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JFPジェンダー格差・労働実態調査

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2021年から開始したJFPによる、日本映画界のジェンダー格差・労働実態調査の資料をまとめています。
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#労働

(2)鷲谷花(映画研究者):JFP調査2022、有識者による解説

少数の大手映画会社が、映画製作に必要な設備及び機材を備えた撮影所(スタジオ)を直営し、一定のフォーマットを共有する娯楽的ジャンル映画(プログラム・ピクチャー)を、厳密な予算及びスケジュールの管理下で量産し、全国の系列映画館で興行して収益を得る、いわゆる「撮影所システム」の時代、映画製作現場で働くスタッフ及びキャストの多数を占めていたのは、撮影所と雇用契約を結んだ賃金労働者だった。撮影所には総じて組織率の高い労働組合が存在し、会社と協議して就業規則を取り決め、現場での遵守状況を