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土木技術者も読みたい児童書

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土木や土木に関連することを題材にした児童書は意外とたくさん発行されています。が、そうした年齢のお子さんお孫さんがおられないと、大人はなかなか書店や図書館で児童書コーナーに足が向か…
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2021年1月の記事一覧

「英雄たちの選択」でとりあげてくれませんかね?『海外の建設工事に活躍した技術者たち 青山士・八田與一・久保田豊』

土木の歴史絵本第5巻。明治から大正にかけてすぐれた先人たちは、欧米の技術を取り入れ近代的な土木技術の基礎を築き、世界でもその力を発揮した新時代の日本人技術者たちを紹介。 加古里子さんといえば、『だるまちゃんとてんぐちゃん』のだるまちゃんシリーズや『からすのパンやさん」などのからすシリーズを思い出す。どんな話だっかたかなと、今回あらためて読み返してみたら、お話もさることながら、丁寧な描写と、物にたいする眼差しに強い熱を感じた。それもそのはず、東京大学工学部応用科学科卒業、工学

地図で見る 日本の地震

土木学会事務局です。 大人が読んでも面白い、ためになる児童書を紹介する不定期掲載「土木技術者も読みたい児童書 #土木の本」シリーズ(サブタイまでつけて大丈夫か?)、今回紹介するのは2019年12月に刊行されました「地図で見る 日本の地震」(刊 偕成社・作 山川徹・監修 寒川旭)です。 本日1月17日は、阪神・淡路大震災が発生した日です。26年前のあの朝、noteの中の人は関東に住んでいましたが、布団のなかで僅かな震動を感じて目が覚めたのを今でも覚えています。出勤の準備をし

かわ

土木学会事務局です。 大人が読んでも面白い、ためになる児童書を紹介する不定期掲載「土木技術者も読みたい児童書 #土木の本 」シリーズ、今回紹介するのは「かわ」(刊 福音館書店・かこさとし さく/え)です。 この「かわ」。初版の発行は1966年9月と55年も前のことで、小さい頃に見たことがあるという方もたくさんいらっしゃると思います。いまも発行されているロングセラーです。 高い山の雪どけ水や、山に降った雨から生まれた小さな流れは、谷川となって山を下ります。小さな流れは、ダ

”明日からやる”という言葉は辞書にない。『土木技術の自立をきずいた指導者たち 井上勝・古市公威・沖野忠雄・田辺朔郎・広井勇』

土木の歴史絵本第4巻。明治政府は、外国人に頼るだけでなく、土木の技術者を育成するため優秀な青年を選んで欧米に留学させ、次の指導者になるように努めました。その代表的な5人の功績を紹介しています。 いよいよシリーズ4冊目。日本人が近代的な土木技術を確立していくシーンまでやってきた。新年の抱負を問われれば「明日からやる」と答えるなんてもってのほか、ここに登場する5人は1時間でも勉強を怠れば、日本の発展はそれだけ遅れると考え、努力し、学び、知識をいかして活躍した。正月早々、引け目し