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おすすめの本~Kunimatsu’s Lists~

あなたならどうやってこの本を完成させますか?


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ぱっと見、医学書籍とは気づかないデザインの表紙ですよね。
おすすめの本第5段は、『Kunimatsu’s Lists~國松の鑑別リスト~』です。

総合診療といえば鑑別診断!
かつての自分はそういうイメージでした。(実際に総合診療医として働いているともちろん診断以外の要素も重要と実感するのですが、)日常診療においてはやはりまず鑑別診断を考えることから始まるといっても過言ではないと思います。

目の前の患者さんは病気の名前を持ってやって来るわけではありません。
総合診療医に限らず、意識的であれ、無意識であれ、診療する際は症状から鑑別診断を考え、病歴聴取・身体診察でそれを絞り、検査・治療へと進めています。

一般的には無意識に次のような過程を経て成長している人が大半なのではないでしょうか。

最初の頃(医学生や初期研修医)は
 なかなか鑑別診断が思いつかない
学年が少し上になると(後期研修医)
 たくさんの鑑別を上げられるようになるものの、その中で優先順位の重み付けが難しいために鑑別診断の絞り込みに時間を要する
中堅以上になると
 「ある症状を見たときの鑑別診断」や「ある疾患に対するイメージ像(illness script)」が蓄積されてくるため、診断にたどり着くまでの時間が短くなる

うまく鑑別診断をできるようになるにはどうしたら良いのか?
この、無意識の成長を、意識的にやる訓練が必要かもしれません。その訓練の手助けとなるのが本書だと思います。

この本には鑑別診断の答えが書いてあるわけではありません。

ある症候や検査値異常を見たときの鑑別リストが、デフォルトでだいたい5個ずつくらい並んでいるのですが、ページにはかなりの余白があります。この余白は、読者自身がリストを追加するためのものです。
つまりこの本は、それぞれの読者にとって使い勝手のよいオンリーワンの本に育つよう、作られているのです。

興味を持たれた方は、著者の國松先生らがこの書籍の楽しみ方を紹介しているnoteも是非ご覧ください。

iPhone/iPad対応のアプリも開発されているようです!

きっと働いている地域や病院規模によっても鑑別診断のリストが変わってくるでしょうし、異なる診療科の先生のリストを比べてみるのも面白いかもしれませんね。


文責:平山 果歩(自治医科大学附属病院 総合診療内科)

※当記事の内容は、所属する学会や組織としての意見ではなく投稿者個人の意見です。
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