中国SNS”乱世の時代”こそ、ユーザーコミュニケーションがさらに大事になる!

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ここ最近、中国SNS事情が大きく変わる時が来たんじゃないかと薄く感じていた中で、「小紅書(RED)」がREDショップを含め外部リンクのすべてをシャットアウトするというニュースが目に入り、以前からDouyin(中国版Tiktok)の脱Taobao外部リンクから、中国SNSプラットフォームの独立化が加速していくと予測していた私は、早くも今年中にSNS運営が大きく変わると思っています。

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REDが外部の購入リンクを禁止した理由としては、実際の使用感をシェアする口コミアプリだったはずが、蓋を開けてみたらコンテンツ内容がほとんど広告になっていて、その現象を改善しようとしているからです。

実際、約2年前にREDは一度改善をしていました。広告の場合は必ずプラットフォームへの報告、投稿する際にすべてのブランドの公式アカウントをタグ付けしなければならない、また、広告の割合は投稿の20%以下と規定していました。しかし、KOC(Key Opinion Consumer)の起用率が大きくなっていくにつれて、いつの間にか、規定への意識が薄くなり、RED上が広告だらけになってしまったのです。誇大広告はもちろん、実際REDのユーザー反応を見ても、本来は口コミ情報サイトであるのに信頼性が低くなっていることがわかります。最近の現地情報筋から、久しぶりにREDが広告を出していると聞き、やはりユーザー離れが起きているのではないかと私が思ってしまいます。

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実は外部リンクを貼れなくなるのは、REDだけではありません。Douyinも結構前から外部リンク禁止令が出ていて、ライブコマース時の誘導先はすべてDouyin店舗リンクになっています。各プラットフォームの独立化が加速してくことによって、例えば、今までTMALLで商品が販売されれば、その他のSNSからTMALLへの購買誘導ができたのが、これからはできなくなります。よりしっかりとマーケティングのプロセスを踏まないと、ますます中国市場へ発信と販売が難しくなることは間違い無いかと思います。

プラットフォーム側の立場からしたらこの流れは必然的なものでしょう。 ブランド側から考えると、これから各プラットフォームに合わせたコンテンツ作り、企業アカウントの運営、広告投資、さらに販売ルートも個々で作らなければならないので、コンテンツの流用ができなくなり、投資額も増やさないといけなくなりますね。ですが、私はプラットフォームの独立化は決して悪いことではないかと思います。よりマーケティングの重要性を日系企業さんに気づかせるきっかけになるといいなと期待しています。            

よく「KOL知らない?」、「KOCを200人をお願いします」、「ライブコマースで残りの在庫を売りたい」と言われます。戦略なく、とりあえず売れればいいという企業が増えています。こういったやり方は長期的に商品の価値を出すことはできないと思っていて、売れたとしても打ち上げ花火みたいに一瞬で落ちると思います。しかし、日系企業には宝物がたくさんあるのに、ブランディングを捨てる売り方は本当にもったいない。ブランド価値を上げ、長期的に日本の物の良さを海外へちゃんと伝えるべきです。そのため、一方的に広告だけを打つことにも無理があります。プロダクトの市場空白地、また商品を買ってくれそうなユーザーの消費習慣&動向をしっかり分析し、ブランドの世界観に共感してもらえるような活動をすべきだと考えます。

時代がどんなに変わっても、認知⇒興味⇒検索⇒購買のプロセスを踏んだユーザーコミュニケーションをすることこそが、マーケティングの不変なやり方だと思うのです。企業アカウント運営はもちろん、REDの広告規定の中に企業アカウントのタグ付けの義務があるのも企業アカウントの運営をしっかりしてほしいということではないでしょうか。さらにブランドの世界観に共感してくれるユーザーとのコミュニケーションを大事にしていくべきだと思います。

SNSの時代はユーザーが全てです。ユーザーがどこで、どんな形で情報を得ているか、また購買動向&習慣はどうなっているかをしっかり把握することが最も大事です。”乱世”とはいえ、ユーザーとコミュニケーションを取りながらブランド運営を行い、Made in Japanのブランド価値を上げ、販売市場を盛り上げていけると嬉しいです。


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