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土木学会『論説・オピニオン』

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土木学会では、会員だけでなく広く一般社会に、土木に関わる多様な考え・判断を紹介し、議論を重ねる契機とすることを目的に、社会に対する土木技術者の責務として、社会基盤整備のあり方・重…
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2022年5月の記事一覧

土木現場におけるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進

阿部 友美 論説委員 株式会社奥村組東北支店土木部 このほど中山間地域での山岳トンネル工事(NATM)の現場から、市街地で道路の下にトンネルを非開削工法により構築するアンダーパス工事(R&C工法、ESA工法併用)の現場に異動となった。施工場所の周辺環境は一変し、通勤も車で片道27kmであったのが、今は徒歩で1km未満である。労働基準監督署に提出する「建設工事計画届」の事業種類が「ずい道」に分類される点は同じだが、施工方法は大きく異なり、多様な工法に携われることを非常に有意義

地方圏における公共交通サービスの再構築を目指して

奥嶋 政嗣 論説委員会幹事長 徳島大学 教授 地方圏では、交通事業としての採算を確保するのが容易ではない鉄道路線やバス路線もみられる。新型コロナウイルス感染症の流行にともなった外出自粛などの影響により、公共交通の利用がさらに低迷していることが報告されている。特に、人口減少が顕著な地域においては公共交通路線を維持する限界に直面しつつある。そのため、既存の公共交通路線の存廃が議論される局面が続出することも考えられる。 交通事業者が個別に提供している交通サービスは、地方圏ではマ