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馬具図鑑

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橋浜保子が競馬で使用されている馬具の解説をします。
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3/16(土)阪神5R 1番人気馬チェック

コンテンツ一覧はこちら 阪神競馬5R 単勝1番人気の3番テイクザクラウン(2.2倍)は、デキよく距離向き勝ち負けだが、他の有力馬との差僅かだけに連軸が正解かも。 ワンポイント 上位馬横一線 3テイクザクラウンが1番人気の場合 吉村圭司×キャニオンファーム土山(帰厩1走目) 総数2勝率100.0%連対率100.0%3着内率100.0%単回率260.0%複回率145.0% 4コンフェルマが1番人気の場合 寺島良×ノーザンファームしがらき(帰厩1走目) 総数30勝率40.

ダノンスコーピオンのハミを考察する~ホートンハミ~

松本倫太朗です。 先日のNHKマイルCを制したダノンスコーピオン(鞍上:川田将雅騎手)の「ハミ」について考察してみました。 ダノンスコーピオンの癖 新馬戦、萩ステークスと連勝を飾ったダノンスコーピオンですが、とある癖がこの馬のポテンシャルの高さを発揮できない印象でした。 以下は新馬戦時のパトロールビデオです。 (閲覧にはレーシングビュアーの登録が必要です。JRAのホームページでは無料で閲覧可能) レースでは、追われて「さあエンジン全開!」といきたい場面でモタれ、前

メイケイエール 馬具変更 シルクロードステークス2022

photo by Rumi Enokida 橋浜保子です。 シルクロードステークスでは、馬装具の変更があったメイケイエール(牝馬 4歳 武英智厩舎 父ミッキーアイル 母シロインジャー 母の父ハービンジャー 生産者ノーザンファーム 放牧先ノーザンファームしがらき 馬主: 名古屋競馬)が見事な変わり身で勝利を手にしました。 4つの馬装具からレースを振り返ります。 1 ビットガードを外す今回は桜花賞からスプリンターズステークスまで装着していたビットガードを外してきました。

JRDB馬具図鑑~ビットガード~

ビットガード馬具表記「ビ」photo by Rumi Enokida 2019年10月20日 京都11R 菊花賞 優勝馬 ワールドプレミア 特徴:ハミ身に装着するゴム製の頬あて。馬が口を開けた時にハミ(かん)が口の中に入ってしまうような馬に装着します。また、口角が傷ついているような馬にも使用します。 ビットガードを装着することで、口角への口当たりが柔らかくなり、馬は心地よくハミを受け入れることができますが、その反面、気性勝った馬や、口向きに問題がある馬は引っ掛かる危険性

JRDB馬具図鑑~ブローピース~

ブローピース馬具表記「b」 特徴:頭絡の額革にボア状の馬具を巻き付けて、上の視界を制限したもの。頭を上げたり、上の視界を気にする馬に装着します。 使用頻度は低い馬具です。 昆厩舎はチークピースと短いブローピースを併用することが多いです。 2017~2019年厩舎別ブローピース装着時成績 (データは2017年1/5~2019年12/28の期間が対象) 2017~2019年騎手別ブローピース装着時成績 (データは2017年1/5~2019年12/28の期間が対象)

JRDB馬具図鑑~ホライゾネット~

ホライゾネット馬具表記「網」 photo by Rumi Enokida 特徴:目の周りをネットで覆ったカップ状の馬装具で、走行中に砂が目にかかるのを気にする馬に使用します。また、馬の視野を狭めて暗くするので、パドックや返し馬で煩い馬を落ち着かせたり、レースで気持ちを集中させるために使用します。 2019年のCBC賞を優勝したレッドアンシェルはパドックと返し馬でホライゾネットを着用していました。 2019年厩舎別ホライゾネット使用率ランキング (データは2019年1

JRDB馬具図鑑~キネトンノーズバンド&レバーノーズバンド~

キネトンノーズバンド馬具表記「キ」 特徴:ハミ身と鼻革を連結させる構造のノーズバンドで、ハミの位置を正しく保つ目的で使用します。引っ掛かりやすい馬に装着することが多く、騎手の熟練を要する馬装具のひとつでもあります。 クロス型のノーズバンドに比べると使用頻度は低く、パドックと返し馬でのみ使用することもあります。 2017年~2019年厩舎別キネトンノーズバンド装着時成績 (データは2017年1/5~2019年12/28の期間が対象) 2017年~2019年騎手別キネト

JRDB馬具図鑑~ノーズバンド

ノーズバンド馬具表記「N」photo by Rumi Enokida 特徴:正しいハミ受けができない馬や、口を開けすぎる馬、上唇と下唇を交差させる馬などに効果があります。 写真のようなクロス型のノーズバンドは、鼻腔の圧迫が少ないため、数あるノーズバンドの中でも、馬の呼吸を妨げにくいものの一つです。 2019年の菊花賞を優勝したワールドプレミアはノーズバンドを着用していました。 2019年厩舎別ノーズバンド使用率ランキング (データは2019年1/5~12/28の期間

JRDB馬具図鑑~舌くくり~

舌くくり馬具表記「舌」photo by Rumi Enokida 特徴:舌がハミを越してしまう馬に使用します。 また、レースで舌を引っ込めて気管をふさいでしまう馬にも効果があります。 主に包帯や、革のバンドを使って舌を固定します。 2019年の高松宮記念を優勝したミスターメロディーは舌くくりをしていました。 2019年厩舎別舌くくり使用率ランキング(データは2019年1/5~12/28の期間で出走回数10回以上が対象) 2019年舌くくり使用時厩舎別勝率ランキング飯

JRDB馬具図鑑~チークピース~

チークピース馬具表記「ち」photo by Rumi Enokida 特徴:頭絡の頬皮にボアを着けたもので、後方や側方の視界を遮断し、レースに集中させるのが目的です。実戦で気にする馬も多く、使い方が難しい馬具でもあります。 2020年の阪神スプリングジャンプステークスを優勝したオジュウチョウサンは、障害レースに転向して2戦目以降、チークピースを着用しています。 2019年厩舎別チークピース使用率ランキング (データは2019年1/5~12/28の期間で出走回数10回以

JRDB馬具図鑑~シャドーロール~

シャドーロール馬具表記「鼻」 photo by Rumi Enokida 特徴:脚元の視界を遮ることで、自分の影やハロン棒の影などに驚く馬の恐怖心を取り除くために使用します。 また、下方の視界が制限されることから、頭の高い馬のフォームを矯正するために使用することもあります。 2019年の天皇賞(秋)を優勝したアーモンドアイは、新馬戦からシャドーロールを着用していました。 photo by Asami Nakazawa 2019年厩舎別シャドーロール使用率ランキング

JRDB馬具図鑑~ブリンカー【2】

ブリンカー2では、馬具データを確認したり、分析ができる「ゴールドジェネレーター(金の成る木)」を使って、さらにデータを深く分析していきます。 photo by Rumi Enokida ブリンカー着用×単勝人気別(1~5番人気or6番人気以降)×芝・ダート別×馬脚質別成績「6番人気以降×芝×馬脚質が先行」を満たしている条件が好成績を残しています。勝率は3.5%と高くない数字ですが、単勝回収率は115.3%をマークしており、爆発力があるデータです。 (データは2017年1

JRDB馬具図鑑~ブリンカー~

photo by Rumi Enokida 橋浜保子です。 ハミの説明が終わりましたので、今日からその他の馬具を紹介していきます。 ブリンカー馬具表記「ブ」特徴:目の周りに装着する、カップ状の馬装具です。 素材は合成ゴムや、プラスチック。視界の一部を狭めることで、怖がりな馬を走らせることに集中させる効果があります。 気性や癖、枠順などにより、ブリンカーのカップの深さを調節します。 また、口向き等の関係で片側にヨレる馬は、片方だけブリンカーを装着することもあります。

JRDB馬具図鑑~ハミ編【19】てこハミ~

橋浜保子です。 ハミ編は、今日が最終回です。 てこハミ馬具表記「テ」 photo by Rumi Enokida 特徴:片側のハミ枝が長く、その先に連結した小さいハミ鐶と手綱を連結させたハミです。ハミ身は革で覆われおり、ハミ鐶の内側に頬あてがついています。 てこの原理を利用しており、内にササる馬や、片側にモタれる馬に効果があります。着用方法は、右側にモタれる馬であれば、ハミ身が長い方を右側に装着します。 ただし、手綱の操作が難しいハミなので、騎手は熟練を要します。