2020年東京都知事選挙~山本太郎候補の開票速報得票数の不自然な変動(1/2)

(1) 要約

2020年7月5日執行の東京都知事選挙において、筆者は東京都の開票区計62のうち21開票区の開票速報値を調査しました。開票率と各候補の得票数の相関を調査すると、山本太郎候補の得票率(小池百合子候補に対する得票数の比に相関)が、開票率が大きくなる(≒開票終了に近づく)ほど低下する開票区が多いことを発見しました。
調査した21開票区のうち、約6割に当たる13開票区で山本太郎候補の得票率が減少しています。また、東京都全体でも山本太郎候補の得票率は開票が進むほど減少しています。
それ以外にも不自然な得票率の増減があり、なんらかの票数の人為的な操作が疑われます。
筆者は多くの開票区で山本太郎候補の票の一部が小池百合子候補の票にすり替えられたと推測します。

(2) はじめに

開票速報の票数は、候補者ごとにどうあるのが自然であるかを説明します。現在の日本の選挙制度は、開票区を大きくして集約的・効率的に開票を進めることを第一としています(開票作業を短時間で終えて人件費を安く上げるのが当初の目的)。以前(20年くらい前まで?)、投票所ごとの各候補の得票数・得票率までが発表されていたのとは大違いです。
現在はそんな手間のかかることはせずに、一つの開票区でごちゃ混ぜにして、一気に自動読み取り仕訳け機にかけて、それを自動計数機で数えて500枚の束にして、バーコードを貼って、そのバーコードをPCで読み取って自動的に合計して「ハイ、完了」です。(世田谷区など全有権者76万人分をごちゃ混ぜにしているのだから驚きです。ちなみに期日前投票も当日投票もごちゃ混ぜに《しなければいけない》という意味不明な法律条文もあります。)
現在の言わば「大開票区制」では、各地域の細かい有権者の差異がごちゃ混ぜになってしまい、なかなか開票区ごとの差異が出にくい状況にあります。
もちろん、東京23区と小笠原村とでは特色の違いは鮮明でしょうが、残念ながら人口比が圧倒的に違いますから、小笠原村の特色は東京都知事選挙の結果には何の影響力もありません。
以上から開票速報の得票数推移はどうなるか明白でしょう。その例をお見せします。

画像1

2018年沖縄県知事選挙において、開票率10%までは、さきま候補・玉城候補の得票率(上表、上図ではその得票率の比=得票数の比を表示)は変動していますが、開票率20%を超えるあたりから倍率≒1.2倍で安定します。(開票率が小さいときに変動が大きく、相対的に自民党系のさきま候補も票が多いのは田舎の小さな開票区はあっという間に開票が終わってしまい、さきま候補に有利になるためと考えられます。)
この開票速報の票の動きが一般的であり、異存がある方はいないと思われます。この票の動きを念頭に置いて、以下の2020年東京都知事選挙の開票速報の得票数推移をご覧ください。

(3) 得票パターン(A) 一貫して、山本太郎の得票率が小池百合子の得票率より低下している市区

画像5

今回、筆者が調査した22開票区のうち11開票区で開票が進むにつれて山本太郎候補の得票率が低下する⇒小池票数:山本票数の比率が大きくなる現象が生じました(開票率90%以上のわずかな倍率の低下は無視。それまで集計単位の500票未満で、速報値ゼロ票だった多くの泡沫候補に票が割り当てられるため、得票率が低下する。この現象は小池候補でも起きる)。
はじめに東京都全体の開票速報値を示します。

画像2

上図の説明をします。沖縄知事選挙と同じ傾向にあるのが、小池候補:宇都宮候補の得票数比率です。開票率20%以降、小池得票数÷宇都宮得票数≒4.3倍で安定しています。一方、小池候補:山本候補の得票比率は特異的です。開票率23.28%で得票比率=4.86倍。以降、開票が進むにつれて小池得票がより優位となり、開票率97.28%で得票比率=5.58倍となるまで一貫して得票率の差が大きくなっています。(今後もこの種類のグラフを頻繁に提示しますが、b÷a=小池票数÷山本票数 は大きいほど山本太郎の得票率が低下していることに注意してください。)
「結果が遅く出る有権者の多い開票区ほど、たまたま山本支持者が少なかったのだろう」という推測も可能ですが、実際は有権者が多い開票所は要員も多く、そういうことはないようです(郡部の極端に有権者数が少ない開票所は別)。例えば、有権者数759,849人の世田谷区は開票終了が0:20、有権者数が世田谷区の約6分の1、134,205人の中央区は開票終了は0:50でした。

画像3

画像4

以上、東京都全体でも開票速報における山本太郎候補の得票率の推移は特異的ですが、先述したように同様の動きが見られる開票区が11カ所もあります。その11カ所の得票推移を示します。順番は有権者数の多い順で、後になるほど最終の選挙結果への影響力が小さくなっています。

画像6

上4つの開票区は開票が進むほど、山本候補は小池百合子候補・宇都宮候補のどちらに対しても得票率が低下しています。

画像7

上の文京区、西東京市は悪い冗談としか思えません(笑)。特に西東京市は、開票率27.65%で山本、小池、宇都宮候補の得票が8,000票で同数です。若干の良心を残した選管職員が本当の得票率を教えてくれたのですかね(笑)。このあと、山本候補はわずか約2,000票の上積みで最終10,150票。これに対して、小池候補は山本候補の実に約25倍の約49,000票を上積みして最終56,941票です(笑)(笑)(笑)。一体どこに小池票を隠してあったのでしょうか?(笑)
台東区のデータもデタラメです。開票率0%で、なぜか各候補に票が入ってます(笑)。どうせイカサマだから適当ってことですかね(笑)。

画像8

上の東村山市のデータも腹がよじれます(笑)。開票率14.01%で小池候補だけに9,500票入って、他の候補はゼロ票!(笑)(笑)(笑) 得票倍率が空白になっていますが、計算できないんですよ、しいて言えば無限大(笑)(笑)(笑)。
以上、11開票区を概観して分かることは、圧倒的に山本候補に不利な展開で宇都宮候補は先に見た沖縄県知事選挙と同じように得票倍率を維持している場合があったり、山本候補と同じ得票率低下でも山本候補よりは「まけてもらっている」ということです。

2020年東京都知事選挙~山本太郎候補の開票速報得票数の不自然な変動(2/2) へ続きます

(2020年7月18日 山本太郎候補の得票率が低下する開票区が21開票区中14開票区と記述しましたが、精査した結果13開票区でしたので訂正しました。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?