COVID-19と土木・建築―デジタルで代替されない空間をつくるー
牧紀男
京都大学防災研究所教授
COVID-19の感染拡大にともない東京への出張がなくなった。予定表で確認してみたら最後に東京に行ったのは2020年3月21日であり、半年以上、東京に行っていない。以前は頻繁に東京に出張していたことを考えると、大きな変わり様である。しかし、COVID-19への対処方法は、防災対策として見ると新しいものではない。被害の大きさは外力、脆弱性、暴露量の関係で決まり、この3つの要素を操作することで被害を小さくするのが防災対策である。新型コロナの対策は