【局長連載】 雨過天晴 #58
第20回 宝の地図
こんにちは、局長の宮沢です。今回は、今年度の校友誌に僕が寄稿した原稿をそっくりそのまま転載させていただきます。サボっているわけじゃないですよ?資源の有効活用です笑。
音楽をやる上で欠かせないもの。楽器とか、色々あると思いますが、私に言わせればそれは「楽譜」です。ポップスなどは耳コピできるものもありますが、合唱や弦楽にとどまらず、吹奏楽なども楽譜なしでは音楽を創り上げることができません。なので、我々にとって楽譜はとても重要なものであり、言ってしまえば命のようなものです。
さて、時は遡って私が小学生だった頃、当時の音楽の先生から「楽譜は宝の地図だ」と言われました。今考えれば、なるほどな、と思います。確かに、楽譜の中に、素敵な演奏をする方法も、ちょっとカッコつければ夢も、何もかもが詰まっています。そう考えると、音楽の魅力がちょっとだけわかる気がします。
当たり前ですが、楽譜は目に見えます。「◯小節目はドの音を△拍歌う」というように。自分のパートだけでなく、他のパートがどんな音を出し、どんなリズムを取っているのか、すべてが分かる、いわば神の視点です。そこで、演奏者たちは、なぜここはこの音なのか、この和音なのか、と考えます。そして、どのように歌えば、自分たちの伝えたいことを聴衆に伝えられるか考えます。実際の演奏は、もちろん音ですので、目に見えません。つまり、ここで「目に見えていたもの」が「目に見えないもの」に変わるのです。しかし面白いことに、聴衆たちは頭の中でその音を実際の色であったり、景色などに変換します。「目に見えないもの」が再び「目に見えるもの」へと変貌を遂げたことになります。ここに音楽の魅力があると思います。この、悪く言えば少し面倒くさい手順が、効率化と叫ばれる昨今に音楽としての魅力を与えている気がしてなりません。
今年、芸術というものの存在意義が、あまり望ましくない形ではありますが、改めて考えられるようになってきました。不要不急、と言われてしまうこともありますが、人類は常に音楽とともにありました。辛いとき、悲しいとき、不自由を強いられていたとき、楽しいとき、嬉しいとき。いつでもそこには「音楽」がありました。こういうときだからこそ、音楽を聴いたり、歌を歌ってみてはどうでしょうか? 上手いとか下手とか、そんなことは関係ありません。きっと音楽があなたの進む道を示してくれるはずですよ。
2021.04.02
日本SDGs協会学生局 文責 宮沢
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