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冬眠
冬眠から目覚めかけの今日この頃
冬の辛さについて綴る。
わたしは冬になると冬眠する。
比喩でも例えでもなく本当に「人間の冬眠」をしてしまう。
冬眠とは:
冬の寒い期間、活動を停止して、眠って過ごすことだ。
調べてみると、「人間は冬眠できない」と書かれていた。
冬眠する動物それぞれ、冬眠の仕方はバラバラだと思うので
人間は人間なりの冬眠があるということを、
冬眠が必要な人間もいることを、身をもって証明したい。
とは言いつつも、特に証明の仕様がないので
わたしの冬眠の様子を紹介したいと思う。
12月10日前後からガクンと調子が悪くなり、
1月〜暖かくなるまでが冬眠期間だ。
凍えるような寒い期間に入る前に、冬眠準備期間が始まる。
予定があろうがなかろうが、布団から動けないという症状がでたら、冬眠開始の合図だ。
目が覚めていても脳と体が冬眠しているので、
動くことができない。
iPhoneの機能の「おやすみモード」と同じで、
外部からの情報を完全にシャットアウトしてしまう。
冬眠モードに設定しなくても
体が勝手に切り替わっている。
だから冬眠中の出来事はあまり覚えていない。
わたしの冬眠が動物の冬眠と違うところは
夏よりも食べる、ということだ。
動かないくせに食べないと生きていけない。
1月2月とよく食べるので1年で1番太っている。
もともとのぽちゃっと体型が、ぼてぼて体型になる。
家の中でノソノソ動いているときは気にも留めないが、
たまに活動すると、体が重くて仕方がない。
しかし冬眠中は太っているかどうかなんてどうでもいいので、とにかく寒い冬を乗り切るために
いっぱい食べる。
部屋を暖かくしたら布団から出られるのではないか、と考えたときには、寝るときにエアコンをつけるのが嫌いなわたしが暖房をつけた。
布団の中で汗をかいて暖房を消してまた眠りにつくだけだった。
冬眠中は基本的に布団の中で丸まっているので、
することがない。
故に「なぜ生きているのか」という思考に迷い込む。
今季も、かなり生きる意味について考えた。
相当気分が落ち込んで、きっと冬季うつとやらに陥っていたのだろう。
あまり覚えていないが、かなりネガティブ思考になっていたと思う。
何もしないから鬱になるのだと言われればその通りなのだが、何もしないのではなく、できないのだ。
言い訳と言われればそれもまたその通りだが
人間はもともと他人からみたらみんな言い訳の塊だ。
自分にとって都合のいいように解釈する生き物なのだから。
だからわたしは冬は何もできないと、声を大にして言う。
友達にずっと「冬眠中冬眠中」と言い続けてきたおかげで、本当に冬眠していた気分になっている。
冬季うつなんて言葉は使わずに
「充電が必要な冬眠タイム」と言葉を変えれば、
暖かい春の日差しを夢見てのんびり過ごすことができるのではないだろうか。
「この冬、ほんとに何もできなかったな」
ではなく
「今季も冬眠完了なり!」と思うだけで、
今年もまた楽しく過ごそうと思える。
「五月病」があるように、
人間にも苦手な期間があっていいのだ。
わたしのように冬眠する必要がなく、夏に休息をとる人は「夏眠」を使えばいいのだ。
「仮眠」という言葉があるのだから夏眠もあっていいだろう。漢字が変わるだけだ。
とにかくわたしは、
毎年必ず直面する寒い冬を乗り越えるために
人間にも冬眠が必要なことをここに宣言する。
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