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土木学会『論説・オピニオン』

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土木学会では、会員だけでなく広く一般社会に、土木に関わる多様な考え・判断を紹介し、議論を重ねる契機とすることを目的に、社会に対する土木技術者の責務として、社会基盤整備のあり方・重…
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2024年5月の記事一覧

土木行政に関わり町長に

塚原 隆昭 依頼論説 島根県飯南町 町長 昨年、土木学会論説委員の木村嘉富さんとの再会があり、そのご縁で今回の執筆依頼を受けた。私と木村さんは島根県の松江工業高等専門学校土木工学科の同級生で、卒業後に木村さんは大学に編入、私は広島市で土木の行政職員となった。市役所時代には道路計画などの部署で2年間勤務したが、田舎の長男として両親からは地元へ帰ってきてほしいコールがあり、辞めて町役場で勤めることとなった。 町役場とは合併前の旧頓原町。現在は隣の旧赤来町と合併して、飯南町(平

社会インフラとしての「スマートエネルギーマネジメントシステム」の構築に向けて

浅野 浩志 依頼論説 東海国立大学機構 岐阜大学特任教授 内閣府プログラムディレクター 経年火力の休廃止等による電力需給のひっ迫や地政学的に不安定な国際情勢による燃料価格の高騰も踏まえ、リスクを分散するためにも既存の大規模エネルギーインフラを補完する形で、効率的かつ強靭な地域分散型のエネルギーインフラを導入することが望ましい。変動する再生可能エネルギーの出力を含むエネルギーの需給を予測・制御できるデジタル技術や水素・アンモニア等の新たなエネルギーキャリアの安全な利用等、技術