私が憧れる生き方【英進館社長:筒井俊英さん】

時たま、もし自分が今の仕事とか年収とかそういった諸々の全てを捨てて、何事にでも挑戦してしても良いと言われたら自分は何をするだろうかと考えることがある。

筆者には、密かに羨ましいと思う人物がいる。物凄くマニアックな話になってしまうのだけれども、英進館という九州では有名な進学塾の社長の筒井さんという方の生き様に憧れる。
英進館グループ代表の想い|医学部予備校メビオ (mebio.co.jp)

この人の経歴はユニークで東大工学部を卒業した後に、九州大学の医学部医学科に入り直し、その後内科として勤務した後に、英進館の社長に就任した人物である。(記事によると、最初は医師を全うするつもりで想定外の事情により社長に就任したとのことであるが)
日本はとかく横並び主義なので、このような人生はレールを外れているとか、普通じゃないみたいな否定的な意見もあるだろうが、筆者の場合はこれまで色んな面で人生失敗してきたので、特殊な生き方に対する耐性が出来ており、特に何とも思わない。

彼の人生は筆者にとって以下のポイントが理想的だ。

①まずは、東大に入学して卒業している
→このことによって最初から医学部に入学するよりも東大コンプレックスというか東大も良かったかもと思わなくても良い。
東大は医学部と違って、18~20歳の年齢で入学することに意味があり、医者になった後に東大生になっていた自分を想像する必要がなくなる。

②医師免許を取得することで、生活の最低ラインを確保することに成功している点
→一旦医師免許さえ取得してしまえば、その後途中でレールを外れたとしても自由診療やバイトで最低限の生活資金を確保することが出来る。勿論、医学部教授のような積み上げが必要なポジションに就くことは難しいかもしれないけれども、筆者の場合はそこには一切興味がない。
また社会的なステータスという観点でも、医師免許を取得していることで最低ラインは余裕で超えているだろう。
更に塾講師をしていく上では、東大と九州大学医学部に合格した経験は少なからず活きるはずである。

③受験産業に携わることが出来ている点
→一番羨ましいのはこの点である。筆者がこれまで一番楽しかった仕事は、塾講師のバイトである。大学時代はずっと塾講師をしていて、数学と英語を担当していた。生徒に数学を教えたり、時には一緒になって数学の問題を考えたり、はたまた特定の大学の数学の入試の傾向の分析したり。。。
また数学の入試問題の解答作成にも携わったことがあった。
これらの受験産業関連の業務は確かにそこまでお金にはならないし、社会的な地位も得ることは出来ないのだけれども、それでも今現在筆者が従事しているブルシットジョブの何倍ものやりがいとか喜びを筆者にもたらしてくれた。
もし自分が世間体とかお金とか将来のこととか何も考えなくて良いのであれば、筆者はきっと数学の塾講師をしていたと思う。
ただそれでも数学の塾講師だけではなかなか生活もままならないと思うので、そこで先ほども述べたような医師免許が活きてくるのである。

今の業務も勿論回りまわって誰かのためにはなっているはずである。それは間違いない。それでも誰かの笑顔とか感謝の言葉とかそういうのを直接感じる機会が少なすぎる。その点、塾講師は、勿論嫌な時もあるだろうが、それ以上に楽しい時、うれしい時が(当時の)筆者にはあった。

また純粋に入試の動向を追ったり、入試問題を見たり、解いたりすることが好きなのだと思う。じゅそうけんさんや阿修羅さんなどの有名人と根本的には同じところがあるのだと思うのだが、筆者には彼らのような勇気がなかったのと、少しばかりお金とか世間体を気にしてしまっているかもしれない。

④九州を本拠としている点
→ここは結構重要なポイントだと思う。
東京にいるとやっぱり大学時代の友人の目とか会社の同僚とか色んな人の目が気になってしまうと思うし、何より東京ではそのような自由な生き方は少し恥ずかしくてなかなか踏み切れない。
けれども筆者にとって全くもって縁もゆかりもない九州に行けば、もう何というか周りのことは気にせず好き放題生きていけるのではないかという思いがある。
福岡には旅行で何度か行ったことがあるのだが、本当に素晴らしい場所である。
朝早く起きて大濠公園をランニングし、糸島で海鮮を食べ、はたまた大分の由布院までドライブで行ったりもしたのだが、どれもとても素晴らしい体験であった。
九州は空港が近くて交通の便も良く物価も安くて、後は女性も言われている通り綺麗だった。東京のように競争も激しくないだろう。
観光客の立場でしかなく、実際に住んだわけではないので浅い感想しか出ないのだが、何となく東京よりは住み心地が良い気がした。何より筆者は関西の郊外の大きな戸建てで育ったこともあり、東京の豚小屋みたいな小さなマンションにはうんざりしている。

塾講師に加えて、もし時間があるのであれば、公認会計士の試験に挑戦したり、後は時間があれば本の執筆とかもしてみたい。
本当は足かせが何もなければ挑戦してみたいことはいくらでもあるのだが、現状筆者の勤務先は副業も禁止されているので、そのような挑戦は認められていない。

筆者は、外銀や外コン更には総合商社、官僚、医者のような東大卒が就きそうな職種に就いているわけではなく、日系の金融機関で細々とブルシットジョブに従事している。かといって世間的に見れば年収とか社会的地位の観点では、決して悪くないのでこれを捨てる勇気も出ないのである。実に中途半端なポジションである。筆者がもし今この年で本当にフリーターであれば、それはそれで悲惨なのでブログは書いていないかもしれないし、社会経験の乏しさから大した書く内容も無いだろう。

逆に今、フリーターで何も失うものが自分になければ、自分もきっとどこか九州地方の医学部を再受験しているはずである。

人は皆こうやって、他の人生を想像してしまう生き物なのだろうか。