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今日の相場見通し(6/18)~ボルトン氏著書~

①相場振り返り&見通しディスカッション


H「一進一退の値動き。次の材料でどっちかに強く動くまでは、雇用統計後の高値とFOMC後の安値のレンジ相場かな。見てると急に上がるんだけど、すぐに下がったりしてボラが高止まりの印象

U「コロナ第二波、香港問題、BLM(抗議デモ)、ボルトン氏著書など、どちらかというと潜在的なネガティブヘッドラインリスクが多くて、積極的には手を出しにくい感じ」

S「昨日の米株も結局はテキサス州の入院者急増とボルトン氏著書の内容報道でリスクオフだからね。レンジ圏内でコロナと政治のヘッドラインに降らされる展開。まあ、でも下は拾う人たちがそれなりにいそうで、大きい材料が出ない限りは崩れそうで意外と崩れないかもね」

U「先週末に重要スケジュールに挙げた国家安全法審議の話、今週に入り、今日の審議は見送るという話になっていたんだけど、結局審議見込みだと。昨日のG7外相が国家安全法に対して「重大な懸念」を表明したから、対抗した動きかな。いずれにせよ米中問題にも引き続き注意」


H「Uの話のとおり、リスクイベントとしては下方に分があるように感じる。逆に上に抜けていくリスクイベントはどうかな。やっぱり政策ネタかな。」

S「意外と上に抜ける時は何もない時かもね。下方向のリスクイベントが多いからみんな下を意識してる中で、気づいたら株価は雇用統計後の高値を抜けちゃったりすると、また買い遅れを巻き込んでのモメンタム上昇になりかねない。笑」

H「そういう意味では株の小ロングはキープしておいて、仮にリスクイベントで下に行けばその時にポジションクローズして、状況次第でショート作る感じかな。金利はどう?」

U「うーん、まあ引き続き米10年金利はレンジ継続だよね。ただネガティブサイドのリスクイベントがいつ起こるかわからないから、金利上昇した際は、今の小ロングから中ロングまで積んでおきたいな

S「超長期はどうだろう?昨日は20年入札が強い結果に終わり、一旦、フラットニングで反応して、今日もそのフォロースルーが入ってる形だけど、再度株が上昇するときは、結局スティープニングなのかな」

U「カーブに関連した話だと、YCCはかなりトーンダウンだね。パウエル議長はじめFedメンバーの発言を見てると消極姿勢が目立つ。すでにドットチャートで短期ゾーンは完全につぶれているので、この状況でフォワードガイダンスやYCCをやっても政策効果は限定的だし、変に市場に期待させるのは良くないしね」

S「そうだね、そうなると金融政策の本筋はQEだと思うけどさ、今って財政拡大→国債大量発行→スティープニング→QEで抑えるという構図でしょ?
ただ問題はQEの目的が超長期を抑えることではないから、このままいくと、もしかするとずるずるスティープニングが続いちゃう可能性はあるよね」

U「たしかに。そうなった時に中銀がどこかで超長期金利を止めに入るのかどうか。例えば米30年が2%に行ってしまったら、超長期を抑えるためのQE調整をするのか。利下げの催促相場ではなく、スティープニングを受けたQE催促相場の可能性も十分ありえるね

S「OK、じゃあ株・債券(10年)ともに小ロングをキープしよう。為替は引き続きポジションなしだけど、どう?ドル円は少し崩れて106円台つけたりしてるけど」

U「リスクイベントを考えると円高ポジションかな。最近は逃避通貨としてスイスフランが結構買われてるけど、先ほどスイス中銀の決定会合で自国通貨が高いと言って、為替介入継続を強調する発言があったのでやや攻めにくなったかもしれないが、それに比べると円はまだ余地があると思う。ただ、すぐに走るような燃料がたまってる感じもしないので、やるならどこかで小さく円ロングを拾って構えておく感じかな」


S「俺もどっちかと言えば円ロングかな。今の相場はリスクオンになってもしっかり円安ドル高に振れてくれる自信がない。一方で、昨日もそうだけど、最近はリスクオフ時に円がしっかり買われる展開になってきたから、もう少し上がったところで小さく円ロング作りたいイメージ。やるならね。」

H「俺はドルロングだわ。今のポジションが株・債券ともに小ロングで、仮に株・債券ともレンジ相場が続くということが前提だけど。仕事柄、様々な角度からクオンツ分析してるけど、その一つに株・債券・為替のクロスセクションモデルがあって、それからするとドル円は株・債券の今の位置に対してやや円高過ぎる。フェアは50-70bps程度円安水準にあるので、ポートフォリオのバランス的な観点では小幅ドルロングを追加してもいいと思う」


②結論

・株、債券ともに小ロングをキープ
・為替はポジションなし(ビューは割れる)


(参考)相場振り返り(6/17海外、6/18国内)

(6/17海外)米株は小幅下落。テキサス州の直近24時間の入院者数が11%に急増(前日は8.3%)したことや今月23日に発売予定のボルトン氏の著書の内容に関し「トランプ氏が中国に再選支援求めたと記述」(WP紙)「トランプ氏が中国の習近平氏に再選支援要請とボルトン氏暴露」(NYT)とヘッドラインが流れたことなどがリスクオフ要因となった。なお米政府は同書について発売阻止を求めてワシントン連邦地裁に提訴とのこと。米金利は小幅低下。日中は米株に合わせるような動きでレンジ推移となったが、カーブはスティープニング基調で推移。注目の米20年入札は1.5bpスルー、投資家比率88%程度と強い結果となり、そこからは超長期主導で反発。結局は小幅ブルフラットで終える。ドル円は円高ドル安。米国時間午前前は狭いレンジだったが午後から株が下落し始めると、逃避通貨としての円買いが進行した。

(6/18国内)日本株は続落。前日の米株安の流れを受けて弱く始まる。引き続き新型コロナウイルスの感染第2波への懸念や前日の米原油在庫大幅増をうけた原油下落、リスクオフ環境からの円高進行などが影響した。前場は大きく売り込まれて引けたが、後場は日銀ETF買入期待などもあり後場寄りから戻し、結局は寄り付きレベルで引けた。米金利は前日の好調な20年入札を受けて日本時間も超長期中心に買い圧力が強まる。ドル円は株下落による逃避通貨買いが進み一時106円70銭程度まで下落するが、ロンドン時間に入り、徐々に株が買い戻される中で再び107円台に回復する局面も見られた。


<重要スケジュールレビュー>

・BOE決定会合

1000億ポンドのQE拡大を決定。今年の経済の落ち込みは5月時点の予測よりは軽度となるもようだとの見方も示した。債券購入は年末までに終了する見通しだとしている。
→決定会合前までにかなり織り込みが進んでいたため、追加的な緩和材料がなく、英金利は一時10bp程度の上昇。ポンドは発表直後は買い戻されるが、その後は再びポンド安へ


・パウエルFRB議長下院証言

前日の上院証言と同様、ノーイベント。以下、コメント抜粋
長期的には米国債だけのバランスシートが好ましい。米国ではマイナス金利は適切でない。財政支援策の早急な引き上げをしないよう要請、YCCは未定など


(参考)週間相場見通し


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