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第一章「歌の発声」

(一)ラクをして歌う
カラオケで歌って一曲歌っただけでノドが痛くなると言う話をよく聞きます。歌は一生懸命に歌うのは悪なんです。歌の基本は鼻歌です。おしゃべりをする時には何時間おしゃべりしてもつかれないのは何ででしょうか?
一声一声には力が入っていないのです、だいたいは単語の頭の発音だけを強く発音して単語の半分はサボっているからなのです。
ボサノバの女王と呼ばれているアストラットジルベルトは台所で鼻歌を歌っていてスカウトされたという話は有名です。
元首相の田中角栄の演説は声の強弱を上手に使って演説をしました。たまに大声を出してあとはヒソヒソとおしゃべりをするので話に強弱があるから人を飽きさせないのです。

カラオケでノドが張り裂けんばかりに首に青筋をたてて大声で歌う迷惑な人がよくいます。まわりで歌を聴かされている人たちには拷問を受けているようなものです。たまったもんではありませんよねぇ。
私は自分が歌って苦しい時は、その歌を聴いている人は倍以上苦しいんだよ!と教えています。

人の声帯は親指大の小さなものなんですよ。そんなに無理をさせていると声帯を壊してしまいますよ。声帯は鍛えるのは難しいそうです、鍛える前に壊れてしまうそうです。声だけで歌わないで、身体のあちこちを利用しながら声に圧力をかけて拡声させて歌うのです。
声帯から出る音というのは小さな音なんです。昔の蓄音機を知っている人たちは鉄の針をレコード盤に落とした針から聴こえる小さな音を聞いたことがあると思いますが、あれが声帯自体から出る声だと思ってください。

どちらかといえば声自体は小さい声なんです。小さな声に息の力、おなかのポンプの力、身体のあちこちを響かせながら共鳴させて遠くに声を聞こえさせればいいのです。声の力だけで歌おうとしないでください。おしゃべりと同じなんです。
歌手で一生懸命に歌っている人を見たことがありますか?歌手は余裕のある歌い方なんです。決して100%の力では歌っていないのです。約70%も出して歌えば充分なんです。聴いている人には癒しを与えてくださいね。決して苦しみを与えないでください。

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