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コロナ禍で見えてきたマーケティングと営業の適切な連携①

こんにちは。コンサルティング部の平澤です。

普段私は研修の企画・運営、講師のほか、組織内部での業務プロセスの改善支援に携わっています。過去に情報関連サービスを扱う事業に営業職として従事していた経験があり、B to B のマーケティング・営業支援を得意領域の一つとしているとともに、自分自身も企画・提案営業の活動を日々行っています。

 多くの企業が経験したことかと思いますが、2020年のコロナ禍以降、対面での営業活動の機会は大きく制限され、従来のような営業活動での顧客・案件の新規発掘や案件の育成・継続の難しさを痛感しました。

 本ポストではコロナ禍で私が行った「マーケティングと営業の関係」に関する調査研究の概要をご紹介します。

 皆さんの組織でも、マーケティングと営業の担うべき領域を明らかにしたうえで部門・機能を越えて協力し、業績向上を実現するヒントとなりましたら幸いです。

 本調査研究の背景としては、B to Bマーケティングでデジタルツールによるオートメーションが推進される一方で、
①顧客の最終的な意思決定を促す「営業力」は担当者の能力への依存度がまだまだ高いこと、
②活動の領域が顧客の新規発掘をめざした新規のアプローチから商談成約後のフォローまで広範囲にわたっており、かつ、業界や慣習によってさまざまな対応が求められるなど明確な職務内容はあいまいであったこと
③コロナ禍による対面での商談の制限により、デジタルツールを用いるなど何かしらの代替する活動が推進されたこと、が挙げられます。

これらを背景に、コロナ禍という急激な変化への対応とその結果から、案件獲得・取引の維持向上のために営業活動において特に注力すべき活動や有効な取り組みを探ることができるのではないかと考えました。

そこで、変化への対応について探求するために下記3つの探求する点を設定し、業種や規模の異なる複数のB to B企業を対象にインタビューを通じた調査を行いました。

①    コロナ禍によって企業の活動・取り組みにどのような変化があったのか

②    同じ商材やサービスを扱う企業間や、近い戦略をとる企業間での類似点・相違点

③    顧客の購買段階に応じて企業はどのような営業活動を行うのか


調査の結果、わかったことは下記の通りでした。

①    マーケティング活動・営業活動のプロセスがコロナ禍前からあいまいであった企業や案件発掘・獲得を営業部門が中心となって行っていた企業は、マーケティング部門が担う領域が拡大し、
営業部門が担う部門が縮小する傾向がみられ、総じて新規顧客獲得が減少していた。

一方で、コロナ禍の前からプロセスが明確であった企業は顧客獲得を維持もしくは拡大していた。

②    商材やサービスが同じ場合でも取り組みは異なることが分かった。一方で、戦略の違いによって変化への対応とその成果に違いがみられた。

③    既存取引先を対象とした購買促進活動について、再購買・新たな購買いずれにおいても納品(サービス提供)後のサポートにより顧客の購買が促進されることが分かった。さらに、案件獲得後のプロセスとして、納品(サービス提供)段階での顧客との接点がその後の追加案件獲得や、同じ企業における他部署での案件獲得につながった。

上記の気づきは、改めて振り返るとコロナ禍前後にかかわらず当たり前かもしれません。

次回のポストでは、調査からみられた具体的な傾向や、マーケティング部門と営業部門の適切な連携をどのように考えるべきか、について触れたいと思います。

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