タンパク質摂取と骨

Protein intake and bone 

Bonjour J-P, Ammann P, Chevalley T, Rizzoli R. Protein intake and bone growth. Can J Appl Physiol. 2001;26(S1):S153–66.

Abstract

骨粗鬆症に関連する栄養素の中でも、タンパク質は骨の発達に重要な役割を果たしており、骨量のピークに影響を与えています。その結果、発育期のタンパク質の栄養不良は、骨粗鬆症や後の骨の脆弱性に起因する骨折のリスクを増加させる可能性があります。動物とヒトの両方の研究から、タンパク質の摂取量が少ないと、成長期の骨量の獲得と成人期の骨量の保存の両方に悪影響を及ぼす可能性があることが示唆されています。

低タンパク質摂取は、IGF-I(インスリン様成長因子-I)の産生と作用の両方を低下させます。IGF-Iは、骨端板の軟骨細胞の増殖と分化を刺激し、骨形成にも必要不可欠な因子であり、骨の縦方向の成長にも重要な役割を果たしています。また、成長期の正常な骨格の発達や骨のミネラル化に必要なカルシウム-リン酸代謝の調整にとっても重要な因子と考えられます。

健康な小児および青年では、腰椎、大腿骨近位部、および大腿骨中位軸において、摂取タンパク質量と骨量増加との間で男女ともに正の相関が認められました。この関係性は、思春期前の子供において特に顕著であると思われます。このことは、カルシウムの摂取や体重負荷のかかる運動に対する骨の反応と同様に、骨格は思春期の成熟期に入る前の数年間にタンパク質の摂取の影響を特に受けることを示唆しています。

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