気象庁と政府の地震調査委員会は発表しています。2011年3月の震災発生から10年経っても余震活動が続いており、改めて当時の地震の強さを思い知らされます。

災害が発生した時、社会活動に影響を与えないようにするためには、ソフト面、ハード面の両方における事前の防災対策が重要になります。また、被災時には正確な情報をできるだけ早く入手し、避難やその後の対応に生かしていく必要があります。
このような防災に関する研究や、情報発信を行っている組織が「国立研究開発法人 防災科学技術研究所」です。

「防災科学技術研究所」(NIED)って実際何をやっているの?どんな組織?NIEDの理事長である林春男氏のコメントを拝見しました。

 防災科学技術研究所(以下、防災科研)は、「防災科学技術を向上させることで災害に強い社会を実現する」という基本目標のもと、幅広い研究を推進しています。ここでいう防災科学技術とは、何が起きるかをしっかり理解して予測し、災害を未然に防止し、被害の拡大を食い止め、災害からの復旧・復興を実現する科学技術を指します。

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 防災科研では2018 年から、研究所の在り方を見直すべくブランディング活動を始めました。所員が一丸となり、議論をしてきた中で大切にしたのは、「一人ひとりが防災の主役である」という認識です。そうした環境を防災科研がつくっていくという思いが、「生きる、を支える科学技術」というタグラインに込められています。
 このアイデンティティのもと、防災科研はその成果の社会実装までをスコープに入れ、社会が求めている研究開発に取り組んでいきます。そして、さまざまな分野の人々と協力し合いながら、「一秒でも早い予測、一分でも早い避難、一日でも早い回復」を実現し、持続可能な社会への道筋を描いていきます。

防災科学技術研究所 要覧より引用

人々の命と暮らしを支えるために、強い意志を持って業務に当たられていると感じます。

ここで、防災科学技術研究所について、教育小委員会の情報通、井川委員からのコメントを紹介します。

防災に関する研究・開発をされている研究所です。
サイトのトップページには、”地震・気象のたった今を知る”としてリアルタイムハザード・リスク情報が公開されています。
私は強い地震を感じた際に、”強震モニタ”で地震を確認することがあります。
また、防災科研には”E-ディフェンス”という実大三次元震動破壊実験施設があり、実物大の構造物の加振実験が可能です。”E-ディフェンス”を用いて、耐震設計に関連する研究・開発が進められています。
防災科研のYoutubeでは様々な情報発信がされています。”E-ディフェンス”のプレイリストでは建築分野の加振実験動画が公開されています。
土木分野の加振実験は、兵庫耐震工学研究センターのサイトにある”加振実験映像”で公開されています。
地盤の液状化、港湾構造物、鉄筋コンクリート橋脚、杭基礎、ため池、耐震補強などで加振実験動画が公開されています。
鉄筋コンクリートの橋脚の加振実験などを見ると地震時の挙動なども理解しやすいのではないかと思います。また、動画だけでなく実験概要も公開されているので、実験の理解も深まるのではないかと思います。
今回紹介したような実験により得られた貴重な情報から、各種基準、設計方法、対策方法などが決められています。

防災、気象、地震に興味がある方は、ぜひサイトをご確認ください!

井川委員より

井川委員より紹介いただいたように、HPでは様々な情報が開示されており、気象・地震等のリアルタイム情報や、過去の災害情報、研究所の研究成果やイベント情報の告知などもあります。
ここで、HPで紹介されている情報の一部をご紹介します。

◎強震モニタ

 強震モニタは、防災科研の 強震観測網 によって観測された日本全国の今現在の揺れをリアルタイムに表示するWebサービスです。地震発生時には、地震による揺れが伝わっていく様子を色の変化で確認することができます。また実際の揺れの様子に加えて、緊急地震速報の情報(震源位置、マグニチュード、最大予測震度)や予測震度分布、P波・S波到達予想円も合わせて表示することができます。

防災科学技術研究所 HPより引用

強震モニタは各地のリアルタイムの震度を確認することができます。この情報はYahoo! JAPANの天気・災害情報のページにも記載されており、見たことがある方も多いのではないでしょうか。非常にわかりやすいコンテンツになっています。


◎E-ディフェンス

地震災害に対して、防災技術の研究開発はコンピューターを用いた数値解析等によって実施されますが、机上検討だけでなく、実証実験も重要となります。実験について活躍している施設として、NIEDが兵庫県に所有している大型三次元振動破壊実験施設、「E-ディフェンス」があります。

HPにも記載がありますが、「E-ディフェンス」は世界最大、最高性能の振動台だそうです!しかもNIEDはつくばにも実験施設を保有しており、そこは世界第2位の規模!地震大国日本とよく言われますが、それに対する研究施設のスペックの高さは世界レベルです。

今回は地震に関する施設のご紹介でしたが、NIEDはそのほかにも大型降雨実験施設、氷雪防災実験棟等、色々な気象状況を再現できる実験施設を保有しており、様々な実験・検証に使用されています。


社会インフラの建設、維持管理に関わる我々土木技術者にとって、地震に関する知識を蓄えておくこと、ひとたび地震が起きたときに情報収集をおこなうことは非常に重要であるのではないかと思います。
本小委員会の発信する情報が、皆様の業務の助けになれば幸いです。
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それでは、次回もお楽しみに!!

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