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土木学会『論説・オピニオン』

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土木学会では、会員だけでなく広く一般社会に、土木に関わる多様な考え・判断を紹介し、議論を重ねる契機とすることを目的に、社会に対する土木技術者の責務として、社会基盤整備のあり方・重… もっと読む
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2022年2月の記事一覧

ダイバーシティ&インクルージョンについて ~働き方の動向を交えて~

田中 茂義 論説委員 大成建設 ダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&Iと略す)はいまや社会倫理として定着しつつあり、職場や家庭はもちろんのこと社会全体が取り組むべき規範として流布している。企業においては昨今の担い手不足、価値観の多様化、グローバル化による競争の激化等に対応すべく多様な人材が活躍できる働き方を模索し、生産性の向上やイノベーションにつなげようとする動きがある。D&Iとは外面および内面の多様な属性(D)を受け入れ尊重し活かしていくこと(I)であるが、D&I

D&Iを支える都市インフラとは?

太田雅文 論説委員 (株)東急総合研究所  ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)は、「誰一人取り残さない」ことを基本的理念とするSDGsの根幹であり、都市づくりに欠かせない理念となっている。多様性を受け入れる社会とはいかにあるべきか、例えば駅のバリアフリー一つを見ると、当初は車椅子経路が1ルート確保されていればいい、という認識であったが、今は健常者と同等の利便性を確保すべく、2つの離れた改札口があるとか、幹線道路を跨ぐとかのケースでは複数ルート確保が当たり前、と事業者の