麻雀に流れはあるのか?@平塚2

平塚の某店で同卓した、コワモテの40代くらいのおじさんは、威圧感が半端ではなかった。傍ら見ている分には本当にその筋の人である。

このおじさん(Nとする)は、いつ行ってもこの店でフリーを打っていた。どこの雀荘にも一人はいそうな、常連の1人であった。だがしかしそれによってさらに、Nさんはその筋の人なのではないかと思えてきてしまった。どう好意的に解釈しても普通の会社で働いているようには見えないのである。

Nさんと初めて同卓して分かったのは、このNさんは死ぬほど麻雀中に喋るということである。ほぼ麻雀の内容に関することであるが、

(テンパイ形を見て)「うわー36s止めたよ!」と手牌から5枚の36sを見せたり

(アガリ形を見て)「やっぱりそうだと思ったんだよねえ」と言ってみたり

まあよく聞く麻雀あるあるみたいな、そんなおじさんだった。
(こういう人、よく話には聞いていたけど出会ったのはこの平塚の某店が初めてだった)

自分に対しては好意的だった。どうなかかう文脈かは忘れてしまったが、せっかく来てくれた若い人は大事にしなきゃ、と店長に話していることがあった。どこか偉そうな感じがした。カモに出来ると思っていたのかもしれないがそれは分からない。たまに、不意に話しかけてくることがあった。

「何待ち?」「25pです。」「うんうん、そうだよな」

(退勤後のウエイトレスを見て)「兄ちゃん、あの子この後デートじゃないかね?」「ハハ、そっすかね」

まあよくわからないがただの子供だと思われていたということだろう。

このNさん、人に話しかけてくるだけではない。麻雀中に独り言をよく喋っていた。

「いやーこの6s鳴いてもいいんだけどツモられちゃうんだよな、チー!」
(自分を見ながら)やめてよ、ツモらないでよ!
「ツモ・・・」「あーやっぱり!」

「余計な鳴き入れるとリーチにつもられっから鳴かない」

(ヤミテンに放銃して)「いやーこれ鳴かなきゃ出ないんだけどね・・・そういう流れか」


昭和かよ!とツッコミたくなるくらいには流れ論を繰り出していた。



程なくして平塚の某店には行かなくなった。別にそのNさんがどうこう、というわけではないが、放銃して、どういう経緯で放銃に至って自分の手がいかに高いか解説するようなじいさんがいて、点数を要求すると「うるせえ!」とキレられたような経験や、他にもいろいろな客がいて、行かなくなってしまった。

ほぼ同時期に、町田の某チェーン店を見つけたのも大きかった。
アガ連というのがネックではあったが、平塚の某店で見たようなお客さんはほとんどいなかったし、何より場1500の麻雀が打てる一番近い場所はここしかなかったのである。

いろんな考えの人がいるが、流れ論をあそこまで前面に押し出して戦っていたおじさんはNさん一人しか今まで見たことがない。というか、日本プロ麻雀〇〇の放送対局の解説でしか聞いたことがなかった。

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片山先生の作品は偉大である。

最後に言いたいことはあるが、一旦ここで締めようと思う。

もうNさんと会うこともないであろう。

最近、偶然が重なってその雀荘に行った時、別卓で1000オールではなくテンパネした1300の申告を2,2,4,・・・と数えながらドヤ顔でしていた。

もしかしたら平塚にはこういう場末チックな雀荘しかないのではないか、という疑念が拭えない。誰かに否定して欲しい・・・。

次で最後にします。

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