全文書き起こし!『デジタル・トランスフォーメーション時代の"人"』③
イベント概要
e-learning award2019
ヒューマン・デジタル・トランスフォーメーショントラック
2019年11月13日(水)16:15~18:00
『デジタル・トランスフォーメーション時代の"人"』
デジタライゼーションが完遂され、以後の社会はDX(デジタル・トランスフォーメーション)時代と言われております。テクノロジドリブンの時代にあって、"人"はどうすべきか。キャリアデザイン・人材育成・組織管理・クリエイター、様々なHR業界の知見者にお集まり頂きそのあるべき姿を追いかけます。
登壇者
TANREN株式会社 佐藤勝彦(企画発案者・モデレーター)
株式会社ウェイウェイ 代表取締役 伊藤 羊一 氏
法政大学キャリアデザイン学部 教授 田中 研之輔 氏
株式会社 固 代表取締役 前田 鎌利 氏
株式会社morich 代表取締役 森本 千賀子 氏 ※順不同
ポイント
今、問われる『ヒューマン・デジタル・トランスフォーメーション』の在り方。/テクノロジー進化に伴い、人財育成、教育の世界はこれからどうなる!?/人財育成領域におけるデジタル・トランスフォーメーション成功事例
>>『デジタル・トランスフォーメーション時代の"人"』①
>>『デジタル・トランスフォーメーション時代の"人"』②
佐藤:いったんこのスライドの中で書かせていただいた内容のところで、三つ、4人の中でまとめていただきました。
ここでやりたかったオーディエンス、会場からのご質問、よろしいでしょうか。
佐藤:「ピープル・アナリティクスのところで、あれもこれもやろうとすると、お金も時間もかかり、設計している間に、どんどん人が辞めていきます。そこでお聞きしたいのが、まず押さえるべき情報があれば、教えてください」。
伊藤:まさにおっしゃるとおりで、そこに僕らもめっちゃ苦労して、どこやったらいいかというので悩みまくったところがあって、これは何やりたいかによってくるんだと思うんですけど、社員のコンディションが知りたいということだったら、サイバーエージェントさんのGeppoとか、めっちゃ簡単に入れられて、いい感じに変化が見えるからいいですよ。
佐藤:サンクスポイントが溜まるコミュニケーションアプリUnipos、かなり入り始めてますね。
伊藤:あれはめっちゃいいよね。組織化という意味では。
森本:簡単なんですけど、それも難しい…
DX時代こそ、「何が課題か」「何のために」に向き合う
Q. 人が介在する領域があるべき。全てを機械に委ねる事にはやはり抵抗は感じる。技術革新だけを追い求めるのではなく、今一度、当事者、主体、主人公は誰なのか?も考えたい。 人の役割、人財活用の方向性が変わる可能性はあると思う。 自分が期待している未来は『人を排除』ではなく『人とソフトウェアの融合』
Q. 組織開発の為にありがとうポイントなどのアプリを導入したいのですが、現場の社員が消極的です。 アプリの入力の負担や評価に使われるのではなどのハードルがあるようです。 そういった行動データを取られる不満や不安を突破するためには、どう取り組めば良いでしょうか? また良いアプリがあれば教えて下さい。
佐藤:質問は、そういった行動データを取られる不満や不安を突破するためには、どう取り組めばいいでしょう。入力の負担、評価に使われる…気軽に押すような設計になってるけど、それ押した途端に評価につながっちゃうと、ちょっと萎縮しちゃうというところの、裏側の諸事情もある。
伊藤:Yahooでも、1on1をちゃんとやってますかというアンケートをやったんですけど、「これ評価に使われると…」みたいなのあったんですけど、人事が相当言いましたね。「これ、評価には使わない」って。それは人事の宣言の姿勢だと思います。
佐藤:1on1というのは、個別に1人に対して、面談時間をあてがって、ちゃんと話してあげるということですね。何分ぐらい?
伊藤:基本、週1回30分取るようにって言ってます。
佐藤:何人ですか。
伊藤:結局、直属の部下は6人までって限定してます。
森本:Uniposは、本当に素晴らしいんですよね。これはある程度運用された結果が出るのが、少し時間たってからだと思うので、そこは本当にトップダウンだと思います。トップが本気でこれやるぞと。現場に浸透するその本気度。それを信じて、とにかく現場をやらせ切る。トップの本気が何より大事ですね。
Q. 教育業界においての考え方、現場の課題をどう繋げばよいかヒントが欲しい。次のステージやステップへ進むための成功事例を知りたい。
佐藤:「オフィス業界、教育業界においての考え方、現場の課題をどうつなげればいいか、ヒントがほしい。次のステップやステージに進むための成功事例を、もっともっと知りたいです」どうでしょうか。
田中:教育業界は、おりてくるDX、「上からのDX」、導入しなきゃいけないみたいなので悩んでるんですね。文科省が今、Society5.0をやってて、方針が決まる。テクノロジーがおりてくる。それを使わなきゃいけないみたいな。本当にそれはあるべき姿なのかというと、なかなか難しくて、「だったら紙でやったほうがいいよね」みたいなことが、現場では起きてて。無理強いって良くないと思うんですね。先ほどDXが人を幸福にするのかっていう質問が出てたと思うんですけど、幸福にしないんだったら絶対やらなきゃいいんですよ。
だけど、これはなかなか難しい。現場の人たちが、何が課題なのかを問わなきゃいけないと思うんです。「何が今問題なの?」っていうのは、すごくこれからの時代で大事なスキル。コミュニケーションスキルが、デジタル時代は大事って言われてたけど、DX時代って、何が問題なの?というのを、実はかなりの人が問えないと思う。特に組織の中にいると、文化的に刷り込まれるから、何が問題なのか分からないまま進んでいくみたいな。
Q. DXは人の幸福感を高めることにつながるのでしょうか?人はアナログなものに感動したり、幸福を感じると思います。
伊藤:これはYahooの中でも問われていて、インターネットは人を便利にしてきた。それはそうだ。幸せにしてきたかと言うと、そこまでは言えない。じゃあ、幸せにするのは何かという問いは、常にされてます。ただ僕なんかもデジタルでいろいろやってて、生活リアルに変わってくるわけです。ということは、幸せにつながるんですよね。ということで言うと、デジタルそのものが幸せにするということじゃないけど、デジタル活用して、今まで分からなかった体の変調とか分かるようになったら、絶対そっちのほうがいいじゃん、そういうことだと思う。ただ、インターネット企業は、今まで便利にすることばかり…RPAなんかまさにそうで、そういうところだけじゃなくて、幸福にするためにどうしたらいいかというところを、もっともっと考えるべきだなと、確かにおっしゃるとおり、思いますよね。
前田:アナログという観点でいくと、例えばカメラができたときに、美術業界がどうなったか。19世紀から科学の時代になって、印象派の絵がそれまでの写実主義から変わっていった。要は新しいアート領域が広がっていくわけですね。チューブ型の絵の具ができてきたから、外に出て描けるようになった、そういう革新的なことが起きたから、新しい表現方法ができてきた。IoTでまた新しい表現というのもできる。新しい表現というのは、デジタルを使った表現だけじゃなくて、アナログの新しい未来を表現することも、またできてくる可能性があるわけね。個を出していくという意味でも、可能性はおおいにあるところ。ライザップ的に目指すゴールに対して、みんなが腹筋割ろうぜ、シックスパックになろうぜじゃなくて、「俺はツーパックでいい」というやつでもいい。
佐藤:ほどよい感じ。
前田:そう。ツーパック目指したいな。じゃあ、ツーパック以外にも、他にも見せ方で、自分の美的感覚のオーダーっていうのは、あっていいと思う。
佐藤:人それぞれですよね。それに合わせられるんだと。
前田:新しいアナログの美的センスというか、アナログの良さというのも、僕はつくっていける時代になってきたんじゃないかと思う。
佐藤:VRで書道する女性の方が、いらっしゃいますよね。空間に書く、それも新しい書道の価値観だし、デジタルじゃないとその喜びはないということになりますよね。
誰のための1on1か。考え方のパラダイムシフトが重要
伊藤:ちょっと挟んでいい?1on1について、2問ほどあったので、まとめて答えちゃいます。「1on1やっても変わらない」という声が多数ということと、「嫌いな上司にやられるのは苦痛です」ということで、“1on1いまいち問題”というのは常にあって、どうするかということなんですけど。
Q. one on one を嫌いな上司にやられるのが苦痛です。アナログでもデジタルでもいいのですが社員が気持ちよくなる妙案はないでしょうか?
Q. 1on1をやってもらおうとすると、何を聞けば良いかわからない や、 毎週聞いても変わらない という声が多数。聞く項目を縛るのではなく、各マネージャーごとに考えて工夫して欲しいのですが、人事側としてできることはありますか?
そもそも1on1って何のためにやるかと言うと、上司のためでなく受ける側の時間ですというところを、まず徹底する。嫌いな上司にやられたとしても、「自分の話、聞いてください」と言って、自分の話を聞いてもらうようにするのが、まずは大事。
人事は、そういうことを全マネージャーに教育する。コーチング研修と、フィードバック研修です。コーチングとフィードバックをしっかり学べば、「俺が言ってることを徹底する場じゃなくて、質問する場なのね」というのを分かる。
人事の人からすると当たり前だろと思うかもしれないけど、現場の人たちは、「これ、ちゃんと伝わってるか」というのを確認する時間だと思っちゃってるところもある。考え方のパラダイムシフトを起こすべきです。
ちなみに全然関係ないんだけど、フィードバックはグッドもっとが大事。どういうことかと言うと、まずグッドポイントを言って、相手のモチベーションを上げることが大事なんだけど、改善点を言わないと成長しないじゃないですか。それをバッドで、「これ駄目よ」と言うと嫌になっちゃうので、「こうするともっと良くなるよ」というフィードバックをするだけで、相手はめっちゃ喜ぶ。そういうのを教えるだけでいいんですよ。
森本:私が支援してる会社さんで、チャットボットとかそういうツールをフル活用してる会社があって、すごく生産性が高いのかと思いきや、離職率があるところがすごく増えたんですね。
なんでだろうって言ったら、辞めていくときに、「誰々が嫌いだ」「誰々が嫌だ」とかネガティブなことを言って辞めていく人たちがたくさんいて、さっきの1on1を本当に実直にやり始めたんですよね。そしたら実は嫌いの背景って何かと言うと、その人を知らないこと。
過去のいろんなトラウマだったり、いろんな思い込み、それが嫌いだという感情につながっているということが分かって、実はよくよくお互いのことを知り合ったら、その感情がプラスに変わり、本当に離職率がものすごい早さで軽減したんですね。
佐藤:それって、昭和の時代から、Face to faceが重要だというところで、話せば分かるという観点に立ち戻っている感がありますよね。
森本:なので私は、チャットボットとか便利なツールもとても大事だと思うんですが、すぐ横にいて、本当は話したほうが、お互いの持ってるものを足し算じゃなくて掛け算にできるというので言うと、本当に使いようだなと。その作業に慣れてしまうと、横にいようが、後ろにいようが、全部そこの中でやり取りが完結してしまうので、そこが怖いなというのが…
伊藤:Face to faceは変えずに、プラスアルファでチャットボットとかオンラインを増やす。置き換えようとすると、それはクオリティー下がるんですよね。もう一つの質問にもあるけど、オフライン、オンラインということもそうで、オフラインのFace to faceに追加するものだという、この感じがあればデジタルもね、プラスにしかならないですよね。
DXで生まれた時間、コミュニケーションにどのような価値を生み出すか
森本:リクルートでもデジタルの導入を進めて、何が起こったかというと、時間が空いたんですよね。空いた時間をどう使うかということが、今あまり議論されてないというか。あるところで講演したときに、「morichさんが今まで一番うれしかったプレゼン何ですか」と聞かれたときに、私、直感で思い出したのが、息子からのメッセージカードだったんです。私にあてたメッセージカードに、プレゼンぽい紙芝居があったんですけど、ある意味本当にアナログで、ちゃんと手書きで「ありがとう」だったり、「おめでとう」だったり伝えたほうが伝わるものと、デジタルをフル活用してプレゼンテーションするものと、両方しっかりどの場面で、どういう効果を出すかを考えて使うべきだなと思いました。
Q.離職率って何パーセント位が適切なんですか?
佐藤:morichさん数値持ってるかもしれない、離職率何%程度が適切ですか。
森本:業種や成長ステージにもよるんですが、2桁を過ぎた頃からケアしたほうがいいかなと。辞めていく人たちの顔ぶれ、そこまで見ていくべきかなと思います。
佐藤:要因が何かしらあると。われわれのTANRENの中でも、「定着率が58パーセント上がったよ」というふうにNTT西日本さんから言っていただいたのは、まさにコミュニケーション量が違うと。一般的な会社の1.5倍ぐらいの予算と人員を追加して、さっきの1on1じゃないですけど、やりっぱなしにならないようにメンテナンスしてるということを、おっしゃっていただきました。そこまでやらないと定着率上がらないものですかね。羊一さんところは、何千人という出入り、見てらっしゃると思うんですけど、コツというか、どこが肝になりますか。
伊藤:まず2012年に経営陣が変わった。メッセージが変わったということですね。メッセージが社員の才能と情熱を解き放つ。経営目線から社員目線に変わったというだけで、随分それは強いメッセージになった。あとそのときに、矢継ぎ早にいろんな施策を打った。特に一番重要なのは1on1ですと。社員大事に、というところとつながったときに、離職率は激減しましたね。ただ、なまぬるくなると、これはこれで離職率増えていくだろうから、行ったり来たりだと思います。そこはバランス。
そももそ、自社のどの課題を解決するDXなのかに向き合う
Q. 予算や人の確保って世の中の会社はどう取ってますかね。経営層が乗り気じゃ無いと稟議出すのも段取りも一苦労です。良い名目があれば。
佐藤:大企業だったら予算があってIT化するのは当然だと思うんですけど、数百人規模の組織体では、なかなか予算も人も含めて思い切った行動ができないというのは、僕もよく聞く話かなと思っていて。1on1はお金かからないですけど、人がいない中で、そこまでの人数できないということになると、組織体として中堅どころの…
伊藤:やりようによっては、システムばっと入れ替えるというのは、ちょっとそこで金かかるかもしれないけど、できるかもしれなくて、これも宣伝みたいになっちゃうけど、SmartHRみたいなのって、かなり広範なHRデータを一元的に管理してるわけです。そうすると、バラバラ、マチマチ、グチャグチャみたいなのはなくなるので、そういうのをばっと入れ替えたら、自動的にデータたまってくるという感じにはなって…
森本:どこかのよーいドンですよね。投資のタイミングをどうするか。
佐藤:SmartHRは、僕らにとってはすごく旬なワードなんですけど、皆さんの中でSmartHR、ご存じないという方、いらっしゃるんですかね…そこそこですね。ぜひ調べていただければ。人事・労務のワークフローが改善されます。お役所に出す紙とかが要らなくなる。そこに打ち込めば全自動でやってくれるというサービスが、今めちゃ流行りしてます。
伊藤:というところから始まって、いろんな領域に…そういう意味で言うと、人事全般を便利にしていこうという感じでつなげたりしてるんで。
森本:あとはfreeeとかマネーフォワードとか、弁護士ドットコムがやってるクラウドサイン、この辺りは月額の料金もそんなに負担にならず、かつ業務効率がものすごい上がりますので、そこはぜひおすすめです。
佐藤:経理基盤をマネーフォワード、freee、クラウドサインで紙のやり取り、ハンコ押すのが要らなくなって、SmartHRで労務委託すれば、数百人規模だったら、むしろ見違えるように変われると思いますね。
伊藤:変わるし、データがたまっていく。
佐藤:次の打ち手が見えてくるというところですよね。
伊藤:今あるのをRPAでロボット化するだけでは、あまり意味ないなと思う。そうじゃなくてちゃんと自分たちでどうするんだって。コストダウンのためには “そもそも”っていう問いが大事で、その流れでいいのかというところがありきでないと。
佐藤:仕組み的にはエクセルのマクロが便利になっただけの話なので、新しいものは何も生み出してないということですよね。
田中:西海岸に留学してた経験があって、そのつながりでシリコンバレーのベンチャーと話すこともあるんですけど、あの人たちと日本の企業って全然観点が違うなと一つ思うことがあって、日本の中堅企業って、他を見てて、他が入れると入れるということをやってる。これ全然おかしくて、なんでかと言ったら、それぞれの企業で問題は違うはずなのに、今みたいな問いが出てくるわけです。
羊一さんが言ったように、「何が問題なんですか」ということは自分たちで書き出さないといけない。人がいないのか、離職が激しいのか、業務過多がどこに集まってるのか。それ問題全然違うから。
社長と話してて、「何やるんだっけ」という話を、ずっと壁打ちでやるんだけど。何が問題というのを問い続ける練習をTANRENでつくってください。(苦笑)
佐藤:まさにそこ重要ですね。TANRENは、前田鎌利さんと一緒に鎌利式プレゼンをコンテンツ提供してるのですが、著書である社内プレゼンの講義で最初に出てくるのは、パワーポイントとかスライドの作り方じゃないんですよ、徹底的にブレストを1時間はやる。その最初に出てくる内容は何かと言ったら、「あなたが社内プレゼンする上での、課題はそもそも何ですか?その中の原因って追究されてますか?」そのブレストが終わらなかったらプレゼン作っちゃ駄目とまで諭されます。
田中:それも問題優先度が高い順、問題緊急度が高い順から、これを解決するために自社で開発するのは難しいから、他社さんでやってるサービスはこれだなという探し方ですよね。
前田:見てくれよくするだけでは解決しないし、どこ見て仕事してるかで、結局上に対して、「こんなの入れました。パフォーマンスいいですよね」みたいなので金かけましたとエスカレーションされたところで、結局業績上がってないじゃん、何も変わってないじゃん。僕らプレゼンするときも全く一緒で、そもそも何が言いたいんだというのがない中で、きれいにフォント揃えたり、レイアウトきれいにしたところで、あんまり意味がない。
田中:本質論見つけないのに、「話題のHRテック入れると、改革するらしいぞ」って入れたら、よく分からない導入になっちゃいますよね。
伊藤:その必殺言葉が、今出てる“そもそも”ですよ。“そもそも”という言葉で、僕が一番びっくりしたのは、プロゲーマーの梅原大吾というのがいまして、「このゲームにおける強さとは何か」を常に問うてたそうなんです。
要するに「そもそもこの仕事をやる意味は、何なのか」って、それを言葉にして言うだけで、結構いろんな本質が…
もうちょっと別の観点で言うと、うちのYahooの安宅っていうCSOが書いた『イシューからはじめよ』はまさにそれを、解説してる本だったりします。
田中:考え方のところで言うと、デザインシンキングというのは、Googleとかで打ち込むと、いろんないい考え方のルーツを探れる、無料で。それはビジネスパーソンだったら、どんどん入れていって損は全くないです。
前田:僕はソフトバンクにいましたけど、UQさん行って。UQさんで現地現物を見るんだっていうので、一緒に回って、店頭を見る。そのときに、携帯業界って一緒なとこを見たって、あまり答えはない。どこ行くかというと、異業種に行く。例えばレクサス。そうすると、何が違うって、じゅうたんが違う。最初にドア開いて、踏み込んだ足の一歩目のときに、どう感じるか。これってどの携帯電話の事業所行っても、ロゴが違うだけで全部一緒なの。おもてなし感は、全く違うわけね。そういう差別化ができてるかどうかだけ、知るだけでも、全然現場は変わってくる。結局同業他社見たって、金太郎あめしか出てこない。どこ見るか、どこを知るとユーザーは満足するか、どういう人をターゲットにしたいかというのが、結局考えられてないと、なんの解決策も出てこない。
田中:あわせて社員の幸福度も上げる。顧客と社員。
グローバルに打って出る、人材の力を引き出すためのDX
Q. すべてのものがインターネットに繋がる世界、どうなるかわからないけどめちゃくちゃワクワクしますね!!
Q. 海外で活躍する人材を育成するポイントは何か。
佐藤:「全てのものがインターネットにつながる世界、どうなるか分からないけど、めちゃくちゃワクワクしてますね」、というところから、」海外で活躍する人材を育成するポイント。」やはり世界観が見せられるところと、見せられないところということで、日本の突出した才覚は何かというのを定義するというのが、話でも触れてましたけど、その辺ってヒントなんですかね。グローバルに打って出るには。日本の特徴点って何だろう。日本人って、何が強いんでしょう。
田中:あんまり机上の話しちゃいけないんですけど、ベンチャーで行って、アメリカで支社建てて、うまくいかなくて戻ってきちゃうみたいな話が結構あって。苦労はしてますよね。
森本:本当なかなか育たないんですよね。
佐藤:何でしょう、パッションなのか、そもそも見てる世界観が小さ過ぎる話なのか。
前田:僕、海外、年に4、5回行って、書を書いてくるんですけど、例えば、イギリスのグリニッジ天文台に行って、標準の子午線の上で書こうと思って、紙広げて書きたいでしょ。事前に許可もらおうと思うと、結構うるさい。でも実際に行って、そこでダイレクトに交渉したら、「ああ、ここでやってよ。盛り上がるから」って。その交渉力というのは、すごく大事だと思って、行って、ちゃんと自分でやりたいと思ってることを、アクションしてみる。それがどれだけ数をこなせるかとか、経験積めるかというのは、大事なポイントじゃないかと思う。やりもしないで、なんか駄目だっていうのが一番よくない。
森本:確かに海外人材で言うと行ったか行ってないかが、実は結構大きくて。行ってそれを乗り越えた先、次別のエリアに行ったとしても、最短コースでクリアできる。私が2年ぐらい前に、あるシンガポールの日本メーカーの工場なんですけど、その工場長が日本人の方で、何をやったかと言うと、日本って整理整頓が他の国と比べても秀逸なんですけど、アジアの他の国ではそんなに掃除したりなんだりって、ないそうなんですね。でもそれを伝えるのって、日々言っても分からないので、「ここにはほうき」「ここにはバケツ」とかわかりやすく写真を貼って、「必ずここに置きなさい」と。ある種のアナログなんですけど、それを徹底してやったら、みんな本当にやってくれて、日本と同じような形で整理整頓が進んだっておっしゃってた。
佐藤:おもてなしの精神と、細かいところの気遣い。そういうところも、データで拾って、「あなたの特徴点は、そこなんだから」と言って、突出してそこを磨くことができるならば、結構いけるかもしれない。
佐藤:それ以前に、0秒で動けってことですよね。ややもすると、全部ひっくるめて、0秒で動けば解決するよ!!って(笑)
伊藤:違うでしょ(笑) 皆さん、お分かりだと思うけどデジタルか、アナログか、じゃないというのはそんなの決まってるわけで。じゃあ、デジタルとアナログってどう考えればいいのか、というと、人間、というアナログをより生かすためのデジタル、と考えましょうということかな。小さなところからでいいので。
佐藤:そういうの踏まえて、どうでしょうか。
先ほどタナケンさんからもありましたので、日々是鍛錬である!
では、これで締めたいと思います(笑)
ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
Special thanks !! @Mayumi Kamio
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