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「はじまりの空島」は、「はじまりの台地」より誘導が強くなったのは何故か?

「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」(以下ティアキン)のチュートリアルエリア、はじまりの空島は前作「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」(以下ブレワイ)の同じくチュートリアルであるはじまりの台地と比べると、誘導が強かったとの声が多いです。実際、わたしもそう感じました。
では何故、そのように感じたのか、そしてどうしてそのような作りにしたのかを考察したいと思います。


ブレワイとの違い

ティアキンはブレワイより誘導が強めな印象で、逆に言えば一つ一つのイベントが丁寧とも言えます。
例えばブレワイでは、回生の祠を出た後に謎の爺さんと話すまでは、視線と道順で誘導されています。
それも特に話さなくても進行できたので、周回するのには優しい仕様でしたね。
爺さんと話した後はシーカータワーに誘導されますが、道自体は開けているので、先に時の神殿跡に向かうなど多少探索してからタワーを起動した人も多いと思います。

ティアキンではこの辺の誘導は強いです。飛び込んでから時の神殿までの道のりはほぼ一本道で、特に寄り道する余地はなかったと思います。
もちろん、前作同様、行こうと思えばどこでも探索できるのは変わりませんが。

また、祠までの道のりも誘導が強いですね。
ブレワイではマグネキャッチの後、リモコンバクダンにいって、その後はどっちから先に行くかは割と人によるところがありました。
今作も、まずウルトラハンドを取得したあとは一応どちらからでも行けるようになっていますが、基本的に反時計回りで進むことが推奨されているような作りになっていました。

何故そのような作りになっているのか

これはブレワイとティアキンの能力では役割が大きく違うことにあると思います。
ブレワイの能力はあくまで祠や神獣などの謎解き用で、普段の探索や戦闘ではなくても大きくは困らなかったと思います。
ですがティアキンではゲーム性そのものに関わってくるようなものなので、普段の探索や戦闘でもないと大きく困ります。

まず、ウルトラハンド。このゲームの主役と言ってもいい能力です。これを中心にゲームを進めていくということを、はじまりの空島だけでも充分に理解できるように、序盤から取得させ、残りの2つの祠に向かう時にも存分に使わせます。

次にスクラビルド。これで戦闘が大きく楽になります。岩をつければハンマーになり、魔物の素材をつければ攻撃力を上げられる。戦闘にも探索にも必須の能力です。
また、この能力により戦闘や素材集めの重要性を伝え、ゲームへの理解がより深まったと思います。

そしてトーレルーフ。下から上に登るというのは普段の探索でも大いに役立ちます。
ストーリー本編でも、トーレルーフを使わないと行けない場所があったり、洞窟など、トーレルーフを使いたくなる場所が多かったりと、当然これもゲーム性の1部です。

そして、しっかりとゲーム性を伝えた後にモドレコという全てを解決する最強能力が与えられます。大抵のギミックはこれで無視出来ます。
これはゲーム全体へのゲーム性への関わりは他の能力と比べ少し薄いですが、その代わりストーリーへの関わりが強く、それはモドレコ取得時に示唆されています。

伝えたいコンセプト

このように、ブレワイの台地と比べると自由度が減り、誘導が強くなったと感じるのには理由があります。
簡単に言うと、伝えたいコンセプトが違うという事です。

ブレワイではとにかく自由!なんでもできる!どこへでも行ける!というのを強調していました。
早めに斧を入手させ、木を切らせ、さらにその木を切れば巻になったり、火でリンゴを焼いたり、木を倒して橋を作らせたり、壁を特に制限なく登らせてくれたり、とにかく自由であること以上に、「現実の当たり前」を反映されていることをしっかりと伝えていました。あくまで能力自体は冒険を便利により自由に進める為のおまけであり、伝えたいコンセプト自体はその道中にありました。

ティアキンでは能力とゲーム性が密接に関わっているため、自由度以上に伝えたいことを伝えるために、ブレワイより誘導を強めにしたのでしょう。ティアキンを遊ぶほとんどの人がブレワイに触れているというのもあります。
それぞれの能力とゾナウギアを使うゲーム性が、はじまりの空島だけでもしっかり伝わる、非常に完成度の高いチュートリアルだったと思います。

チュートリアル終了直後について一応擁護

ティアキンについて、一つ誘導が弱いと言われている部分があります。それは、空島から降りて何処に向かえば良いかについてです。

確かに、ブレワイではハイラから「まずは、ここから東にあるカカリコという村の、インパというものに話を聞くと良い」と言ってくれていました。
一方ラウル君は「あの子を、よろしく頼んだよ」と言って消えていきました。何処へ向かうべきかもあるけど、他に語ること色々あるだろとも言われています。神殿で賢者が語ってくれたこと、別にラウル君が話しても良かったんだよ?

一応、ラウルが消えたあと監視砦へカメラが向きますけど、これでは誘導が弱い!そこに行く動機もよく分からない!と言ってる方も多いですね。
たしかに誘導は少し弱いですが、動機はハッキリしています。
リンク視点で見れば、ゼルダがハイラル城地下に落ちたので、ハイラル城の方向へ向かうのは当然。「わたしを探して」と言われ、まぁ何処にいるか分からなくとも、とりあえずハイラル城には行くでしょう。
誘導が弱いからこそ、むしろそこ以外に行くところがない、という作りになっているのだと思います。

まとめ

結論としてはティアキンはチュートリアルとして丁寧で完成度が高い、という印象です。
その分ブレワイと比べると誘導が強く感じたり、序盤に祠にワープできない分、自由度が下がった面もあります。
ただし、「自由度が高い」というのはブレワイで充分に伝わっているので、それ以上にティアキンのチュートリアルとしては、「今作はどんな遊びか」を伝える必要があった故、というのが結論です。

どちらが好きかは割と分かれそうですね。
個人的に、OP映像はブレワイの方がめちゃくちゃ好きです。何度観ても感動できますよね。
皆さんはどちらの方が好きですか?是非教えてください!

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