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ダノンスコーピオンのハミを考察する~ホートンハミ~


松本倫太朗です。

先日のNHKマイルCを制したダノンスコーピオン(鞍上:川田将雅騎手)の「ハミ」について考察してみました。


ダノンスコーピオンの癖

新馬戦、萩ステークスと連勝を飾ったダノンスコーピオンですが、とある癖がこの馬のポテンシャルの高さを発揮できない印象でした。


以下は新馬戦時のパトロールビデオです。
(閲覧にはレーシングビュアーの登録が必要です。JRAのホームページでは無料で閲覧可能)

レースでは、追われて「さあエンジン全開!」といきたい場面でモタれ、前の馬を交わすまで少し時間を要しました。ゴール直前で差し切ったものの、課題の残る内容でした。

勝ったのに「加速遅い」の特記が…


2戦目の萩Sでも新馬戦時と同様の場面で外にモタれたものの、何とかキラーアビリティを交わすことができました。


しかし、4戦目の共同通信杯の最終追い切り時に、かなり内にモタれる面を露呈しました。

この時、川田騎手は「調子があまりよくない」というコメントを出していました。

レースでは、「さあエンジン全開!」という場面でモタつき、伸びあぐねて7着。ダノンスコーピオンらしくないレースでした。
調教でモタれたことで、納得のいく調整ができなかったことが敗因の1つだったと考えます。


ホートンハミに変えてみて…

モタれる面を克服するため、アーリントンカップでトライアハミからホートンハミに変更していました。

画像はトライアハミ。
このハミの詳細は「おまけ」で書いているのでそちらをご参照ください。


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ホートンハミ装着馬 Photo by Rumi Enokdia

ホートンハミはノーマルハミのハミ身に四角型(スクエア型)リングを溶接したハミ。

口角と下顎の2点で馬をコントロールするため、制御力が非常に強いハミ。

効果が高い反面、騎手の技量が必要。

使用頻度は非常に低く、1週間に1回見ることができればラッキーです。

レースでは左にモタれる面を見せていました。しかし、ゴール直前ではこれまでのレースと比較して真っすぐ走ることができており、「ハミを変えた効果があった」と言えます。



そして今回

NHKマイルカップでも、引き続きホートンハミを装着していました。

☝JRA公式YouTubeのサムネイルでも、「あ、ホートンハミだ」と確認することができますね

レースでは、残り400m付近で鞍上のGOサインが出されて加速。坂を上り切った地点で少し内にモタれました。しかし、過去のレースと違って矯正することができ、後続の追い上げを振り切りました。
ハミを変えたことだけが勝因ではありませんが、勝因の1つであったことには間違いないでしょう。


ホートンハミ、データで買うなら…

ホートンハミの扱いが巧い騎手

レアなハミなので、サンプル数は少なめですが、北村友一騎手(現在は負傷のため離脱中)の騎乗する馬がホートンハミを着けている際は人気薄でも要注意です。

2013年から15回騎乗して成績は【5-0-2-8】5勝全て別の馬という点を評価します。特に、ハミ変え時(他のハミ→ホートンハミ)は【2-0-1-1】と馬券圏外は1回だけ。これを満たした時は"買い"です。

おまけ

カワキタレブリーの激走を考察する

1走前のアーリントンカップでは、4コーナー出口で先頭に並びかけましたが、内と外に蛇行して後退。

今回のNHKマイルカップでは、ノーマルハミからトライアハミに変更していました。

これがポイントになったと考えます。

トライアハミ


主に引っ掛かる馬や、舌がハミを越して正しいハミ受けをしない馬などに使用します。扱い方が難しいハミで、操作の仕方を間違うと口向きが悪くなったり口が硬くなってしまうことがあるので、乗り手の技術が必要なハミのひとつです。

トライアハミの説明

直線に入ってスパートが掛かってから蛇行することなく、しっかりとしたフットワークで強襲。僅かに及びませんでしたが3着と大健闘しました。

後ろから溜める競馬がうまくいったのは確かですが、ハミを変えて真っすぐ走れるようになったことも今回の好走に繋がったとみます。


ちなみに…

以下はカワキタレブリーを管理する杉山佳明厩舎の全成績とトライアハミ時の成績。トライアハミ時は全成績と比較して好走率がアップしています。

「杉山佳明厩舎×トライアハミ」は勝負駆け?と捉えてもいいかもですね。

2021年3月開業後~2022年5月1日まで


ハミのデータは、予想支援ソフト「GG(ゴールドジェネレーター・金の成る木)」で分析していただけます。




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