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今日の相場見通し(6/19)~金融政策大盤振る舞いステージの終了?~

①相場振り返り&見通しディスカッション


H「EURGBP見てよ!週初に言ってた通りの展開になってきてる!!レンジを抜けてきたから、まだまだ伸びるよ!」

S「開口一番でEURGBPね。笑 おれら基本的にはドル円について議論するスタンスだけど、先週の週間相場見通しでは、わざわざEURGBPのレンジブレイクトレードを書いたからね

H「昨日のBOEはQE増額は予想通り。むしろQEペースは減速、年末に終了、今年の景気見通しを5月時点からやや上方修正、マイナス金利議論なしなどと全体的にタカ派トーンだったね。発表直後こそ買われたGBPはその後すぐに売られた。Gilt(英国債)はずっと弱含んでたけど」

U「ノルゲスバンク(ノルウェー中銀)も昨日の決定会合で利上げ見通しを2022年4Qに前倒しするなどタカ派寄りの印象だった。やっぱりマイナス金利やYCCの導入はかなりハードルが高そうで、そうなると中銀は市場期待以上に金融緩和を提供する金融政策大盤振る舞いステージは終わりなのかもしれない

S「にしても、BOEはノルゲスとは違って、Brexitという爆弾を抱えていて、すでに移行期間延長の選択肢は消えてる以上、ハードBrexitリミットの年末まであと半年程度しかないのに。それを考えたらBOEはもう少し慎重姿勢を出しても良かった気がするよね」

H「だからもうBOEには不信感しかない。結局GBPがすぐに売られたのはそういう不信感からの売りだと思う。EURGBPは伸びると思う!」

U「金融政策の追加的な効果に限界が見え始めている以上、やっぱり注目は財政に移ると思う。アメリカも、トランプの支持率は低迷しているが、一昨日のハワイ会談からもまだあきらめてないと思うから、コロナ禍を利用して一発逆転の財政をぶっこんできそう。ユーロ圏も、昨日はドイツメルケル首相から夏休み前の復興基金合意を呼びかける動きがあったし、一昨日はフランスからも同じ発言があり、今日はラガルド総裁がユーロ圏で不況対策の合意がなければ市場リスク高まると警告してた。ユーロ圏も何とかここ1-2カ月でユーロ復興基金の合意をめざそうとしてる。もし株が上に抜けていくなら、やっぱり財政ネタになってくる気がする」

H「そうだね、ネタ的には財政が可能性高そうだね。ただ、ポジション繰りの話だと、今は株を小ロングしてるけど、今週初の動きもあるので週末リスクはもたずに落としたいと思うんだけど、どう?」

S「賛成、俺もそうしたいと思ってた。すでに先物ベースで1%以上上昇しているから個人的には寄りで売りたいくらい。今日は欧米のオプション・先物満期日で、これまで上昇してきたサポート要因のひとつはこれ。今日でポジションが一旦クリアになるから来週はニュートラル目線でスタートだし、来週半ばからは月末に向けたリバランスの動きも加わってくるけど、このままいくと今月の株式からのアウトフローははかなり大きい。そういう意味でも一旦今日はクローズしたいね」

U「俺も賛成。今のヘッドラインはコロナ関連中心だけど、基本的に時間に比例してリスクが増すので、週末リスクはとる必要がないと思う。仮にコロナ感染のスピード鈍化のニュースが出ても、それで月曜日から窓開け上昇って感じではないだろうし」

K「株は依然上昇トレンドをキープしているけど弱くなってきているので、一応注意しておいた方が良いと思ってるよ」

H「債券はそのまま小ロングキープで週末でいいよね?」

全員「異論ないね」

S「ドル円はノーポジだけど、昨日も引き続き逃避通貨買いで円買いが進んでたね。リスク性資産は底堅い動きをしている一方で、為替ではEMが大きく打たれ、逃避通貨が買われるなど、ちょっと市場間の動きがちぐはぐで気になる」

K「ドル円のトレンドは、すでに下降トレンド入りしている状況。金利とも同じ方向を向いていて、このトレンドの今後の強弱変化に注目してる」

U「まあ、また週末見通しでリセットさせるので、ドル円についてはまた週末考えましょ。あ、今日のイベントはSが言ってた米欧オプション・先物満期に加えてEUサミットもあるので、復興基金ネタのヘッドラインに注目ね


②結論

株の小ロングを利食いニュートラルに、債券は小ロングをキープ
・為替はポジションなし
 ※EURGBPはレンジブレイクトレード成功!引き続き上昇見通し!


(参考)相場振り返り(6/18海外、6/19国内)

(6/18海外)米国株はもみ合い、S&P500は小幅高もNYダウは小幅安。引き続きコロナ第二波懸念がくすぶる中、フロリダのコロナ患者増加やテキサスの入院患者増のヘッドラインが出ると一瞬反応もすぐに戻し、市場がやや慣れてきた印象。週間の新規失業保険申請件数、継続受給者数とも前週からは改善も市場予想ほど改善せず。その他のニュースでは、米最高裁がDACA制度撤廃を阻止、ボルトンがTVで「トランプ氏はホワイトハウスにふさわしいと思わない、大統領職を執行する能力があるとも思わない」と発言など。米金利は前日の流れが継続しブルフラット。20年入札を終え需給環境が改善した超長期が強含んだ。為替市場では逃避通貨買いが進行し、特にEM通貨が大きく売られた。ドル円はいずれも逃避通貨扱いとして狭いレンジに終始し、107円前後の値動きとなった
6/18は欧州各中銀の決定会合が開催された。BOEの決定会合では政策金利は据え置かれた一方、1000億ポンドのQE拡大が決定された。ただQEのペースは減速、経済見通しは5月から小幅上方修正、マイナス金利は議論せずなどの内容からタカ派的と解釈され英金利上昇。スイス中銀も政策金利は据え置きにしたが、フラン高抑制のために為替介入を継続する意向を表明。ノルウェー中銀も政策金利は据え置いたが、前回から見通しを上方修正させ、2022年4Qの利上げ想定に前倒しした


(6/19国内)日本株はTOPIXは続落、日経225は反発。前日は逃避通貨買いで全般的に円高が進んでいたことから輸出関連などが弱含むも、大きな材料がない中で膠着相場となった。TOPIXが売り優勢で前引けマイナスとなったことで、後場は日銀のETF買い入れ期待もあり、後場寄り以降は引けまで値を戻す展開となった。東京時間の為替も小動き。1ドル107円前後20-30銭程度のレンジ推移となった



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