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令和4年度全国大会・第2日

土木学会事務局です。
9月12日から始まる令和4年度土木学会全国大会について、一般の方も参加できるプログラムを中心にご紹介をしています。

初日に引き続いて二日目の9月13日も、オンラインで土木学会の委員会が主催する研究討論会を開催します。
専門的な内容について現状や今後を議論するものですが、土木はこんなことをしているのかということを知っていただけたらと思います。
なおオンライン研究討論会は視聴のみの場合は申込み不要です。無料でどなたでも視聴できます。興味を惹いたテーマがありましたらぜひご参加(視聴)ください。

また本記事は、記事公開日時点で確認した内容で構成しています。最新の情報は全国大会ホームページでご確認ください。

9/13(火)10時~12時

地盤の問題と可能性について俯瞰的に検討してみよう
(地盤の課題と可能性に関する総合検討会)

最近トンネル陥没事故や盛土崩壊など地盤関係のトラブルが少なくない。地盤や地下問題には本質的に未知の要素や予め知ることが困難な不確実な要素が多く、未知の要素は土木の将来発展と知的魅力の原動力にもなる。地盤の問題と可能性について俯瞰的に検討し、土木学会として何らかのメッセージを発信する検討会を設立し、有識者からの提案・プレゼンテーションを通して活動してきた。地盤関係者のみならず地下水関係者や地質学関係者、都市開発や法理論など幅広な立場の人との意見交換の場であった。本研究討論会では、現在までの活動を振り返りながら土木学会としてのメッセージ案を提示し、討論を通して会員各位のご意見を伺う場とする。

JSCE2020防災プロジェクト:来たるべき国難災害を考える
地震工学委員会

JSCE2020防災プロジェクトでは、国難災害になりうる首都直下地震や南海トラフ巨大地震による災害と激甚化する複合自然災害から、生命と財産、生活環境と社会機能、そして国土を護り維持すると共に、国の不測事態を回避する実現可能な方策の提案を目的としている。これを達成するために、上述の複合・巨大災害の時系列・空間的な全体像を、他学会や官を含んだ多分野のメンバーで多視点(立場、専門、職業別)から描くとともに、対策が不十分な課題の抽出と分野間に存在するギャップや盲点を炙り出す。本討論会では、昨年度に引き続き、国難災害の発生過程や各分野等への社会的な影響を明らかにし、今後必要な対策について議論する


継続的な社会インフラメンテナンスのための「知の体系化」(インフラメンテナンス総合委員会

「知の体系化小委員会」では、今後より効果的に社会インフラをメンテナンスするための研究開発・技術開発を進めるにあたって、土木外の専門家との連携をいかに図るかをテーマとしたアンケートを2022年に実施した。
長山主査よりアンケート結果とその分析を報告した上で、連携を進める際のいくつかの課題等について土木外・土木内の専門家と討論を行う。

9/13(火)13:00~15:00

地震災害軽減のためのダメージフリー構造技術の確立に向けて(地震工学委員会

我が国では,情報化が発達して交通・電力等ライフラインに極度に依存した都市と,高齢化・人口減少が進む地方とが併存していますが,どちらも大地震に対して脆弱であることは近年の地震被害から明らかです.人命や生活を守る上で社会基盤構造物の果たす役割は大きく,可能な限りの被害最小化と災害発生時の迅速な事後対応への備えが求められています.超過外力に対する影響評価や対策技術の開発も喫緊の課題ですし,地震後の迅速な健全度判定技術も必要とされています.本研究討論会では,我が国が置かれる地震環境や最近の技術開発を踏まえ,今後の地震災害軽減に必要とされる次世代の技術展開について議論を深めたいと思います.

土木D&I 2.0:考えよう、ルーツの多様性で土木界を元気に
ダイバーシティ・アンド・インクルージョン推進委員会

土木界のD&I推進において一つの大きな対象に外国出身者がある。一般には人手確保の面で語られることが多いが、D&Iは多様な価値観のもとでのより良い職場環境の創造やイノベーションをめざすことこそに意義があり、外国出身技術者の活躍もその文脈で取り上げたい。本討論会は、外国出身技術者のみなさんと外国出身技術者を受け入れようとしている企業のみなさんにむけて開催する。具体的には、まず実態や問題意識、本音を共有し、次いで先進的な取り組みを参考にしながら、全員で個人、組織、土木学会が取り組む方策について討論する。本討論会では、話題提供者、参加者に外国出身者がいることを踏まえ、進行上の使用言語にも配慮する。

環境DX最前線 ~デジタル技術は環境対策にどのような影響を与えるか~(環境システム委員会

2035年使用済プラスチックの100%有効利用(単純焼却、埋立ゼロ)、2050年カーボンニュートラルなど、眼前に大きなマイルストーンが控えている。いずれも並大抵の対策で実現できることではなく、あらゆる部門の構造的転換、さらに都市や社会システムの変革が求められている。一方、DXの波は環境の分野にも押し寄せており、廃棄物収集運搬の効率化、環境インフラの遠隔監視、3D都市モデルを用いた環境都市づくり等、多くの分野で試行されつつある。本討論会では、環境分野におけるDXの導入の効果と課題、今後の展望について事例を共有するとともに、環境システム研究が取り込むべきデジタル技術や政策・対策へのインプットについて討論を行う。

9/13(火)15:30~17:30

JSCE2020プロジェクトの展開とその後に向けて
企画委員会

土木学会では,2020年4月に策定された 5か年計画「JSCE2020-2024〜地域・世代・価値をつなぎ、未来社会を創造する〜」の中期重点目標に基づき,4つのプロジェクトを推進してきた.本研究討論会では,JSCE2020の折り返し地点に差し掛かろうとしているタイミングで,それら4プロジェクト((1)減災・防災, (2)メンテナンス, (3)コミュニケーション, (4)ダイバーシティ)の取り組みの中間的成果と今後の展望についてご報告頂く.さらに,新たなテーマ検討に向けて企画委員会と若手パワーアップ小委員会合同で検討している内容を紹介し,ポストJSCE2020に向けた総合的討論を行う..

気候変動への適応に向けたこれからの地域社会の構築
安全問題研究委員会

世界的に気候変動問題が着目される中、国内においては、平成29年九州北部豪雨、平成30年西日本豪雨、令和元年台風19号と毎年のように風水害が発生しており、今後はカーボンニュートラルに係る取組だけではなく、気候変動に耐えうる社会に係る取組(適応策)もこれまで以上に進めていくこと必要だと考えられる。
 そこで、本討論会では、気候変動の適応策(風水害に対策)のうち、主にソフト分野の取組(例えば地区防災計画、地域への災害情報発信・避難対応、災害時コミュニティ対応等)等を紹介するとともに、今後の気候変動を見据えた安全・安心・安定に資する地域社会(地域防災)に向けた課題や今後の展望について意見交換を行う。



全日程のプログラムは、こちらのnoteでもまとめています。


国内有数の工学系団体である土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し、さまざまな活動を展開しています。 http://www.jsce.or.jp/