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学生小委員会(仮称)、スタートします

土木学会事務局です。

2022年3月に開催された企画委員会での承認を受け、土木学会では2022年6月より『学生の、学生による、学生のための学会活動』を行う小委員会を新たに発足することになりました。
6月の発足を前に小委員会の活動目標・内容を検討する準備会のメンバーを募集するにあたり、本記事で小委員会発足の背景と目的について簡単に解説することといたしました。

この活動に興味を持った学生・生徒の皆さん、ぜひ土木学会 学生小委員会(仮称)・準備会への参加をご検討ください。お待ちしております。
(委員は、新年度(2022年4月)以降に公募いたします。)

現状と背景

土木学会の個人会員は3.8万人です。
このうち学生会員は約5000人。個人会員の約13%が学生という計算です。

出典:数字で見る土木学会(2020年版)

この5000人という数字、仮に皆さん大学生として(もちろん学生会員の方には高専生・高校生の方もいらっしゃいますが、あくまで計算上の仮定です)、土木系大学生の一割弱の方が、土木学会の学生会員になっていると推計されます。

こちらの資料では、土木系大学の学部卒業生が1.3万人、修士修了生が0.3万人となっていることから、単純に考えて、土木系の学部生・修士は、1.3万×4+0.3万×2=5.8万人。

ところが、土木学会本部に於ける調査研究部門の29委員会やその他の部門の委員会において、「学生」が中心あるいは主役となっている組織は「ない」のが現状です。

また入退会のデータを見ると、例年の傾向として毎年約1000人が新規に入会され、毎年約1000人が退会されています。だいたい今頃の卒業シーズンに退会される方が多いという状況です。
土木学会では卒業・修了される学生会員の方々に「卒業継続割引制度」という学生会員から正会員に継続する際の割引制度を導入していますが、学生会員から正会員に転格される人は非常に少ないのが実態です。

入退会の状況から学生会員の方の多くは、支部研究発表会や全国大会への投稿を目的とした入会が多いと推察しています。

このような状況から

”学生会員のみなさんは、論文投稿・講演発表以外に、学生の立場で学会員となっている価値(意義、意味)を感じられていないのでは?”

と考えています。学生会員の皆さんに直接お尋ねしたわけではありませんが、多分間違っていないだろうと思います。

学生の皆さんに、土木学会が「学会」という名前から、学術的な調査研究に関する高度な専門知識や技術について、大学の研究者(先生)や研究所の方々が議論をする場と思われているのではと感じています。

そうした面も当然ありますが、土木学会は英語表記が”Japan Society of Civil Engineers”であるように、一義的には”Society”-社交の場です。
土木のさまざまな分野で活躍しているほかの会員の方々と交流でき、また「土木学会」という名前をつかって他の分野の方々とも交流する機会を持てる場、それが「土木学会」です。
(これはほかでも同様で、同じ専門をもった人々の社交の場が、学会の重要な役割です。)

この「社交の場」に、全体の一割を超える学生会員が主役として活動でき、「土木学会」の名前を活かした主体的な活躍の場が設けられていない、「学生に対して開かれていない」のは、”Society”としての役割を果たせているか- これが今回『学生小委員会(仮称)』を発足させることに至った背景です。

そこで

そうした背景を踏まえて、2022年度において活動予算を確保し、「土木学会」の中に全国の学生・生徒の皆さんの”Society”としての「学生小委員会(仮称)」をつくります。
「土木学会」のネットワークや名前を活用し、さまざまな交流や活動により、学会の中にとどまらない、未来に向けた魅力ある開かれた場となればと考えます。
そして委員や委員会の活動のバリューを、学会内外、土木の内外に向けて発信し、新たな価値を提供する場となればと考えます。

本小委員会の発足にあたり、現時点で決まっていることは以下二点のみ。

  • 学生・生徒「のみ」で構成すること
    (学生または生徒の身分を喪失した際は任期を終了する)
    (社会人学生の方は除く)

  • 参加対象は、土木工学を学ぶ学生・生徒に限定しないこと

どのような活動をするかは参加された学生・生徒の皆さんに主体的に企画・検討いただいて決まります。
これまでは学会の中で、大人が「学生のために」考えていたことに「参加」するというかたちが多かったものを、学生の方が、自分たちで自分たち自身の活躍の場を考え、場を作り上げていくというのが今回の小委員会の目的です。
それが引いては、”Society”としての土木学会全体の活力につながればと思います。

土木学会としての期待

「学生による」「学生のための」とはいえ、この小委員会を発足させるにあたっては、大人の事情的にもいくつかの期待を持っています。
たとえば、このような点。

  • 世の多くの学生・生徒にとって「魅力ある土木学会」「開かれた土木学会」となるために必要な施策・事業を会長および理事会に提言・提案する

  • 土木の枠や国境をこえた他業種・他分野とのネットワークや人と人との繋がりをつくり土木や土木学会の活動が土木の外から見える機会を創出する

もちろん、これらは大人の側から見た都合ですが、学生の皆さん自身の積極的なアクションから、土木学会や土木の世界で若者の存在感をもっと高めていくために、土木学会の状況に不満な点、変えるべき点、大人がもっとやるべき事など、さまざまな提案・アイデアをいただけることも期待するところです。

2022年6月、正式に活動がスタートしました!


国内有数の工学系団体である土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し、さまざまな活動を展開しています。 http://www.jsce.or.jp/